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デザインのお値段

デザイン会社にお仕事をお願いする時には幾つかの不安要素というかハードルを感じたことはありませんか?
例えばきちんとお話しを聞いてくれるのか?要望などは可能なのか?有名デザイナーは忙しく受けてもらえないのでは?どれくらいのスケジュール?などなど。
その中でも1番不安なのはコストではないでしょうか。それによりデザインの課題があっても依頼を躊躇している方も多いのではと思います。コストの話しは言いづらくもあり、会社によっての違いもあるので一概には言うことは難しいですが、それによって躊躇してデザイン課題が後回しになってしまっている方達に今回は説明しようと思います。


コストの話をする最適なタミング

まずはクライアントとどのタイミングでコストの話をするのか。基本的な進行は1.今回の要望、2.予算の提示の時、3.提案、4.要望の確認と修正、5制作、で納品です。大体が1・要望とセットです。時に初めてお仕事をするクライアントでお互いに着地のイメージが共有しずらい案件の場合は、我々はこう解釈してこう解決するのがベストだとプレゼンし、それを理解し成功の可能性をイメージ出来た後に2.コストのお話をすることがあります。シンプルな話し、モノを見なくては値段が決められないからというのもありますが、私は1番大事なことは信頼関係なんだと思います。この会社は我々の要望を情熱をもって解決してくれるか?プロフェッショナルのスキルはあるか?因みに後者は各会社の実績をHPなどで確認しておくとよいです。ただ情熱だけは判断が難しいので実際にお会いし時には提案を見てみるのも良いと思います。コストを決定する上で情熱とスキルがとても重要です。


メニューのないお寿司屋さん

例えばデザイン以外でもメニューのないお寿司屋さんも不安です。ではそれにおける情熱やスキルとはなにか。
名店で長く修行していたこと、厳選した良い素材を使っているのか、手間暇かけて仕込み調理されているのか、所作やそのお寿司の美しさや美味しさがあればどれだけ情熱や技術があるのかを感じる事ができるでしょう。大将とお話ししたり観察すればそれらが見えてきます。それを発見することがコストの納得感に繋がります。


雑誌のデザイン

またコストの考え方も色々あります。クライアント側からだと、そもそも社内できめられた予算もあります。またデザイナー側からすると多くの依頼が来る方だと対応可能数には限度があるので、需要と供給の基準が上がってしまうため高コストになることもある。
納得感や双方の基準を総合的に判断してコスト(お値段)が決まります。
なるほど!それはわかりました。で、実際の単価ってどれくらいなの?が本音ですよね?
1ページの単価が決まっいてわかりやすいので雑誌のデザイン費から説明します。出版社にもよりますが1ページ1万円〜が基本です。一冊丸々とディレクションする場合はプラスディレクションフィーで、無料〜100万(出版社やADにより)。ディレクション業務では例えば前半は読みやすくなるようビジュアル中心にしたり、1番メインとなるページまでどう盛り上げて読んでもらえるようにするか全体の流れの設計。その雑誌らしいデザインのガイドライン設計、管理。フォトグラファーやイラストレーターなどのキャスティングなども含まれます。また表紙は単価が10万円〜くらいでした。雑誌の顔なのでとても重要だということ。密度の濃い打ち合わ、それに基づいていくつかパターンを制作するため手間がかかるからです。他にもタイアップページデザインは3万円〜で編集ページデザインの2倍から3倍になります。なんで倍になるかというとラフを作って修正し確認する。ラフも2パターン作ることもあるので手間が2倍以上かかっているからです。


情熱業務のお値段

他にも私はハッピを着て店頭販売の応援をしたり、特集で取り上げたエピソードを読者の前でお話しするイベントをしたり、広告クライアントの展示会に営業と同行し要望を伺ったりしていました。作った雑誌をより多くの方に読んでいただきたい、知ってもらいたい。広告主の要望も理解し様々な可能性を探したかったからです。情熱業務に単価はありませんが、その雑誌の価値が上がれば我々の価値も上がります。クライアントだけでなく我々制作側もどれだけ盛り上げたいのかという情熱はとても重要なんです。


クリエイティブの適正価格


広告の単価は雑誌よりもわかりづらいので一概には説明が難しいです。なぜならどのくらい売りたいかにより場所、サイズ、量、期間、静止画とか動画など選択肢や作業量も複雑です。広告以外にもブランディングやクリエイティブコンサルなども同様です。
プロフェッショナルな技術力をより向上させる為に日々美術館に行ったり映画を見たり本を読んだり色々な方とお話をしたりインプットを怠りません。情熱で業務項目以外のことも沢山対応しています。
日々切磋琢磨している技術と誰にも負けない情熱、あわせてクライアント側の予算を総合的に考えてコスト(お値段)を決めています。
クライアントに御社は高いですがと聞かれることがあります。私は適正価格です、とお伝えしています。
適正価格とは後悔しないお値段のことです。

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