久保惣記念美術館に行ってきました

 大阪は堺市の南側、和泉市にある久保惣記念美術館に行ってきました。久保惣はかつて和泉市にあった綿業の会社で、事業をたたむ際に収集していた美術品と建物を和泉市に寄贈して美術館としたそうです。
 11月12日(日)まで、俵屋宗達の源氏物語・伊勢物語の絵巻展を開催していて、それが私の目当てでした。

 源氏も伊勢もちゃんと読んだことはないし全然詳しくもないですけれど、物語のわりとムチャな具合とは無関係に、ぽってり白い顔におっとりした目鼻立ちの人々は、見ていて何だか気が和む。絵が美しいのはもちろんですが、それより人の手で描いたがための自然な雑さというか揺れに興味が惹かれて、ああ、本当に筆で、人の手で、これだけのものを描いたのだなあ……というところにしみじみしてしまいました。

 初めて訪れた久保惣記念美術館は新館と本館に分かれていて、入ってすぐが新館、いったんそこを出て庭を通り抜けて本館にたどり着く、という構造になっています。新館・本館とも嫌味のないあっさり穏やかな建物で素敵でしたが、私的にはお庭がさらに素敵!!でした。
 個人的に、建物好きだけれど庭はそれほど意識が向かなくて、というか、これまでいわゆる〈名園〉とされる場所に立っても大して感じ入ることがなかったので、庭には興味がないのだと思っていました。が、久保惣のお庭は素敵。

 実に無造作にぼぼぼと木を植えただけのようでいて、でもその木がちっともうるさくないし、池とかその配置なんかにもこれ見よがし感を全然感じない。なんというか、畏まって・有難がって拝見するというより、ちゃんと美しいけれどちゃんと生活圏になっている感じ、とでも言いますか。隅っこにゴザ敷いてべたっと座って、おにぎり食べながら本読みたい感じの居心地の良さ。
 良いお庭ってのは気持ち良いもんだなあ……ほのぼのした気分で帰りました。

 ちなみに、建物は竹中工務店、造園は都造園のお仕事とのこと。
 そして11月12日の後は改装工事に入るそうで、来年3月までは一時休館になるそうです。それまでにもう一度お庭を見に行くか、行けるか。

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