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BEAMS JAPANが光を当てるモノやコトの作り方 開催レポート

2024年1月25日、主催の名古屋伝統産業協会様にお力添えいただき毎年恒例のセミナーを開催いたしました。

今回のゲストはBEAMS JAPANセレクトショップで有名なBEAMSですが、日本のモノ・コトに光を当てたショップがあります。そこでは日本の民芸品からポップカルチャーまでありとあらゆるものにBEAMSらしい光を当てた店舗になっております。

今回はその「BEAMS JAPAN」からクリエイティブディレクターの鈴木修司さん、プロデューサーの佐野明政さんのお二人をお招きして、新しい価値創造のきっかけになるセミナーを企画いたしました。


余談にはなりますが、企画者であるmyameの中村は20年前の中学からBEAMSに強い憧れを持っておりました。当時は、少ないお小遣いから捻出し、当時ナディアパークの1階にあった店舗へ足繁く通いTシャツを買いに行ったことを覚えています。そして当時オレンジ色のショッパーを持っていくのも最高のおしゃれの一つでした。
そんな憧れからオファーさせていただき、お二人に快諾していただきました。

そんな話はさておき、今回はモノづくりに焦点を当てることはもちろんですが、どのように売れる商品や企画を開発するかを考えるきっかけになればと思い、「BEAMS JAPANが光を当てる モノやコトの作り方」と題してたくさんの多くの事例を紹介いただきました。当日はお二人のお話を聞くために100人以上の方が来られました。


セミナー当日は「銭湯のススメ。」「BEAMS EYE on ISE」「大名古屋展」などの事例を紹介いただきました。

どれも魅力的なお話で面白かったのですが、その中で一部紹介させていだだきます。

銭湯のススメ。


「銭湯のススメ。」でもBEAMSの光の当て方が面白い事例でした。
液体石鹸の売上と比較し減少傾向にある固形石けん「牛乳石鹸」の認知拡大のためにプロダクトを中心のプロモーションを考えていました。ですがプロダクトだけのプロモーション施策だけでは話題になりづらいと考え、牛乳石鹸や生産背景が使われる場面などを考え、昔から銭湯で利用されてたことを軸にプロモーション手段を考えていきました。日本が誇る大衆文化「銭湯」を軸にプロモーションを考えていくと、スピードが上がり、若年層向けに始めたプロモーションでしたが、幅広い多くの方に利用していただいたそうです。都内の銭湯を巡ってもらえるようにスタンプラリーも銭湯と協力し行い、銭湯を巡ってもらい、最終的な景品交換は新宿のBEAMS JAPANで行うようにしておりましたが、予想以上に銭湯を巡っていただいた方が多く、景品交換ができない状況までになったそうです。

また、牛乳石鹸は赤や青のパッケージを思い浮かべる方もいらっしゃいますが、BEAMSでやるならオレンジが絶対良いということから、佐野さんはクライアントさんを説得し続けたそうです。相手に思いをしっかり伝えつつ、自分自身は何があっても諦めず、時間をかけてゆっくり気長に答えを出してい
くことを心がけていたとのことでした。

オレンジ色の牛乳石鹸


BEAMS EYE on ISE


BEAMS EYE on ISEで一緒に鈴木さんと商品開発する伊勢製餡所の事例です。
伊勢はお伊勢参りのお土産や旅の疲れを癒すものとして、昔から和菓子製造が盛んな地域でした。和菓子に切っても切れないものと言えば餡子(あんこ)です。和菓子屋さんが利用する餡を製造する製餡所が多くあったそうです。昔ながらの銅釜で丁寧に餡を作っていました。鈴木さんが目をつけたのが、「こしあん」「つぶあん」。どちらも美味しいのに、「こしあん」「つぶあん」に分かれてしまいます。
そこで鈴木さんは「こしあんよりのつぶあん」「つぶあんよりのこしあん」を作った方が良いのではと考え企画しBEAMS EYE on ISEのイベント期間中販売しました。


その名も「こしつぶあん」と「つぶこしあん」です。
鈴木さん曰く、正直目を隠して食べるとどっちがどっちかわからないそうです。ですが、期間限定での販売予定だった「こしつぶあん」と「つぶこしあん」ですが、4品食べ比べてみようとまとめ買いする人も多く、結果売上も上がったそうで、今では伊勢製餡所さんの定番ラインナップに加わっているそうです。
鈴木さんはできるだけエンドユーザーの目線で商品を見ていて、世の中にはないものであったり、あったらいいなと思う視点で商品企画を考えてるとおっしゃっていました。


最後にお二人に質問コーナーで19歳の左官職人の男性からの真っ直ぐな質問がお二人の人柄を表しているなと思いました。


来年成人を迎えます。20代に何を努力すれば良いのでしょうか?自分は30代に成功したいため、この10年が大事だと思っています。どのようなことをすれば良いでしょうか?

19歳左官職人からの質問


19歳ということは僕の息子と同い年です。僕自身、そんな偉い立場ではないので、たいそうなことは言えませんが、次の10年も大切ですが、今も大切です。次の10年できることがあるなら、今努力する、身につけることがあって次の10年へと繋がっていくと思います。だから今出来ることをやりつつも自分の将来の可能性も探ることが重要じゃないでしょうか?

鈴木さんのアンサー


僕も鈴木さんが思っていることと同様に今も大切です。人生最短で目的地やゴールまで行ける人なんかほとんどない。僕は一度社会人経験を経て大学へ入学しています。多少の寄り道というより、本当にやりたいことや今につながることは回り道することもあると思います。僕はガムシャラに今を生きながら、自分の気持ちを大切にして、次へのステップにつなげることが重要なのではと考えています。

佐野さんのアンサー

真っ直ぐな質問に真っ直ぐに返答するのが印象的だったので、このレポートに掲載いたしました。

最後にはなりますが、参加者の皆様にとって非常に満足度の高いものになったと思っております。今回お話しいただいた内容が誰かの問題や課題解決にリンクする話をお二人が用意してくれたからだと思っています。モノをつくる人だったり、プロジェクトを起こす人だったり、街づくりに関わる人だったり、はたまたクライアントを口説き落とす必要がある人だったり。

皆悩みや課題を抱え、仕事に取り組まれているのだと思っています。今回BEAMS JAPAN様のセミナーはモノやコトや誰かの気持ちに寄り添い
つつ、誰かの課題解決のお手伝いをしており、これからの仕事に活かすことができるそんな素晴らしい会になったかなぁと思っています。


これからも日本のモノづくりを支えれるようなセミナーになればと思っています。


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