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3週間かかる「遅い通販」、残り30分で閉まるカフェ。あなたならどうする?

近所にある広くて心地の良いカフェ。コーヒーと音楽が好きなスタッフ(想像ですが)が、いつもてきぱき働いています。気分転換にそこで仕事をしようと夕方立ち寄ると、顔馴染みの男性スタッフから「18時で閉店ですが、いいですか?」と言われました。時計を見ると17時半を過ぎたところ。

本音を言えばあと1時間は開いていてほしい。そう思いかけてとどまりました。朝早くからやっているカフェだもの。スタッフにも自分の生活があるし、仕事を早く終えるのは良いことでしょう。

最近似たようなことがありました。あるD2Cサイトで買い物をしようと商品をカゴに入れたとき、そこに表示されていたのは「今日購入すると9月XX日のお届けです」。3週間も先でした。

ネットでの買い物なら翌日着、ときには当日夜到着することに慣れてしまった私は、3週間先の日付に戸惑ったものの、思いを巡らせてみました。きっと少ない人数で運営しているんだろうし、急いで手に入れたいものでもない。待ってみようか、と。

ここで思い出したのは、Business Insider Japanのアワード「ビヨンドミレニアルズ2023」を受賞したアパレルブランド「SOLIT!」の代表、田中美咲さんの話。

SOLIT!はオールインクルーシブファッションを掲げており、会社の経営にあたっても「インクルーシブ」を大事にしています。例えば縫製工場の人に過剰労働を強いてしまうなら、お客様への納期を少し遅らせてもらう。田中さんはこれを「みんなでハッピーと負担をシェアする」と表現していました。

不便でも我慢しよう、そう思えるのはそのブランドが好きだから。私は冒頭のカフェでは、30分足らずでもその空間でコーヒーを飲みたくて、お店に入りました。D2Cサイトの商品はまだ買い物カゴに入れたままです。3週間待っても本当に欲しいかどうか、自分に問いかけています。

(2023.8.24)

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