見出し画像

10 5月2日 トサントス村で不思議体験

画像1

巡礼10日目。そろそろスペイン巡礼の虚妄を剥ぎ取る時期かもしれない。はっきり言おう。スペインも近代化していて、古き良き時代の巡礼路はほとんど存在しない。ないとは言わないが、少ない。

例えば、ぼくが歩いた巡礼路カミーノ・フランシスは、東から西へ農地、耕作地を渡り歩く旅でもある。多少の起伏はあるもののノッペリとしている。

画像2

もっと近寄ってみよう。

・幹線道路 N-120

・区画された農地

・農地の間を走る農道や町道

が見えるだろう。

画像3

それがグーグルで拾ったこういう巡礼路の景色となって写っている。

画像6

毎年巡礼者が増える中、交通事故が起こることを危惧する巡礼路管理委員会は、巡礼者が車両の多いN-120のような幹線道路を歩くのを嫌う。

そこで農道上、町道上のあちこちに黄色い矢印を描いたり、サインポストを立てて巡礼者を誘導するのである。オリエンテーリングと言っても良い。巡礼者はこの農道、町道を毎日のようにくねくねと歩くことになるのだ。アスファルトやセメントの舗装路あり、砂利道あり、泥道あり、羊や牛を飼っている草っぱらの市有地だってある。おまけにいろいろな事情でこの巡礼路の順路は毎年変わっていく。

本来なら巡礼3週目にLEONという都市のデパートで出会って買った巡礼に向いている靴の話だが、思いついたのでここでしたい。特にこの靴の話は、カミーノ・フランシスを2回歩いたぼくの体験から来ていて、他の巡礼路を歩く場合には必ずしも当てはまらないかもしれない。

巡礼路を歩くのは、山登りをするのとは訳が違う。靴底がガッチリとして分厚い、足元を上部まで靴紐で固定する登山靴はかえって足を痛めることになるだろう。ぼくのおすすめは、ゴアテックスで靴の中への浸水を防止してくれ、雨の後の多少の泥道でも大丈夫なミッドカットの、靴底にそこそこの厚みのあるトレッキングシューズである。ミッドカットだと足首を守ってくれる効果もある。ここに掲載したサロモンのトレッキングシューズは17年前のモデルなのでもっと改良された優れたものが出ているはずである。

画像4

後になって、中敷の出来の良し悪しが巡礼者を天国と地獄に振り分けることも知った。このサロモンの靴には当時は Ortholite の中敷が採用されていた。今では多くの著名な靴メーカーがこの中敷を採用している。ぼくも随分とお世話になった。日本では Ortholite は個人売りの営業をしていないと思う。サロモンのこのOrtholite の中敷が擦り切れた後は、最近はアマゾンでもバラ売りしている NewBalance の中敷を使っている。

画像5

さて、今日はグラニョンからトサントスという小さな村まで19キロの道のりだった。意外に短い。ずっと晴天に恵まれ、気候もまだ暑くない。歩くには絶好の気候である。

画像10

この村は中央をN-120が通り分断していた。

・Iglesia Parroquial de San Esteban(上:教会)

・Albergue Parroquial de Peregrinos(下:巡礼宿)

画像11

さて、グーグルで検索をしていると写真の右下にぼくの巡礼宿スタンプと同じものが出てきた。ここに泊まったのだろう。

画像7

全然記憶にない。ただこの宿の前にあると言う草地でちょっと思い出したことがある。

画像8

・宿にチェックイン

・シャワーや洗濯を終えて草地に座って休んでいた

・目を瞑っていたら小鳥がやってきてぼくの頭にとまった(カピバラ状態w)

・そのまましばらく座っていたが小鳥はくつろいでいるようだった

画像9

・小鳥が警戒しなくなるのは毎日足を引きずりながら一人で歩いていて頭の中が空っぽになって心が静まってきた証拠でもあろう

・座禅瞑想をはじめてだんだん心が静かになって同様な体験をしたことがあった:トンボや蝶々がやってきてぼくの体にとまって休む

スペイン巡礼では前後してときどきこんな不思議な体験をしたものだった。

つづく