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ラベンダーの町のミニ牛追い

近所にラベンダーが咲いていて、いい香りで…という話を人にしたら、ラベンダー畑で有名な町があるから連れて行ってくれるという。
それで、行ってきた。

スペイン、カスティーリャ・イ・ラマンチャ州、ブリウエガ(Brihuega)。
想像を超える広大な面積が、一面、紫色。色の濃い品種で、鮮やかだった。
真昼の時間帯は日差しが強すぎて干からびるので、夕方(と言っても、午後8時。サマータイムもあり、日暮れが遅い。)に訪れた。
傾いた陽光の中、どこまでもラベンダーのうねが続く。ミツバチがぶんぶん羽音をたてて飛び交っている。東の空には半月が昇って、白く浮かんでいる。
1時間ほどその場にいたのだけれど、時間が経ったことに気づかなかった。

ブリウエガの町も、週末はラベンダー祭り?でもあるのか、やさしい紫色一色。

ラベンダー製品を売る屋台で、精油の小瓶を購入した。
ラ・アルカリアの香り、とラベルに書いてある。ブリウエガを含む地域をラ・アルカリアと呼ぶらしい。

城壁や教会を見ながら歩いて、そろそろ車に戻ろうかとしていた時、道端にいた女の子たちが「気をつけて!牛がくるよ!」と声をかけてきた。にこにこして、「うそ、うそ」と付け加える。なんだろうと思ったら、出し抜けに、10才前後の男の子たちが数人駆けてきた。そのうしろから、“牛”がやってきた。

ちゃんとツノがあるtorro、5、6頭が駆け抜けて行った。ほかから少し遅れて、7才くらいの幼い子が一心に前を見て、車輪付きの牛を走らせていく。一生懸命な様子に、日本に一時帰国中の息子を思い出した。年格好も似ていた。

そんなふうにして、思いがけず、ミニ牛追いに遭遇した。
本場、パンプローナのサン・フェルミン祭は今週始まった。ニュースで毎日、牛追いや闘牛の様子が報じられている。

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