尿活

皆さん、一日に何回トイレに行きますか?
そんなことは、日頃あまり気にした事がないですよね。
一日に8回以上トイレに行く人は頻尿であると言われています。

①排尿時間
体重が3キロ以上の哺乳類の排尿時間は、約21秒です。
また、尿道の直径と長さの比率が共通して、1:18である事も明らかにされています。
人間やライオン、象、ヤギ、キリン等全ての動物が、食べ物や体格も異なるのに同じ21秒って不思議ですよね。
この研究は、人々を笑わせて考えさせてくれる研究に対して与えられる「イグ・ノーベル賞物理学賞」を2015年に受賞しました。
人間は、年齢が上がると排尿時間は長くなります。
これは、人間だけに起こる現象です。
排尿時間が動物によって異なるか?なんてことに興味を持つ頭の良い人がいるから、医学もどんどん発展してきたのでしょう。

②排尿回数
一日、5〜7回程度が正常です。
○頻尿の原因について
1.多活動膀胱
筋肉が硬くなり膀胱に柔軟性が失われ、膀胱が錆びておこる病気です。
生活習慣病などが原因で一酸化窒素が足りなくなると、膀胱の柔軟性が保たれなくなり、尿意が多くなります。
活性酸素を処理する機能が落ちることが原因で、顔のシワ等も活性酸素が原因です。
2.男性ホルモンの減少
男性ホルモンの分泌が減ると、頻尿になりやすくなります。
活性酸素の増加は、食べ過ぎや塩分、糖質過多などがあります。
3.低活動膀胱
働きすぎた膀胱が疲れた状態です。
筋肉がズタズタに断裂し、尿が出にくくなります。
伸び切ったゴムのようになり、収縮性がなくなってしまっている状態で、腎臓機能の低下につながります。
膀胱へ行く血液が減り、酸化ストレスがかかると、低活動膀胱炎になります。
過活動膀胱や前立腺肥大が進行すると、低活動膀胱となり尿が出にくくなります。
膀胱に長期間、尿が溜まったままの状態になると細菌が感染しやすくなり、腎臓の機能が低下してしまいます。
腎臓にまで尿が入ってしまうと、水腎症になってしまいます。
慢性腎臓病になると、透析が必要になります。
3.夜間頻尿
・多尿
水分過多は糖尿病が原因である場合があります。
夜中でも、喉の渇きで目を覚ますようになると、重度の糖尿病であると考えられます。
・尿の色が薄い
バソプレシン(尿の色を濃くする働き)の低下により、おしっこが薄くなり膀胱が直ぐにいっぱいになる状態です。

3.睡眠時無呼吸症候群
ANP(利尿ペプチド)という、強い利尿作用をもつホルモンが分泌されることが、夜間頻尿の原因であると言われています。

4.前立腺肥大症
前立腺が年齢に伴い肥大し、尿道を圧迫するため残尿量が増え.昼夜問わず膀胱過多になってしまいます。

★夜間3回以上トイレに起きる人は、2回以下の人に比べて2倍も死亡率が高かったそうです。
夜間頻尿が直接の原因ではありませんが、夜間頻尿は寿命を縮める病気のサインなんですね。
○尿のチェックポイント
・尿の色
淡い黄色が普通で、健康な膀胱であれば、夜間はバソプレシンにより尿意が保たれているので、朝起きて直ぐの尿は濃色なのです。
・血尿
高齢者の場合は血尿が出たら、膀胱癌を疑いましょう。
・泡立ち
泡立ちが直ぐに消えない場合は要注意です。
・尿の色の濁り
卵管炎や膀胱炎の疑いがあります。
白っぽい場合は、男性は尿道炎が疑われるため注意が必要です。
症状としては、腰痛等が挙げられます。
感染症は、男性から女性にうつしてしまうと体の奥まで、菌が入り込み重大な病気になる可能性があります。
また、不妊症の原因にもなり得るのです。

・尿臭
通常はアンモニアの匂いがします。
あまり気にしなくて良いですが、稀に便臭がある場合は、深刻な状態です。
いつもと違う匂いがする場合は泌尿器科を受診しましょう。
・排尿時の痛み
女性の場合は膀胱炎である場合が多いです。
排尿痛はたいてい感染症の場合が多いです。
○尿活で人生100年時代を生き抜く
膀胱の筋肉を意図的に鍛えることはできませんが、頻尿予防には下腹部を動かす筋トレが有効です。
・肛門エキササイズ
座ったままで、肛門を5秒間引き締め緩める。
これを10回ほど繰り返す。
・膀胱エキササイズ
トイレに入った時に、排尿を3秒〜5秒程度我慢する。
そのほかにも、スクワットやウォーキングなど、太ももを鍛えることも有意な方法です。
インナーマッスルを鍛えれば、膀胱の柔軟に欠かせない男性ホルモン、テストステロンの分泌を促進することにも繋がります。
クオリティライフ
頻尿予防だけではなく、日頃から全身トレーニングを心がけることで、あらゆる健康効果が期待できます。
○快尿食
一酸化窒素の材料となるアルギニンとシトルリンなどを多く含む食品を摂ると良いとされています。
アルギニンが多く含まれる食品としては、ウナギ、鶏肉、マグロなどがあります。これらは、カルノシンという物質が多く含まれていて、強い抗酸化力を持っています。
両方を一度に摂取可能な料理としては、ゴーヤチャンプルです。
抗酸化作用がらある食べ物は、尿活にも筋トレにも効果があります。
抗酸化物質として調味料のターメリックも有効です。
ただ、いくら良い食材と言われるものであっても、過剰な取りすぎは、逆に健康を損なう恐れがあるため適量摂取を心がけましょう。
逆に酸性の食べ物である肉などは、腎臓を過労に追い込みます。
また、激しい糖質制限は男性ホルモンの減少に繋がるので、玄米や芋類などで適量を摂るようにしましょう。

食事は、なかなか結論が出ない分野ですが、食べ過ぎをやめて、色んな食材をバランス良く摂取した方が良さそうですね。

自分の排尿に目を向けることで、気づきがあるかもしれません。
ではでは。

参考図書
○寿命の9割は「尿」で決まる
堀江重郎
○医者が教える食事術
牧田善二
○switch
ジェームズ・W・クレメント

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