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11月3日/2022

(続き続き)

ここまで誰にも会わなかったし。宝永山火口の休憩所にも人影はない。座って休憩して行こうかなとは思ったけれど、水をちょっと口に含んだだけで歩行続行。さていよいよ道に雪が現れてくる。しかし、砂利が雪解け水で凍結しているせいか思いのほか足が沈んでいかない。それでもやっぱり歩きづらいし、雪も歩行の邪魔をする。それでも、チェーンスパイクを装着しなくてもいけそうだ。傾斜がだんだんキツくなってくる。ここは急登とは言えないけれど、こんなに自分ってヘタレだっけ?と思いたくなるように全然足が進まない。火口の淵の稜線まで続く道がそこに見えるのになかなか近づかない。なんか呼吸も苦しくなってきたなあ。思えば頂上のだいぶ下とはいえ結構な標高だもんな。何度も何度も停まっては息を整える。単調だけど、他の山にはないキツさがある。気分を変えるのにジグザグに斜面を登ったり。後ろを振り返って写真撮ったり。それでもなかなかあそこに見える稜線は近づかない。黙々と登っていくしかない。それでも一歩一歩は確実に一歩一歩を刻むもので。ようやく稜線に出る。出た!!。向こう側は雲海。雲がどんどん湧いてくる。ここから宝永山の頂上までは稜線歩き。360℃視界を遮るものはない。この道のりはご褒美以外の何物でもないかな。湧いてくる雲から雪が吹きつけてきた。まるで冬山じゃん!。愛鷹山を眼下に見下ろし遠くには伊豆半島とずっと向こうまで海。空の上を散歩してるような稜線歩き。まもなく宝永山頂上の道標がみえてくる。五合目登山口からここまで1時間半ぐらい。富士山頂上の足元にもおよばないが今日はこれぐらいにしてあげよう。またいつかの機会に頂上待ってろよ!!。ということで道標の台座に腰おろして一休み。いつの間にか数メートル前も見えないほどに雪が降りまくっているじゃないか?。降るのに前見えるのか?。と一抹音不安も感じるが、雪の富士山なんて滅多にできない経験。不安より好奇心が勝つ。携帯のカメラで写真パチパチ撮りまくり。こんな余裕かませるのは、宝来山の下りはわりと楽に時間かけずに降りれると知っているから、本来山を下るのは苦手で時間がどれほどかかるのか読めないことが多いけれど、ここだけは登りより圧倒的に早く降りれる自信?があるし。それにしても、もうそろそろ腰を上げないとな。ということで名残惜しいけれど、リュックを背負い直して、出発。富士山の頂上を見上げるけれど、もうすっかり雲の中。富士山に来るのは今年はこれで最後かな?。今年はたくさん会えて幸せだった。本当にありがとうございました。また来年!!。

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