巨人軍練習試合 vs 若手侍JAPAN戦雑感(23.11.10)

相手は、若手中心かつ調整段階とはいえ、フィジカル・メカニズム共に優れたトップクラスの集団であることから、この試合で結果を残した選手に対しては相応の評価が与えられる。

1(左)立岡
トップハンドを緩く握り、構えで脱力し、前肩も入れずに質の高い飛球を放っていた。股関節のぶつけの強さは中距離打者相当だが、前脚が地面に突き刺さったあと、後ろ脚が跳ね上がる。

2(中)萩尾
春先に比べて前肩が入り、歩幅が広くなって、引き手を突っ張らせることでトップの浅さを補っているが、パワーの発揮面においてあまり良くない気がする。先制タイムリーよりも、股関節が強くぶつかり、地面に突き刺さった前脚が反力によりめくり上がり、後ろ脚が三塁ベンチ側に引かれるのではなく自然にシザースされることでパワーを発揮した隅田から放った飛球の方が価値が高い。守備においてはチャージの緩慢さ、判断の悪さを露呈。両翼奨励。

3(指)吉川→山瀬
前肩が入る。上半身を前傾させることでパワーポジションを作り、グリップを下げている。

山瀬
前肩が入る二度引きのドアスイングを生かした右方向への飛球を徹底している。

4(右)岡田
前肩の入りが尋常ではないため、ファストボールには刺され、緩急には抜かれる。外角直球を引っ張り込めるリストワークが特長だが、全体的な動きの大きさからリードオフマンというよりも、丸の後継タイプである。

5(捕)岸田
現代のバッターにしては脚を上げている時間が長いし、前肩が入る。ボトムハンドを身体に沿わせて主導して、トップハンドの押しと共にスッと肘・ヘッドが抜けて隅田の内角直球を引っ張って長打にする。その際、頭は動かずヘッドステイバックも大きい。この打席の価値は高かった。

6(遊)湯浅→中田歩
前肩が入り気味なこと以外はフルスイングできているが、粗い。同タイプの中田の台頭により自分の中で影が薄くなっているが、右の二遊間は少ないためまだチャンスはある。

中田歩
筆者は入団当初からこの選手の打撃に注目していたが、現場の評価も高かった。トップハンドを肋骨に沿わせ、掌が上を向く時間をギリギリまで保ち、体軸をホームベース側に傾けることができるゆえ、上から入れたヘッドは結果としてややアッパー気味の軌道を描くが、フォローにおいては体軸に対してヘッドが低めに抜けていく。高卒1年目の育成選手においてここまで振れる打者は見たことがないのである。

7(二)中山
右脚の崩れが早期に起こることから、ボトムハンドの力が強いと思われる。前に乗せて前大きく振るのが合う体質で、そもそもトップハンド主導のステイバックする打ち方が合ってないのでは?という元も子もない仮説が浮かんでくる。増量増量というが、そもそも実戦で引っ張った飛球を生み出せないのが問題なのである。

8(一)増田陸
実績があるだけに、この中においてはフルスイングレベルは最上級であった。腰がグンと前に出てくるのが正面からでも分かるくらいに股関節のぶつけが強く、ファストボール・緩急ともに対応できていた。

9(三)菊田
打ちに行く際、上半身ごと一瞬浮いてしまうため始動が遅れる。ヘッドが背中側に落ちる。

※投手は気が向いたら更新予定


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?