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散歩/ハモン

マドリードは日ごとに夏らしくなってきた。午後はプールの水が心地よい。

それでも、朝晩は涼しい風が吹く。
週末の朝は、早起き仲間の息子と二人、散歩に出る。

マンションの庭を抜け、重い鉄の門を押し開ける。
昼間は車の行き交う大通りも、朝7時なら、まだ静かだ。通りの反対側に渡り、マンサナレス川に向かって階段を降りる。

川沿いの遊歩道を一回りして、鴨の親子を観察する。息子は芝生のスプリンクラーで水遊びする。
公園でブランコをこいだり、花を摘んだり。

今朝は、息子が「ハモンが食べたい」と言った。スペインに来て、彼がとても気に入ったのがハモン、生ハム。
そこで、近所のパン屋に立ち寄った。店内にテーブルがあって、軽食やビールも出す。息子にはハモンのサンドイッチとオレンジジュース、私はブリオッシュと紅茶。

ひっきりなしにお客が来る。
私たちのように朝食をとる人。ケーキを品定めする人。チュロスを箱いっぱい抱えていく人。夜通し遊んでいたらしい10代の男女がにぎやかに入ってきて、チョコレートのかかったパルメリータ(ハート型のパイ)を買っていった。

家でまだ寝ている夫と娘に、ハモン・サンドイッチとリンゴのタルトを買って帰った。

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