見出し画像

放課後に、オンラインで。

矢掛高校にて実践中の、オンラインで県内外の大学生と気軽におしゃべりする場「career lab~新しい出会いに乾杯~」。昨年11月にパイロット的に始めてから1年が経ちました。

career labは月1回、放課後の時間に行っています。「建築」「保育」「一人暮らし」など、毎回設定されたテーマに関係する大学生が1,2人がオンラインで参加し、テーマに関心のある高校生が集まっておしゃべりする場です。

画像1


はじまった経緯

きっかけは、矢掛高校のESD探究とだっぴが協働するかたちで行っているファシリテーション探究の授業でした。この授業では、高校2年生がファシリテーションを学び、倉敷市立薗小学校で行われる「薗っこだっぴ」にて、小学6年生と地域の大人との対話を活性化させるファシリテーターとして場づくりに関わります。

ファシリテーターは小学生が異なる他者と出会う機会をよりよい学びの場にすべく立ち振る舞うわけですが、その準備を授業を進める一方、「高校生もまた異なる他者との出会いは十分ではない」と感じました。

そこで、できるだけ「異なる他者」となりそうな人たちと高校生が交わる機会をつくるべく、吉備国際大学の大学生たちや矢掛町の大人の方との対話の授業内でセッティングさせてもらいました。(ご協力本当にありがとうございます。)


放課後にも偶然の出会いを

その流れの中で、放課後にも異なる他者と出会う時間をつくってみてもよいかなと始めたのがcareer labでした。

初回は、東京の大学生に通う女の子と高校生2人。特にテーマも設定しないまま、(ある程度リードした後は)放っておきました。笑

3人の共通点が生徒会所属だったこともあり、お互いの生徒会話をしていたり、大学生のお化粧事情を聞いていたりしました。

画像2

その後、進路学習としての取り組みの一環として月1回の実施が決まり、タイトルもそれまでに参加したことのある高校生に決めてもらって「career lab~新しい出会いに乾杯~」となりました。
(僕は別の案の方が好きだと言ったのですが、却下されました。笑)


大学生たちが運営

2021年度からは、会の運営を大学生にやってもらっています。協力してくれる大学生を募ったところ、2人の学生が手を挙げてくれました。

若者たちの場は、若者でつくった方がいいなと思いますし、そっちの方が自然体で楽しそうじゃないですか。笑

会の中で話している内容は毎回様々で、「大学の授業や実習でどんな感じ?」「高校生のうちにしておいた方がよいことは?」「好きなアイドル」「おススメのカフェ」「障害を持つ子どもについて勉強」「やかげ学で経験した困ったことの相談」など、多岐にわたります。

周りがみんな進路を決めているので、焦っている。
憧れの職業はあるが、それでいいのか?

こうした悩みは高校生も大学生も同じく持っています。等身大の大学生だからこそ高校生に伝わることもあって、真剣にメモをとる場面や楽しくおしゃべりする場面の両方が見れて良いです。

僕は、必要となるオンラインでのファシリテーションスキルについて、大学生たちと探究したり、テーマに関連するゲスト学生を探したりしています。

画像4


活動に求めたい意義

(これはどの活動でもそうですが)オンラインでつくれたのは、学びにおける環境要因という障壁の突破。矢掛町に大学はなく、矢掛高校に周辺に大学生はあまりいません。

彼らの進路を規定するうえで、周辺環境はその要因の一つとなるわけですが、自分と同じ環境にいない人から得られる示唆をcareer labでつくれ始めていると思っています。

また、テーマ別・少人数であることで、(ある程度)個別最適化されたものになっているのではないかと。

そこで起きる出来事に自分が干渉できたり、自分が干渉した結果、その出来事が起きたり。学びの当事者として、そこに居ることができる空間なのではないかと振り返ります。

従来の学校の授業とはある意味で対になる非線形の学び。こういう余暇のような時間の中にある学び、あるいは学びのような余暇の時間の使い方もあって良いのではないかと思います。


画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?