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私は生きる屍

インドネシア人は基本怒らない。

というか、もちろんイライラしたりはするんだけど、嫌なことを流せちゃう脳内の水分量が大目だなぁとよく思う。

どんなに理不尽なことがあっても、すごく嫌なことを感じても、「そういうもんだ、そうなんだ」を体のプログラムに埋め込んじゃうのが上手な皆様。

私が毎日穏やかで幸せな時間を過ごせているのは、インドネシア人のおおらかさのお陰でしかないなぁと感謝してばかり。

------そんなおおらかなインドネシア人たちに囲まれ、コロナ以来は何となくどこにも出かけず、徒歩圏内&半径2kmからいただけるものだけで過ごす暮らしをしている。

自分の手できちんと「暮らしをつくる」ことや、「子育てはみんなでするもの」や、「お年寄りはみんなで支える」というようなことを、改めて教わっている気がする日々。

【子育てはみんなでするもの】

近所の子ども達が8時前に部屋にやってきて「遊ぼー!!」と起こされるのは日常茶飯事。

近所のママなんて、私が寝てる間に1歳児を私の横にそーっと置いて、連絡なしに1日出かけたりする。(目が覚めると赤ちゃんが横にいるの、本当にビックリするからやめていただきたいw)

だからほぼ毎日、私は保育園の先生状態なわけだけど、「子ども見てくれてありがとう。助かるわ〜」なんて言われたことがない。

みんながみんな、「私の子ども」でなく「みんなの子ども」と思っているから。子育ては親だけがすることじゃない、みんなでするもの、と、誰もが思っているから。

だからどんなに赤ちゃんが夜中にギャン泣きしても「あらあら、泣くことにしたのねぇ。どうぞ〜」てな感じで、みんなニコニコ。
子どもがレストランやスーパーで騒ごうが泣こうが、誰も迷惑そうにしない。むしろ、すぐに近くにいる誰かが率先して抱っこしたり、あやしたりする。

「うるさいなぁ」と舌打ちする人なんか見たことがない。

バリ島の公立学校は未だに始まらず、子ども達はもう半年間も学校に通ってない。なんだけど、「学校なんて1年くらい通わなくたって大丈夫よ。子どもは勝手に学ぶから」と言って、全く焦らず落ち着いてる大人たち。

実際、みんなこの半年でちゃーんとバリ語やジャワ語を吸収し、ドーナツ作りや石鹸作りを通して数や計算に強くなり、鶏をしめれるようになり、ウクレレやカフォンも楽しく演奏できるようになっている。

学校ないなら「○○してあげた方がいいかな」「△△教えなきゃ」なんて、ついつい「意味のあること」ばかりを提供して、手とり足とり手伝おうとしてしまう自分が恥ずかしくなる。

何も飾らず、取り繕わず、子ども達のそのままを見守って、人生や世界を一緒に楽しむ大人がたくさんいる。

私もただただ安心感や信頼感を広げる一助になれたらいいなぁと思わされてばかり。

【お年寄りはみんなで支える】

お年寄りに関しても、家族やご近所さんみんなで面倒を見るのが当然。物忘れしようが、便を漏らそうが、奇声を発しようが、みんなでそのままを受け入れる。

一人暮らしのお年寄りの家には、手作りのご飯等を持って様子を見に行くことが日常生活の中に組み込まれてる(若者の仕事)。

アリフも「そういやバギノ大丈夫かな。会いに行こう」と、隣町の知人のお年寄りの家によく遊びに行く。家族でも親戚でもないんだけど、トイレ掃除や洗濯・漏れちゃった排泄物の片付け等を、当たり前のこととして、ご近所さんやみんなが手伝う。

だからヘルパーさんとか孤独死とか、聞いたことがない。

「バンジャール」という日本の町内会みたいのがあるんだけど、村の老若男女みんなが一緒に宗教活動や地域活動をする。バリ島ではむちゃくちゃ大事なもの。

普段はいい加減で、何でも笑って誤魔化せ〜!みたいな、陽気の塊でしかないおじさん達も(笑)、バンジャールとなると、人が変わったかのようにビシッとする。

子ども達は物心つく前から、そんなおじさん達が自分たちの宗教・地域・親族をしっかり守る姿を見て日々育ってる。

だから「年配者を敬う」とか「年配者の言うことを受け入れる」という土壌が自然に醸成されていくんだと思う。

長老の「年配者や子どもには親切に」なんて言葉を、若者が一生懸命うんうんと頷きながら聞いてる姿を見てると、本当いいなぁと、ただただあたたかい気持ちになる。

残念ながらコロナ終息の気配はまだまだない。

仕事も収入もゼロなバリ島だし、インドネシアは国からの補償(日本でいう10万円の給付金のようなもの)がないから、ローカルみんなの現実の生活はかなり苦しいし、それなりに大変だ。

でも、愛たっぷり&おおらかなみんなと、コーヒー飲みながらお喋りしたり、料理したりお菓子作ったり、ゴーヤやトマトを育てたり、子ども達とミニコンサートを開いたりと、やさしく穏やかな毎日を送っている。

私の最近は、仕事(Nidoオンラインレッスン)に励みつつ、その合間にヨガやジョギング、サーフィンを楽しんでいる。

(コロナのお陰で、アリフがヨガ好きになったのすごく嬉しい)

8/16はインドネシア独立記念日だったから、約半年ぶりのお出かけ!バトゥール山に登ってキャンプしてきた。

人生初の登山&キャンプな子ども達と一緒になってはしゃぎまくった私は、翌日からは4日間の筋肉痛ww

筋肉痛ってそんなに長引くんだという発見に感動しつつ、自己治癒力がゼロに等しくなってきている身体の衰えを痛感中。

------この間、アリフ家族と話してて、インドネシア(アリフ実家Trenggalek)の平均寿命は、ついこの間まで43歳だった(現在は65歳)と知った。

アラフォーはとっくに死んでておかしくないし、50歳なんて大往生だと、村のみんなが思ってる。

「定年退職したら人生楽しむ」と発言する日本人や、実際60歳過ぎてバリ旅行に来るNido生徒さんのことを話しても信じてもらえないどころか、「生きる屍だね」とか言われる。

だから私も、うまくいかない時や落ち込んだ時は「まぁいっか、私もそろそろ死んでもおかしくない年齢だしね」と思うことにした、笑。

悲しいことに、飼い始めた鳥は2羽いなくなり、携帯画面をまたもや破損させ(画面壊しの天才!)、先週は頭をパックリ切って6 針縫ったけど…、私はもはや生きる屍だし、色んな失敗は許容範囲。通常運転。

生きてるだけですごいよ私。偉いよ私。

まぁでも、サーフィンで頭を怪我して縫うのはこの1年で3回目。もうこれ以上、記録更新しなくていいんだけどな。新年の「2020年は怪我しない」という私の抱負は何処へ…。

(☡注意︰頭を縫うために髪を剃られました。禿げてるわけじゃないよww)

If you have a family that loves you, a few good friends, food on your table and a roof over your head...you are richier than you think.

(あなたに、あなたを愛する家族、数人のいい友達、食卓にご飯、そして雨をしのぐ屋根があるなら…、それはあなたが自分で思っている以上にずっと豊かな人生だよ)

愛ある人たちに囲まれる、のどかで豊かな人生に乾杯!

以上、生きる屍の独り言でした。

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