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その日暮らし

令和4年7月30日(土)
午後13時
ずっと1階の床に寝転んで天井を見ている彼がいる。
FLAMEの床はコンクリ。コンクリの上に寝転ぶことは、意外と気持ち良いのかもしれない。

近くのコンビニまでスタッフと買い物に行き、女性が戻ってきた。その後、椅子に座ってiPadでYouTubeを見ている。定番のアニメソング・女性アイドルグループの曲だ。小さな音で流れている。

ミシンで縫製した中表の生地を外表にひっくり返してスチームの効いたアイロンで押さえている男性がいる。
その後、スタッフへ
「深い糸を閉じてください」(縫い糸が、緩んでいる部分を引っ張ってほしいという意味)
「タマを隠してください」(玉止めを隠すという意味)
「確認お願いします」(完成品を見てほしい意味)
ルーティンに、創造的なステッチの布が生まれている。

「さかになってますよ」「少し段差がありますよ」というスタッフの声。
その隣をふら〜りと歩く男性がいる。

2階では、黙々と女性が牛乳パックをハサミで刻んでいる。突然鳴り出す好きなアイドルグループの曲。不安な時のサイン。
「気づきました」と私は少し急いで伺う。

ものづくりをしているようで、していない。いや、していないようでしてる時もある。無理に引っ張り出すのではなく、その人の日常や地域の中から生み出されるようなものであってほしい。

それぞれの日常がFLAMEという建物・枠の中で流れている。

自分自身の日常を感じながら、目の前の人が持っている日常(価値観)を味わうことを忘れずに。
些細なことでもどうぞお話しください。

スタッフの人へ(毎朝の申し送りメモ)


FLAMEはそんな、ものづくりの場です。

スチームの効いたアイロンを抑える彼


FALMEは開所して、お陰様で1年が経過しました。
奈良にある元洋裁屋さんまで取りに伺った工業用ミシンから始まって、職業用、ロック、家庭用と、さまざまなミシンが揃いました。
そして、クラウドファンディングではデジタル刺繍機も手に入れることが出来ました。

そして、ものだけでなく人も。

期せずして、ミシンや刺繍機を扱う人との出会いがあったり、地元のイチジク農園を営む人との繋がり、他、それにまつわる道具や糸などの資材を譲っていただいたり。

ミシン周りの、ものと人が集まってくる場だなぁと感じることがあります。

目の前のことに対応する、目の前のことに対して変化していくこと、
つまり、その日暮らしの姿勢が功を成しているのかなぁと・・・
毎日が新鮮です。

久々のレポートでした。

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