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矢掛高校の放課後キャリア探究「キャリラボ」

矢掛高校にて実施している「キャリラボ」。2023年度は備中県民局提案型協働事業として実施しました。このnoteでは、矢掛高校での取り組みについてまとめていきます。

活動のねらい

自分の関心を深めることのできる環境をつくり、自分の得意や興味を探究できる高校生を増やす。

活動概要

月1~2回、高校の放課後に空き教室を1.5時間ほど開放して実施。高校生は大学生スタッフや大人とコミュニケーションを繰り返すなかで、自分のやりたいことをやってみたり、進路の探究に向かってチャレンジしていきます。

[Phase1]踊り場:大学生や大人と楽しくおしゃべりしたりする
高校生は様々な過ごし方をしています。スタッフと自分の趣味のことを話したり、他愛のない話をしている生徒もいれば、探究学習のプレゼンテーションの練習をしたり、学校の課題をしている生徒もいます。

写真手前ではプレゼン準備、奥ではおしゃべり。
アヒージョをつくる回では、偶然通りかかった先生も参加。

[Phase2]開示:やりたいことや気になることについて話す
スタッフとの関係性ができてくると、「○○やりたいと思っているんですけど…」「○○の分野に興味があって…」など、自分のやりたいことや気になることなどについて自己開示してくれます。

また、関心や行動目標をより具体的にするきっかけとして、社会人ゲストに来てもらって話を聞く機会もつくっています。

起業家や保育士、行政職員の方などが来校

[Phase3]越境:学校の外に飛び出してチャレンジする
開示してくれた内容から「じゃあ、○○してみる?」というような問いかけを返して、行動目標を生徒と一緒につくります。やってみることが決まったら、必要に応じて地域のリソース(人・モノ)を活用しながら学校の外に飛び出して成長機会をつくります。

活動事例

【Case.1】保育に関心のある生徒が保育施設へ会社訪問

●内容
キャリラボに来てくださった保育施設の職員さんに生徒が興味をもち、「現地に行ってみたい!」となったことから訪問企画を調整し、他の生徒も参加。当日は保育施設を見学し、子どもたちの様子や保育士の先生たちの仕事ぶりを観察しました。

●高校生の感想
子どもは1人の人間として接するという考え方がすごくいいと思った。アースエイトに来るまでは先生と生徒という考え方だったので、その違いが印象に残った。子どもは体が小さく、経験が少ないだけで、大人は体が大きく、経験があるだけという言葉がとても心に残った。私もその考え方で子どもと接したいと思った。(中略)学び続けることを大切にしてこれからも過ごそうと思った。自分もアースエイトのような所で働きたいと思うし、自分の子どもができたときには通わせたいとも思った。アースエイトにインターンシップしたい!

【Case.2】文学研究に興味のある生徒が文学研究者に話を聞く

●内容
「文学に興味があり、将来の仕事にしたいと思っているけど、文学の仕事って世の中にあるのか?文学研究者として生きていけるのか?」という疑問をもった生徒が岡山大学の西山研究室を訪問。文学研究の道について実際の話を具体的に聞いて疑問を解消しました。

●高校生の感想
私がやりたい文学研究は院生までにとりあえずできそうなことが分かりました。初めて具体的に文学研究について知れたのでとてもよい機会でした。今さら文学研究をしてどれだけの価値があるのだろうと私は思っていたけど、そんなに心配しなくても良さそうだと仰ってもらえたのが個人的には嬉しかったです。あと、留学についても価値はあると思えたし、その留学についてのお話の中で海外の論文を読むためのネットワークがないと知れて、私がそれを作りたいと思いました。職業について研究職しかないと思っていたけど、選択肢が広がったと実感しました。

成果

キャリラボに参加した高校生の感想としては、下記のようなものがありました。進路の後押しになったり、何かしらの行動のきっかけになるような成果が出ています。

  • キャリラボを通して、多くの大人や他の参加者と話すことで視野を広げたり、自分の進路への後押しに繋がったのが利用していて凄くよかった。また、お菓子を食べながらリラックスして、たくさんの人とコミュニケーションをとれたのも楽しかった。

  • 本当にいろんな大人と関わることができて、まず何より楽しかった。人それぞれ生き方が多様すぎて、なんでもありなんだなぁと気づけた上に、世の中にはそんな仕事があったんだ!という気づきもあって、参加していて本当に楽しかった。

  • すごい大人が沢山いるんだなと思った。すごい大人でも自分と似てるとこがあって、近く感じられる時もあったし、話が面白くて聞きやすかった。「洋画見てごらん」とアドバイスしてくださって、英語嫌いが緩くなったきっかけのひとつになったから良かった。友達とお菓子食べながら話すことが楽しかった。

また、利用者(「放課後キャリア探究」活用校3校の合計)の約9割が「進路に対する目標できた」「進路実現のための行動を起こすことができた」と回答しました。


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