※カオス ※息を吸うように現パロ ※以老李のつもりで書いてはいる ※が、色っぽい展開はないのでどっちともとれる 岡田以蔵がその老人を拐かしたのは2月も末の頃だった。 その日、以蔵が警備の夜勤を終えて外に出た時、空はもうすでに白んで、東側には朝日の輪郭さえみとめられた。つい先週までは頬を切るようであった冷気もいくぶんやらわいで、今は遠く忘れし懐かしい春の予感を思わせる東風が吹いていた。以蔵は一つ大きな欠伸をして、その肺腑を靄けぶる朝方の大気で満たすと、今にも消えそうな白
・よくある後天にょた かの万能の人、レオナルド・ダ・ヴィンチが増築したてのピカピカの魔術工房に籠城してからかれこれ半刻が経つ。彼はその日突如起こった集団性転換事変の最重要容疑者と目されていたために、今一歩でも外に出ようものならば、戸口に押しかけた怒れる被害者の群れに粉々にされてしまうことが明白であったからである。 喧々囂々の騒ぎの中、彼らのマスターが後輩のマシュ・キリエライトを引きつれて扉の前に立った。そして埒の明かない状況を打開するべく、呼び鈴を押し、通信回線に接続し