風
種を採った秋桜の立枯れを火にくべる
風は冬の循環の姿
万物はあるがままに千変万化の自由がある
人だけが息苦しいと感じるのだ
己の弱くて傷つきやすい生命が
無力だと思っていたからだ
強いものは暴力であり、攻撃であり、権力であり、憎しみであると教わってきたからだ
人の心にだけ吹く、その冷たい風に当たるまいと、山の頂の塔に登り、
世界が恐れに満ちているという理由で呼吸を止めていた
愛される存在でありたいと願う心から私が生じ、愛されるに値しないという無念から私が始まった
宇宙風
天地を創造し、万物に生命を与えたのか
そして心を持たせ、悩ませ、虚無の意味を教えたのか
風は命を無力と感じる私を笑った
おののきつつもその肺を無限の大気で満たせと言った
太陽のフレアの一吹きで生命は
たやすく息絶え
それを残酷と言うならば
生命が永遠であれと願う私が
いるからだ
宇宙のわずか一握りの土くれで
作られた肉体を永遠であれと
頼む私がいるからだ
土くれたちがお互いに喰らい合う
生命という葛藤の渦巻
だが、いつか知るに違いない
全ては己から吹いてくる
我こそは命を循環し
永遠の絶えることない銀河を
吹き渡る風
#宇宙 #万物 #生命
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