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「次世代CxOへのキャリアルート」徳谷ゼミ第1回レポート/あなたはあなたをわかっていますか?

「天職を見つけるキャリア論」でもおなじみのエッグフォワード徳谷智史氏が率いるNewsPicksアカデミアゼミ「次世代CxOへのキャリアルート」。参加者のキャリアのTurning Pointを作り出し、フルコミットで次世代のCxO/リーダーを生み出していくという野心的な取り組みがスタートしました。第1回ゼミの模様は、ゼミ生の未来のCxO、コードこと新藤さんがレポートします。

CxOは企業の成長に欠かせない存在であり、高次なレベルでの視野・視座・視点が求められる役職です。ゼミ生24名は自分に向き合い、自分の将来像を見据えながら、目指すCxOに必要な資質やキャリアパスを明らかにしていきます。

ゼミの仲間と一歩を踏み出している状態になることがプログラムされているまさに実践的な徳谷ゼミ。この「次世代CXOへのキャリアルート」ゼミは、全部で6回のプログラムからなっています。

ゼミの冒頭ではこんなアツいルールが提示されました。

1. 自己:「自己」に向き合い続ける
2. 仲間:「仲間」にコミットメントする
3. 行動:非連続な成長に向け、とにかく「実践・行動」する

第1回は6時間もの長い時間を取って、以下のアジェンダで行われました。

<第1回アジェンダ>
・イントロダクション
・自己紹介
・CxO概論
・自身のキャリアの振り返り
・経営シュミレーション_CxO体験
・Day1でのFB、振り返り

CxO概論:CxOに共通する素養には何があるのか?

まず、徳さんこと徳谷先生から、CxOに共通する要素について「CAP理論」を用いて説明がありました。

CxOには3つの素養が必要になります。

1. Capability & creative jump
CxOになる人は、現状の延長線上で成長していくのではなく、必ずといっていいほど非連続的な成長を遂げているといいます。どんな非連続な成長が必要かということは、このゼミを通じて考えるべきことの重要なポイントの一つです。(Creative jump)
また、CxOたるもの専門性が必要になりますが、どんな専門性がどれだけ必要なのか、知っておく必要があります。(Capability)

直観的には非連続の成長が必要という論を理解できますが、何をしたら非連続な成長になるのか。ゼミ冒頭、いきなり不安に直面することになりました。

2. Accountability & acquire
事業を進めるために多様な人を巻き込みながら推進していくCxOには、経験や考えが異なる人に説明していく必要があります。(Accountability)そして、CxOはほとんどの場合リソース不足に見舞われます。そのため、リソースをどう確保するかが勝負の分かれ目になります。(Acquire)
この話は非常に頷けます。事業でリーダーを担っているような方々が参加されていますから、この話については、みな「うんうん」という反応でした。後々この安易な反応に後悔するとは夢にも思っていなかったでしょう。

3. Personal Mission
何のためにCxOになりたいのか。そして、それを通じて何を実現したいのか。私たちは、キャリアライフにおいて非常に重要なこれらの問いに対して応えなければいけません。これがあってこそのCxOであり、その先の価値につながる。そんな話しを受け、ゼミ生は一様に真剣さを増していくのでした。

自身のキャリアの振り返り:あなたはあなたをしっかりとわかっていますか?

次は各自のキャリアの振り返りです。CAP理論でもPersonal Missionの話しがありましたが、企業の経営に関わっていく中で、自分自身のことを理解しつつ、適切に意思決定をしていくことが重要です。
そこで、私たちも自分のキャリアを他の人に語り、自分がどんな人間なのか、ライフラインチャート(経験業務や人生の振り返り、エピソードから感じる自分の強みや課題など、多岐にわたる自己分析シート)というツールを使って、改めて認識を高めるワークを行いました。他のゼミ生から客観的なコメントをもらうことで自分の特徴に気づけたり、質問を投げかけられることで内省を進められたり、非常に有意義な時間になりました。


経営シュミレーション CxO体験:あなたは本気で企業を経営していますか?

