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先生が「成績を上げる」というナゾ

「先生のおかげで成績が上がりました」という言葉があるとかないとか。ボクは聞いたことがないし、(たぶん)言ったこともない。

正月にこんなこと思ったのはこれのため。

「成績上がるんですか?」の問いに対して「知りません」だし。でも、絶大な人気。これをさ、教員ってイキモノは受け入れなきゃアカンと感じてる。

教員の作るテストでの序列付け

あんまし、テストが好きではない。確認のためにテストするのはアリだと思うんですけど、序列をつけるのってどうなんだろうかと。できるまで何度もやったらええのにと思う。理科の教員だけど、テストはちょっとした確認と、各自のエッセイライティングで終わらせたい。(波風立てちゃうから、大人しくしてるけど。)

定期テストって、教員が作成して、各クラスごとの平均点とかだして、それに一喜一憂するやつですけど、どうなんすか。あれ。教員の匙加減ひとつじゃないですか。バラつきがでるのも、それは生徒集団の状態によるものではないんだろうかと。うん。平均点の差って、別に教え方のどーのこーのじゃないんだよね。

Most Likely to Succeed でも取り上げられてたっけ

米国の名門学校、Lawrenceville Academy の生徒が、科学の授業の履修3ヶ月後に同じテストを受けたところ、平均成績が2年連続B+からFになったそうです。

って。意味なくないこれ。一度っきりのテストに必要性が感じられないし。結局、なんのための「授業」してたの?って。

Most Likely to Succeed ってこんな映画。

強烈なとある塾の先生の授業

これ書いてて思い出した。

某大手塾で大学生時代バイトさせてもらってたんですが、ある塾のある英語の先生の授業が、素敵すぎて。「全部英語」たぶんルール無視で。20年ぐらい前の話なんだけどね。全部英語で英語の授業。

不満も出てたんだとは思うんだけどさ、ファンがたくさんいるわけ。受講してる生徒もたくさんいて定員一杯な感じだったんだよね。あの授業とか見てたら、「教え方じゃないなー」って。で、それに興味持って、取り組んだ生徒たちは成績を爆上げするというやつ。あの先生、いま何してんだろうか。

大手の塾の先生が面白いのって、何かを教えてくれるよりも、芯があって教養につながることを提示してくれてんだと思うんだよね。振り返ったらそんな感じがする。そこに存在してくれてるから、彼らがやる気になって、勝手に自走しはじめるやつ。結局のところ、生徒が自らが「やる」ってならなきゃシンドイだけだし。

上下切り捨て中間層狙いうち

あ、集団の成績の平均値を上げる方法は簡単にあるのね。上下を切り捨てて、中間層にマッチさせていくの。そうしたら、平均値は上がっていくから。塾で言われるような手法ね。学校でも知らず知らずのうちにやっちゃってる人いるんだけどね。平均点だけ見てるとこんな見せ方あるんすよ。保護者の方には知っておいてもらいたい。

結局のところ

成績が簡単に上がる方法ってもんは、存在しないよ。短期的に上がったとしても、それは幻。すぐに下降します。

保護者の方も「うちの子、勉強しないんです。させてください」っていう前に、ちょっと振り返ってみて欲しい。「むかし、先生の言うこととか授業とか聞いてました?」とか「そんなに勉強やりました?」とか「20~30年前と同じ基準で考えちゃダメじゃないです?」とか。瞬間的に成績を上げる方法は簡単にあるけど、めっちゃ劇薬なんで。副作用が半端ないです。

自分の子どもや周りの子どもに、「先生の手による成績向上」の劇薬を投じますかね。生徒本人がやる気になるまで待つしかないです。で、やる気をつぶす大人よりも、自分の子どもにあった大人や仲間に出会わせるのがいいです。決めるのは子ども。大人は見守るだけ。

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