日本製鉄のUSスチール買収の思惑?

カーボンニュートラルに四苦八苦の日本製鉄㈱がUSスチールを2兆円余で買収、子会社化することを昨年末に発表した。日経新聞の「経営の視点」に古くて元気な企業に期待すると、日鉄のUS買収を取り上げてあった。橋本社長がトヨタに鋼材供給制限をちらつかせて鋼材の大幅値上げを飲ませた。また、EV化のキモである電磁鋼板の特許問題で訴訟する動きは橋本社長の諸葛孔明のような戦略でした。旧日新・呉を子会社化しつつ全面閉鎖へ、余剰気味の生産設備のスリム化を図って財務体質の抜本強化と歴代経営者のお荷物を一掃した感ありです。高炉と大型電炉で準カーボンニュートラルを実現する青写真を描いているが、大分製鉄所をフェードバックさせる構図はありやなしや。
USスチールと言えば米国産業の象徴のようなもので、過去に地銀などが行った米国インフラ買収の悪夢を再現せねばと危惧している。トランプ氏が大統領選に勝利するとUSスチール買収はとん挫しかねない。一方、準カーボンニュートラル実現を米国の鉄鉱石とシェールガスとミニミル製鉄技術と再生可能エネで凌ぐことを想定しているのか??
18年前、インドのミッタルが新日鉄を買収しかけたが、ヨーロッパのアルセロールが買収劇の「白馬の騎士」となった。当時、名古屋製鉄所の中堅が「インド人が上司になるのは勘弁して欲しい」とボヤいていた。「技術の日鉄か?、財務の日鉄か?」と問われると財務となるでしょう。
2024年は日本製鉄から目が離されないね。

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