ついに本日のメインイベントである「経営シミュレーション」に入っていきます。

経営シミュレーションでは、各チームがとある製造業のCxOsとして、実際に企業(今回はメーカー)を経営することになります。仮想のお金を元に商品を製造し、マーケットセグメントを見ながら販売価格を決定。毎回、固定費の支払いもあります。もちろん資産がなくなれば倒産です。

そもそもが非常に複雑なゲームです。しかも、マーケットの価格表の変更や、生産投資の機会などの問題がランダムに発生します。環境はコントロールできません。

そして、何よりも時間がない!戦略検討は10分程度。その次に他チームとの交渉時間は2分程度。その後も2分程度で攻めるセグメントを決めて入札。そしてあっさりと結果は出ます。最後に収益計算。目に見える結果として、そのタームの損益が出てくるのです。

ルール説明もそこそこに、ゲームスタート。

頭を使って議論を行う時間などありません。あれよあれよという間に意思決定が下され、交渉も十分に行えないままにマーケットにベット。しかし、明確に損益は出てきて、自分の判断が正しかったのか、誤ってきたのかを突き付けられます。

最初こそ余裕がありましたが、2回、3回と繰り返すうちに、余裕を失い、どうしようという思いが頭をめぐり、心なしか気分が悪くなってきました。
チームの他のメンバーにも余裕はありません。スピーディに動くものの、議論はロジカルなものかというと怪しく、先のタームを見据えた戦略に話はいくものの、決まらないことが多い。中途半端に意思決定し、負けたら次のタームの選択肢は狭まる。これが経営か、という思いでした。

白熱したゲームが進む中、事件も起こります。あるチームは資産がゼロとなり倒産しかけてしまいました。そこで、救済してもらうための記者会見も実施。真剣に、と徳さんから突っ込みも入ります。
また、別のチームは、倒産により途中でビジネス終了となってしまいました。すべてのゼミ生が、経営の厳しさを体感したゲームとなったのです。

Day1の振り返り:私たちは経営できていたのか?

このゲームは10ターム完了時で終了となりましたが、その後振り返りが行われ、こんなコメントが寄せられました。

・ 十分な議論をせず行き当たりばったりであった
・ 楽観的な見通しで戦略なく、とりあえず走り始めてしまった
・ 短い時間の中で曖昧な根拠で判断を下していた
・ 収入に対して多すぎるコストを払っていた
・ プランAだけで突っ走っていて、プランBを考えていなかった
・ 過去成功したから、考えずに次も同じことを進めた など

ここで「CAP理論」が思い出されます。特に、Accountabilityを実行できていない!
頭で理解できることと、実践することの落差が大きいということを肌で感じた瞬間でした。

結局、「私たちは本当に経営当事者となれたのか?」「経営できていたのか?」。これらの問いに対して真剣に向き合わなければ、そして実践していかなければ、このゼミで成果を上げることはできないのだと感じたのでした。

さて、ゼミ第2回は「科学的アセスメントによる価値観/強み/コミュニケーションタイプ診断」です。

経営に必要なことを体感した第1回を経て、次は自分自身に向き合うことになります。過去、何があっても今現在ベストを尽くすのもまた経営者。第2回はもっとコミットして、ゼミ生みんなでCreative jumpを作っていきたいですね。

第2回はゼミ生の田村雪野さん(ゆっきー)からの報告です。お楽しみに!

執筆:新藤稔之(コード)

💡プロフェッサープロフィール

エッグフォワード株式会社 代表取締役社長
徳谷智史
企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。
大手戦略コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、人の可能性を最大化するべく、「世界唯一の人財開発企業」を目指し、エッグフォワードを設立。UZABASE、NewsPicks経営陣へのコーチングやコンサルティング支援をはじめ、戦略コンサル、総合商社、リクルートグループなど、業界トップ企業数百社に人財・組織開発やマネジメント強化のコンサルティング・トレーニングを幅広く手がける。同時に、キャリアの専門家として2万人を超えるビジネスパーソンの意思決定・成長支援を実施。東洋経済オンライン連載。著書に「いま、決める力-ワクワクする未来をつかむ決断筋の鍛え方」(日本実業出版社)など。

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