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SDGsクエスト―持続可能な未来づくりにみんなで挑む―

2024年3月2日、おかやまSDGsユースの集い2023「SDGsクエスト―持続可能な未来づくりにみんなで挑む―」を開催しました!

昨年・一昨年はフィールドワークを通してSDGsを考えるプログラムでしたが、今年は内容を一新!
SDGsクエストと題し、ゲーム要素を交えて、「ロードマップ」や「旅のしおり」も準備しました。

当日の進行は、SDGsネットワークおかやま若者部会の仲間、Tサポ(ティーチャーズサポート)の川井健さんが務めました。
「会場にお集まりの勇者の皆様、SDGs王国のパーティーにご参加くださり、ありがとうございます」
――様々な課題を抱えた「SDGs王国」。この国の課題解決に向けて、勇者の力を結集するべくパーティーを開催した――という設定です。
参加者はSDGs王国を救う「勇者」として、連携して課題解決策を考えるミッションに挑戦しました。

●自己紹介
自己紹介シートを使い、呼ばれたい名前・何をしている人・今の気持ち・好きなこと・得意なこと・大切にしていること・気になるSDGsについて、あらかじめ決められた班「以外の人」と自己紹介を行いました。
自己紹介シートを持って会場を歩き回りながら、偶然出会った人同士で自己紹介をしていきます。
参加者同士で積極的に声を掛け合い、緊張もほぐれ、会場の雰囲気が温まっていきました。

●SDGsとは・王国の危機
「だれ一人取り残さない」というキーワードや、SDGs王国が瀕している5つの危機についてSDGs王国の王様から説明しました。
その5つの危機とは、
①エネルギーの無駄遣いとエネルギー依存の増加
②経済的格差の増大と社会的不平等
③産業と消費の持続不可能性
④グローバルな連携の欠如
⑤持続可能なまちづくりの遅れ です。

「ここにいるみんなで、何とかしてほしいんじゃ」

とても困っている王様は、勇者に切実に訴えかけます。

いよいよミッションスタートです!


●ミッション1:メンバーを知る

最初のミッションは「同じ班のメンバーと」改めて自己紹介です。

自己紹介シートをもとに、好きなこと・得意なこと・大切にしていることについて、メンバー同士で質問し合いながら関係性を深めていきます。

誰が何に興味があり、どんなことが得意なのか。仲間の興味関心と得意を知ることが、この先のミッションに連携して挑む上でとても大切です。

和気あいあいとした雰囲気で進み、笑い声が上がる班もありました。

 

●ミッション2:危機を決める・ミッション3:エピソード共有・ミッション4:課題を決める
5つの危機の中から1つを選び、班のメンバーで協力して解決策を考えていく社会課題の大きなテーマを決めます。危機に関連するエピソードを共有し、解決策を考える具体的な社会課題を自分たちで設定します。
例えば、②経済的格差の増大と社会的不平等を選択した班の中には、生徒会の活動として制服の変更・校則の見直しをした経験があるメンバーのエピソード等をもとに、解決する課題を「男女の不平等をなくす」に設定した班もあります。
ミッションの途中、悩める勇者たちを助けるため、経験豊富なSDGsネットワーク岡山若者部会の仲間たちが「賢者」として、各班にアドバイスを授けました。

●ミッション5:現状と理想像
設定した社会課題について現状を調べ、理想像を話し合い、現実が理想に近づくための解決策を考えました。
一つの課題にずっと向き合っていると、考えが煮詰まってくるもの。時折自分の班を離れて他の班の様子を見たり、賢者からアドバイスを受けたりしながら、議論を重ねます。

●ミッション6:解決策のまとめ
最後のミッションでは、考えた解決策を模造紙に記入していきます。
一枚の模造紙をみんなで囲み、時には立ち上がったりしながら、ミッションを通して考えた解決策をそれぞれの班で特色豊かにまとめました。

●発表
模造紙にまとめた課題解決策を各班で発表しました。
解決したい社会課題を「経済的な理由による教育格差をなくす」に設定し、解決策として「無料で学べる学習塾」について発表した班や、「高齢者の孤立をなくす」という社会課題を設定し、「高齢者主体の交流の場づくり」を提案した班があり、各班が様々な視点で考えた解決策を発表しました。
賢者からのアドバイスを踏まえ、高校生・大学生それぞれの意見が反映されていて、全員が真剣に考えたことが伝わってきました。
中には、TV番組のような構成で、他の参加者を巻き込みながら楽しく発表してくれた班もありました。

全ての班の発表を聞いた王様からは、「みんなのおかげで何とかなりそうじゃ。勇者の皆さん、ありがとう」と勇者へ感謝が伝えられました。

●チェックアウト
最後に、全員で円になって、感想を一言ずつ共有しました。
参加者からは、
・普段から、インターネットやニュースでSDGsについてきくことはあったが、自分でアイデアを考えるのは難しかった。
・学校では学べないコミュニケーションの方法やSDGsについて学ぶことができた。楽しかった。
・人それぞれ意見が違って、立場や背景の違いがあるんだと勉強になった。
・それぞれの知識や経験、立ち回り方が合わされば、難しい課題でもクリアできるという経験ができてよかった。
などの感想がありました。

全員が感想を発表した後に、進行役の川井さんが「今日は難しいテーマについて考えてもらいました。帰ってから「自分にできるだろうか」と感じるかもしれませんが、小さくても何か行動に移していってほしいと思います。また、今回のワークで考えた流れは、この先も参考になるので活かしてほしいです。そして、今感じているもやもやした気持ち、嬉しい気持ちなど、自分の今の思いを大切にしてほしいと思います」とコメントし、閉会しました。

6回目となる今回は、「他者と連携・協働して、より活動の輪を広げていってほしい」との思いから、「協働の体験」をテーマにSDGsクエストを企画しました。
協働を体験してもらうために、「初めて会う人・自分とは違うバックグラウンドを持つ人たちとチームになって課題解決策を考える」という少し難易度の高いプログラムとなりました。
実際に協働を体験してみて、難しく感じた人も多かったと思います。しかし、たくさんの参加者から「楽しかった!」という声を聴くことができました。
そして、一連のミッションを通じて、SDGsについて、社会課題について考えるきっかけになった人、自分とは違う立場・意見の人と活動することに意義を感じた参加者もたくさんいました。

私たちSDGsネットワークおかやま若者部会も、それぞれが違うバックグラウンドを持ち、日ごろは違う活動をしている仲間たちが集まっています。今回のSDGsクエストの準備・運営を通して、参加者の皆さんと同じように、協働の大切さ、難しさ、そして楽しさを改めて感じる機会になりました。
これからも、SDGsを通じて、ユース同士が刺激し合い、つながり合う場を作っていきたいです。
ご参加いただいた勇者の皆さん、一緒に楽しくクエストに参加してくださり、ありがとうございました!!