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What goes in the ocean goes in you

【2018.07.28の記事です。amebloから移動しました】

今年の7月バリ滞在した時、300匹の赤ちゃんカメの旅立ちに参加させてもらった。

6月~10月頃までは、ウミガメの産卵期。
この時期は、バリ島にあるウミガメ保護センターで、定期的に赤ちゃんカメの放流活動を行っているのです。

(ウミガメ保護センターでは、年々バリ島で減少しているウミガメの保護活動や、子ども達に向けた環境ワークショップに力を入れている)

カメたち、めちゃくちゃかわいかったー!!

旅行先として大人気のインドネシア・バリ島。
実は世界第2位の海洋ゴミ排出国。

なんとバリ島のウミガメの50%以上のお腹からはプラスチックが出てくるという悲しすぎる現実!

----バリ島だけでなく、世界のプラスチックごみ問題は深刻。 

世界では1日に5億本のストローが、1秒に1万5000本ものペットボトルが消費されていると言われてる。もう数が膨大すぎて、もはやイメージがわかないくらい。
でも、とにかく海には年間で1000万トンものプラスチックごみが投棄されてて、それが海洋生物の生態系を壊してるという毎日。

このままのペースでいくと、2050年までには、「魚の数」より「プラスチックごみ」の方が多くなるって話。

【Juju beach in India, 2018.07】


上記写真はカラフルでアートのようにも見えるけど、よくよく見えると、全部がプラスチックごみ。

砂浜がプラスチックごみに覆われちゃって、砂浜が消えて見えなくなってる!

でもこれは「インドってゴミがすごいんだねー」「大変だねぇ」って話じゃない。

と言うのも、バリ島だって12月(モンスーン季)のビーチはプラスチックごみであふれかえる。

12月のバリ島は波がものすごーくいいから、世界中からサーファーが集まるわけだけど、強風が海面のゴミを海岸へ打ち上げ、ひっきりなしにゴミが打ち上げられてきて、サーフィンしてると、右にも左にもプラスチックしかなくて、波と共にプラスチックが顔に当たったりして、本当にヒドイ。

このインドの写真ほどのゴミではないものの、これまでに何度も「バリは海がキレイだって聞いから遊びに来たのに」ってガッカリするサーファーに何度も会った。

【Bali, Indonesia: photo by Zak Noyle】


そして、この海&プラスチックゴミの現状は、サーファーや海好きの人だけに影響する話じゃない。私たちの体にも影響する。

海に流出したプラスチックは、マイクロプラスチック(目に見えないくらい小さなプラスチック)となって、私たちがスーパーで買う魚や塩に混入しちゃってることが研究で明らかになってきたってのは有名な話。

魚や塩だけじゃなくて、アメリカ・欧州等の「水道水」を調べたら、83%の水道水の中にもマイクロプラスチックが混入してたことが発表されてる。

さらには「水道水」どことか、世界各地で販売されている「ウォーターボトル水」にすら、マイクロプラスチックが混入しているという衝撃!

アメリカ・ドイツ等の国々で売ってる有名ブランド水(エビアン、ネスレ、サンペレグリノ等)のうち、93%にマイクロプラスチックが発見されたって。ひえー!!!

もう何ていうか、「地球のために」「未来のために」とか、「エコだ」「ロハスだ」とか言ってないで(いや、もちろん言っていいんだけど)、リアルに「自分の体・安全のために」動かなきゃ、本当にヤバい時代なんだなと思わされる。
 

-------そんな中、世界で最も多くのプラスチックストローを使用すると言ってもいいかもしれない、スターバックスコーヒー&マクドナルドが、プラスチック製のストローを廃止することを発表した。

スタバが消費するストローは、年間約10億本。マックはそのスタバより数倍多いと言われてるけど、これらを2020年までに世界中の店舗で全廃を目指すんだって!

【Instagram @greenmatters】


年間何十億本って数のプラスチックストローが、今後世界で使われなくなるのがすごい影響なのは言うまでもない。

けど、それ以上に、スタバ&マックが「プラスチックストローを使わない」ということを「決めた」というストーリーは、私たち消費者に対して、大きなインパクトだ。


だって、Nido(スクール)で環境やプラスチックの話をしても、これまで全然ピンときていなかった生徒さんも「あぁ、スタバとマックがプラスチック使用やめるってニュースで見た!」「どういうことなの?」って急に身近なことになって、話題に興味持ってくれたりする。

大きな会社は社会を動かすなぁ。

・・・そして、動いているのは大きな会社だけじゃない。
むしろ、大企業が動く前から、「住みたい社会は自分でつくろう」と、がんばってる人たちは沢山いる。

例えば、ここ最近、バリ島の個人経営の小さなカフェやレストランでは、すでにプラスチックストローは使わなくなってきてて、バンブーストローや金属ストローが主流。


プラスチックのペラペラな白いストローなんかよりずっとかわいいし、インスタグラム等のSNS効果もあって、おしゃれカフェやレストランではプラスチックストローはほとんど見かけなくなってきてる。

バリ島には環境意識の高い西洋人サーファー達もの長期滞在者が多いから、その影響もあって、「プラスチックの使い捨てストロー使うなんてダサい」「海が好きなら、使い捨て商品を使わない・選ばないのは常識。使い捨てなんて恥ずかしいよ」みたいな風潮すら広がってるのをふつふつと感じる。

プラスチックストローを使用すると罰金があるサンフランシスコ州では、下記写真みたいなパスタストローが流行ってるとか。

オリンピックに向けて、日本では「藁ストロー」を検討してるって聞いたし、きっとこれからどんどんこういう動きが広がっていくんだろうな。嬉しいな。

----さて。
リサイクル率は世界トップクラスなものの、ゴミ排出量も世界トップクラスの日本。(日本では缶だけで年間400億本も消費。これはEU全体の4倍!!)

世界のかっこいい動きに賛同しつつ、応援しつつ、日本の今後にも期待しつつ、でもでも、「そもそも論」として、自分の生活をしっかり見直さなくてはいけないなと、当たり前のことを改めて思う日々。

消費大国に生きる消費者の私たち1人1人が、毎日「何を選ぶか」って、すごくすごくすごく大事。

(ごみ排出量が世界トップクラスの日本に生きるなら、尚更のこと)

何ていうか、社会は変えようと思っても変わらないものだけど、自分の暮らしや自分の周りなら、少しずつ変えられるものだから。

私個人でスタバみたいに年間10億本のストローを減らすことはできないけど、でも、まずはコントロールできる範囲から、自分の暮らしに「新しい現実」をきちんとつくって、広げていこうと思う。

最後の木を伐り倒し、最後の川を毒で汚し、最後の魚を食べる時、人間はやっと気づくのだろう、お金は食べられないということに。

――ネイティブ・アメリカンの長老の言葉

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