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「You make Okayama!」活動レポート

3月5日・19日の2日間で、SDGsオンラインチャンネル「You make Okayama!」というオンラインイベントを開催しました。


どんなイベントか

このイベントは、高校生対象のオンライン勉強会となっていて、学校の先生と民間企業の社員さんで構成された実行委員の皆さんによって企画運営が行われました。

高校生と岡山の企業で働く大人がSDGsをキーワードにつながる!

学校が「社会に開かれた教育課程」を目指すなか、企業と学校の距離間はまだまだ遠く、高校生と企業の距離感も同様です。そこで、岡山の企業で働く大人たちはどんな課題に挑み、どんな思いをもっているのかを知る機会をつくろうということで企画が立ち上がりました。

また、探究的な学びを始めるようになった高校生はここ数年で随分と増えました。社会の課題解決に関心をもち、取り組もうとするのは何も大人だけではありません。そういう世界が広がりつつあります。

SDGsの中で切り取られた社会課題をテーマにすえながら、共通した課題に取り組む人として、企業と高校生の両方からそれぞれのチャレンジについて聞き、社会理解を深めていくことを目指しました。

参加した高校生の感想

計56名の申込があり、参加満足度は「とてもよかった」72.2%「よかった」27.8%となりました。

感想は様々ありましたが、感想の内容をラベリングして類型すると、「生き方/働き方・進路に関する広がり」31%、「企業の仕事の理解」29%、「SDGsの理解」22%、「高校生同士の交流」18%という比率になりました。

また、参加後の学び・気づきのチェック項目についても同様の結果でした。「企業の仕事」「SDGs」「働き方」について知ることが、自分の進路の気づきにつながっている感想も見受けられ、自分の外側で起きている情報を自分事に変換できていることを嬉しく思います。

KH Coderを使って感想の共起ネットワーク図(単語間の関係性を可視化)を作成しました。当然ながら、SDGsについて考えたり、企業の取り組みを知る機会になったと感じている高校生が多くいました。

一方、Subgraph01群のような網の目状の結果は、ディスカッションパートによるものであり、高校生と企業の社員さんがお互いに話す機会は、個々に感じ方や腹落ちの仕方が異なることが分かります。

とりわけ興味深さを感じるのは「高校生ー面白い」の関連性です。企業の社員さんだけでなく、他校の同世代からもらう刺激が、次のアクションや目標設定を促すという仮説が立てられます。(そして、おそらくそれはたしかだと思います)

学校の先生と企業の社員さんの協働

考察を実行委員の皆さんの方に移します。

企業の取り組みを紐解くにあたって、その「切り取り方」を学校の先生と企業の社員さんとで、あーだこーだ話し合いながら進めました。それは、”美味しい部位”がどこかを明らかにするためでした。

1つの「事実」に対してどこを照らしていくべきか、選択肢は多角的です。ビジネスの世界をよく分かっているのは企業の社員さんの方で、「この企業さんのこの事業のここは素晴らしい」というアンテナが備わっています。その感性や見方で切り取られたものに対して、学校の先生たちが「それは生徒にとっても学びが深いものになるから、ぜひ伝えてほしい」となれば、それは”美味しい部位”となります。逆もしかりで、学校の先生のアンテナ(教育効果を考える)から発案される切り取り方もあるでしょう。

こうした話し合いを通して、学校の先生と企業の社員さんがお互いの差異を知るという場面もあったかもしれません。学校が「社会に開かれた教育課程」を目指すうえで、先生たちがアンラーニング(今の世界の当たり前を揺さぶり、問い直す)していくことは重要な要素の1つだと考えます。(先生だけでなく、今後の人材育成において「問い直し、考え続ける」ことは、どの大人にとっても大切なことではないかと思います。)

結果から読み取れることとこれから

SDGsの認知が拡大したことによって、社会課題に関心を寄せる高校生は増えたと体感的にも思います。(渋谷トレンドリーサーチ『SDGsに関する認知・行動調査』によると、高校生SDGsの認知率は86.0%で、認知者数に対して行動率は68.6%)

そうした意識の高まりに対して、「今、地域社会で起きていること」をそこに関わる当事者の目線から、課題と取り組みを抽出して伝えていくことは、大人たちができることかもしれません。伝える課題や取り組みは、これからの未来をつくっていくチャレンジであり、大人の熱意も含めて次の世代に託していく行為であるとも言えます。

未来への兆しは、ここにもある。

チャレンジし、学び続ける大人の姿を、見せていきたいと思います。

また、高校生も大人も、自分のコミュニティの外の人たちと触れ合う越境体験は、今の自分を揺さぶり、これからにつながる問いを生み出します。そうした越境には、問いをもち探索し続けることを面白がれる心や、答えになかなか辿り着かない保留状態でも耐久できるネガティブケイパビリティが大切になるかもしれません。



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