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第11回JASHカンファレンス

2016年4月17日、第11回JASHカンファレンスを開催しました。いつもお世話になっている船橋北口みらい図書館にて。6月から始めるカレー食堂のお話と中高生向けの講演『ぐっさん保健室』の摸擬講演をしました。10名の方にお集まりいただきました!

今回は千葉県八千代市で始めるカレー食堂のカレーの試食を準備しました。名付けてぐっさんカレー!ぐっさん保健室にぐっさんカレー食堂にぐっさん一色のJASHになりつつあります。NPOになって3年目のJASH、とうとうカレーを作り始めてしまいました(笑)

年度末のカンファレンスでもお伝えしましたが、『ぐっさんカレー食堂』は子ども食堂と性の健康をかけあわせた中高生向けの事業です。この事業はわたくし副代表の猪俣が昨年思いついた取り組みです。いろんなことをやってきたJASHですが、この性の健康という分野なかなか盛り上がらないんですよね。やっぱりこれは何か、掛け合わせ事業とかクロスセリングとか、相乗効果のあるもっと一般大衆向けのことをJASHならできるんじゃないかと考えていたところ、代表山口が「いつか中高生にカレーを食わせたい!」と言っていて、「じゃ、それ今やればいいじゃん!」と突然ふってきたアイディアでした。その壮大なる計画を本日のカンファでプレゼンさせていただきました。

がっ!!

目立ちやがりのくせに人前で話すのが苦手なため、あちこち抜けまくりでしたので、ちょっと簡単にまとめてみたいと思います。

子どもの6人に1人が貧困

"子どもの6人に1人が貧困状態にある。相対的貧困率は16.3%(2014年)である。特にひとり親の貧困率は54.6%(2012年)である。ひとり親の半数以上が貧困状態にある。"
出典:厚生労働省

子ども食堂の取り組み

"ひとり親家庭や困窮家庭また共働き家庭などで、食事ができなかったり、孤食になっている子ども達に食事を提供する取組みで、全国に広がっている"

取り残される中高生

"ほとんどの子ども食堂は小学生以下の子どもたち向けで保護者と一緒に来る形"
"貧困支援であることを感じさせないため、子ども食堂のほとんどは誰でも来れる場としている。"
"でも、おいでと言われても果たして、中高生がひとりで行くのか?"

貧困と性の問題

"性と貧困は大きな関わりがあり、貧困家庭の子ども達はハイリスクな状態にある"
"家族崩壊、親との関係性の欠如から、深夜徘徊や家出により性被害にあうリスク。デートDVのリスク。知識のないまま性風俗従事者になったり、搾取されるリスク。"
"貧困が引き金になる、望まない妊娠やできちゃった婚。人工妊娠中絶の選択や出産のための高校中退。若くしての結婚・出産は離婚リスクが高く、貧困に陥る可能性も高い。"
"貧困による教育格差。貧困家庭の子ども達は自己肯定感が低く、将来に希望を見出せずライフスキルを得る機会に恵まれない。"

本当に必要とされる支援をするには…

子ども食堂の取り組みが広がっていることはとてもいいことだと思います。誰でもすぐに取り組みやすく、どんな地域でもできることです。子ども食堂に行くことで、誰かとご飯を食べる、またそれをきっかけとして悩みを相談できたり、その先の支援につながることもあるでしょうし画期的なモデルだと思います。

ただ、貧困支援である限り、そこに行くだけで『貧困』という烙印(スティグマ)を押されるようなやり方であってはいけないと思います。遠いアフリカの子どもの飢餓ではなく「日本の身近に貧困の子どもがいるなんて!」そういう気持ちでいてもたってもいられなくて子ども食堂を始めた方がとても多いこの取組み。支援者の熱い気持ちがあってこその事業であり、サービスを受ける受益者にどれほどこの支援が役に立っているのか、その効果をみることがとても難しい事業だなと思っています。

わたしは中学生の娘がおり、シングルマザー歴8年になります。この事業を始めるにあたって計算してみましたが、貧困線をわずかに上回るボーダー家庭です。自宅近くでは子ども食堂の取り組みは見かけませんが、あったらありがたいと思うし行くと思います。今回リサーチも兼ねて当事者として、有名な子ども食堂にも行きました。ご飯がおいしくて、暖かい場所でした。でも、やっぱり貧困支援は難しいなと思いました。例えおいしいご飯が無料または安くいただけるとしても、「ひとり親家庭だから」「かわいそうだから」「お金がなくて困っているだろうから」という思惑があるのなら、やはりもやもやします。

JASHは多様な人たちが集まっている団体で、わたしがひとり親だからこそ支持してくれる方もいます。だからこそ、参加者がもやもやしないようなやり方を模索したいと思っています。対象が中高生となるとなおさら配慮が必要になってくる事業なので。

ぐっさん保健室×ぐっさんカレー食堂

JASHは「ぐっさん保健室」という講演事業をしており、性教育の中でも置き去りにされがちな男子目線の話を高校生に伝えています。2015年度は2919名の生徒にぐっさん保健室をお届けしました。現役看護師が生徒の質問に真っ向から答えるスタイルで、性教育を超えて子どもたちが本当に知りたいことを伝えています。講演の依頼をしてくる学校は、教育困難校と言われる学力の低い学校が多いことからも、教育格差、貧困、性は大きく関わりがあることがわかります。

JASHでは講演「ぐっさん保健室」に加えて、「ぐっさんカレー食堂」を通して、中高生がリプロダクティブヘルスやセクシュアルヘルスを含めたライフスキルを学べ、またいつでも話ができるななめの関係のオトナに会える第三の場を提供したいと思っています。千葉県八千代市にとどまらず、最終的なモデルはどこにでもそんな場所があるようにしていきたいと思いますが、まだまだ未知数なこの事業。JASHらしく流動的に改善・進化させていきます!

ネクストステップ 

といろいろ書いてみましたが、とにかく中高生とカレーを作って食べよう!という事業です。JASHはいろんな人が集まるまさにカレーのような団体です。JASHという船には誰が乗り込んでもいいし、飽きたら降りてもいい、港からエールを送るんでもいいんです。ぐっさんカレー食堂はそんなJASHらしい活動だと思っています。ぜひぜひ、協力・応援したいという方はご連絡ください。

JASHは今、こんな人とものを求めています!

欲しいもの
★ご寄付(1,000円~ お肉を買います!)
★米
★野菜(じゃがいも、玉ねぎ、にんじん等)

欲しいひと
★月1回または2回、千葉県八千代市でカレーを作ってくれる人
★中高生の参加者(誰でも)→ラジオ版「ぐっさん保健室」の公開収録の参加
★千葉県八千代市で寄付集めを手伝ってくれる人(チラシを貼れる場所、募金箱が設置できる場所なども)
★オトナゲスト(仕事の話を高校生向けにしてくれる人)

お問い合わせ先
www.npojash.org
info@npojash.org
090-6027-2003(イノマタ)



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