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成長している本人は成長は感じにくいのかもという話

※この記事はXからの転載です。

科学的根拠に基づく最高の勉強法」という本で、面白いことが書かれていた。「再読する」という学習方法の有効性については科学的な根拠はない、と。その理由として「流暢性の錯覚(幻想)」があげられている。

表面的に情報が処理しやすくなったことで、実際には内容を記憶し深く理解していないにもかかわらず、覚えた気になってしまう、理解した気になってしまう心理的な現象は「流暢性の錯覚(幻想)」と呼ばれています。

科学的根拠に基づく最高の勉強法 p.23

また、他の科学的根拠がない学習方法として、ノートの書き写し・サマリ、テキストへのハイライトなどもあげられている。これらは勉強した気にはなれるが、実際に効果は低いそうだ。(もちろんサマリやハイライトの技術にも寄るが)
一方、科学的な根拠がある学習方法もいくつか紹介されており、そのひとつとしてアクティブリコールが説明されている。

アクティブリコールとは「勉強したことや覚えたいことを、能動的に思い出すこと、記憶から引き出すこと」です。

科学的根拠に基づく最高の勉強法 p.49

アクティブリコール自体の詳細説明は割愛するとして、面白かったのは下記記述。

アクティブリコールをしたグループは勉強直後は、他の勉強方法で勉強した人たちに比べて一番自信がなかったのです。実際は一番効果がなさそうだと評価されたアクティブリコールが、一番効果があったというわけです。 この「勉強の本当の効果は、勉強している本人には実感しにくいことがある」ということは重要なポイントです。

科学的根拠に基づく最高の勉強法 p.57

このような記述は、本の他の部分でも紹介されている。つまり、ここまでの科学的の根拠がある学習方法と、そうじゃない学習方法の大きな違いは、

  • わかりやすく自分が学習した気になれるものは、実際そこまで学習効果は高くない

  • 学習効果が実感できない方法でも、実は効率的なものもある。効率的な学習方法は、本人にはその効果が実感しにくい

ということだ。 この本は学習について述べられているが、成長にも同じことが言えるなと感じた。

量に逃げるな、量だけを成長の拠り所にするな

量だけを大事にして思考停止している人のイメージ

ずーっと議論にあがっている「質か量か」の問題。

私たちの創造性への取り組みは「アイデアフロー」と名付けた概念に焦点を当てている。 〜中略〜 簡単にいうと「量が質を決める」ということだ。アウトプットの量が多ければ、それだけ質もよくなる。

スタンフォードの人気教授が教える 「使える」アイデアを「無限に」生み出す方法 p.29

この引用は一例だが、多くの本で量質転換のことについて書かれているし、その論調が特にスタートアップ界隈では多いと感じる。
それ自体はまったく否定しないし、とにかく量をこなすのが重要なタイミングもあるのは間違いない。(またどういう量なのか、っていうことも大事だけどそれはまたどこかで)
ただ、「量で圧倒的な差をみせるぜい!!」と気合が入っている人たちのなかには、単に脳死で量をこなしているだけの人もいる。 「誰よりも会社に遅くまで残って仕事します!」「テレアポの量だけは負けません」「とにかくアポ振ってください!」などなど、いままで量に固執して働いてきた人を何人か見てきたが、その人たちが成長しているかというとそうでもなかった。
量はわかりやすい。けど、だからこそ、それだけを拠り所にしちゃダメだと思う。

成長は結果的に起きているもの

これは僕の少ないサンプル数のなかの意見だけれど、そういう人たちに限って自己肯定感は高かった気がする。それはなんでだろうと考えてきたけど、それは前述した学習効果と同じ話で「複数回やっているので、慣れてきて自分が成長した気になっている」「仕事をした気になっている」からなのかな、と。もしかしたら学習同様に

  • わかりやすく自分が仕事をした気になれるものは、実際そこまで仕事自体の効果は高くない

  • 成長効果が実感できない方法でも、実は効率的なものもある。効率的な成長方法は、本人にはその効果が実感しにくい

ということも言えるのではないか? 確かに自分のいままでを振り返ってみて「いまこの瞬間自分は成長しているかもしれない!」って思うタイミングと「自分成長したなー」って結果的に思ったタイミングとの関係性は薄くも感じる。
経験則的には、気づいたら「あれ、前より成長してるかも?」って思うことばかりだ。 だから、最近チャレンジしているのに成長してる感じしないなーって悩んでいる人がいたら、「とりあえず仕事にちゃんと向き合っているんだったら、気にすんな」って話かもしれないし、一方で、めちゃくちゃ最近成長している感じがするっていう人がいたら、「それはわかりやすい仕事をしちゃっていないか?」って自問するのがいいのかもしれない。

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