ナマケモノとともに
そういえば、1番大事な家族について書くのを忘れていたので、書き記しておこうと思う。
彼と、
彼について。
彼らを私の元に連れてきたのは、母だった。
23歳の時、帰宅したら彼(茶色の子)が涅槃のポーズで私の机の上にいた。
彼を抱えて、母に「この子どうしたの?」と聞くと、「あんたに似てたから、連れて帰って来た。あげる。」と言うので、23歳の娘にぬいぐるみを買ってくる母親ってどうなんだと心の端っこで思いつつ、彼を高々と持ち上げて「え!いいの!?」と大歓喜した。
人生でもらったどのプレゼントよりも嬉しかった。
母が、「この子の名前は?」と聞くので、「うーん、しばらく考える」と言い残し、三日三晩考えて、最初に出会ったときに涅槃のポーズをしていたので、「大仏…?仏?仙人?仙人ぽいな…仙人だからセンにしよう!」と考えて、センと名付けた。
彼も満更ではない笑みを浮かべていたように思う。
私はセンのことをとても気に入って、テレビを見る時も、寝る時も、家にいる間はずっと一緒に過ごしていた。
しばらくたったある日。
帰宅したら、また私の机に上に別の彼(白い子)が、あごの下に手を組んで鎮座していた。
左手にセン、右手に彼を抱えて、母に「この子どうしたの!」と聞くと、「また可愛い子がいたから、連れて帰ってきた。名前はシロちゃん」と言うので、母に命名されてしまったものの、センとシロを抱えて、私は大喜びした。
今思えば、毎日死んだような顔で帰ってくる娘を元気づけさせたくて買って来たのだと思うのだけれど、私はナマケモノが好きだと母に言ったことがないと思うので、本当に彼らが私に似ていたから買って来ただけなのかもしれない。
ナマケモノに似ていると言われて、喜んでいいものなのだろうか。
それはさておき、彼らがやって来てから、私にはとても大事な仕事ができた。
それは、毎朝彼らを寝かしつけるということだ。
こんなふうに。
いつも同じ姿勢だと嫌がられるので、毎回ポーズを変えてやりながら。
とてもかわいい。
朝、コーヒーを淹れる時間がなくても、ごはんを食べる余裕がなくても、アイラインを引くのを忘れても、彼らを寝かしつけるということはだけは絶対に忘れない。
彼らが、私の代わりに家で寝ていてくれていると思えば、どれだけ眠くても頑張れるのだ。
そのかわり、家で彼らと一緒にいるととても眠くなるので、なんとも言えない。
頭のおかしなことを言っている自覚はありますが、とても癒されるので、ナマケモノオススメですよ!