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タンバリンパーティー!

パーティって言うには寂しい絵面だけど!

たまに楽器メーカーが箱いっぱいに製品詰めて送ってくるんですね。トライアルボックスって呼んでいるんですが、気に入ったものがあったらそのまま買って、買わなかったものは送り返すという仕組み。

新しい会社がプロモーションの一環として送ったり、国内に取り扱い業者が無い場合にお願いすると送ってくれたり。打楽器専門店なんて見当たらないようなド田舎カントリーに住んでいる身には涙が出るほど有り難いです。

今回は友達のサム君が韓国に新しく出来たタンバリンメーカーからトライアルボックスをゲットしたので相伴に与りに行きました。

タンバリンといえばもはやBSPとGroverのツートップ!みたいになってしまって久しいけれど、探すと個人で作ってるニッチで面白いタンバリン会社も多いです。

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今回試したのはVerduin社の8㌅Speakeasyシリーズを3つと
未だ開発途中の9.5㌅のプロトタイプを1つ。

更には話の流れでKolbergの12㌅と比較用に持ってきた自分のHarlan10㌅も

せっかくなので一部動画に撮った物を。はじめて触る楽器なので拙いところばかりでフルポテンシャルは全く引き出せてないんだけど…

1.8㌅スパニッシュ

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最初に試したのはスパニッシュタンバリン。写真のようにジングルが特徴的な形をしていてキレが抜群。ジングルはニッケルシルバーとスティールを使っていて高音かつビックリするほど静か。カルメンの小さい指ロールのところなんかにちょうど良さそう。大きいタンバリン使ってピアニッシモに苦労するのが馬鹿らしくなるレベル。ただし大音量にはお察し。

2.8㌅ニッケルシルバー

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汎用タンバリンの弱奏用サブとして置いておくと良いかな?という感じ。大きいタンバリンだと、どうしても音量下げる時にタンバリンのたった1組や2組分のジングルしか鳴らさなくなる事が多いのだけれども、もともとが小さければタンバリン全体を鳴らしてそれぞれのジングルからしっかり音を出してもまだ静かなままなので音のきらびやかさを保てるな、というのが強み。ブリテンなんかに使ったらバッチリだと思う。

3.8㌅ブラス

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サイズや加工を無視して素材だけを見ると、ブラスはシルバーやブロンズに比べて遥かに高い音を出すタイプで、ややもするとチープな音になりやすい危険もはらんでいたりする。個人的にブラスを使うなら大きめタンバリンにサイズ違いを混ぜて音に厚みを持たせたいので、正直この小ささでブラスの使い途がパッと思いつかなかった。ピアニッシモながらアンサンブルの頭上をすっ飛ばして音を聞こえさせたい時にあると便利かな?という感じ。

4.9.5㌅ニッケルシルバー

写真撮り忘れた上にWebに写真が上がってない!

というのもまだ試作段階だからだそうで。業界のスタンダードは10㌅なのだけど、正直「たった.5㌅小さくして何の効果が…」とか思ってました。使ってみてどっこい、この微妙な小ささが各ジングルをギュッと寄せてかなりまとまった音を出すように。後ロールした時の厚みがなかなか。これはジングルの質のおかげもあるのだろうけど。スパニッシュジングルなんかは音が散りやすいのでこのシェルに入れてくれたら嬉しいかも知れない。製品版が楽しみ。

5.Kolberg 12㌅ ニッケル

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ここからトライアルボックス全く関係無いタンバリンに。比較のためにサムが棚から引っ張り出してきたのはドイツの大手メーカーKolbergが誇る爆音タンボ。動画内でも音を聞いた途端に仰け反っています。ジングルの配置と形が独特で、クリンピングと言ってひん曲げて音のキレを良くする加工がなされているジングルが2セットずつハウジングされてます。さらにモデルによってはシェルの裏側からピンを抜くことによってヘッドを剥がさずに他のジングルに換装できる仕組みになっており、一つのタンバリンでたくさん美味しいという嬉しい特徴が。ただ音はキツイ印象を受けた感じ。大きなホールでアンサンブルに洗われて客席に届く音は大丈夫なのかもしれない。そしてさすがに12㌅は重い!

6.Harlan 10㌅ ジャーマンシルバー・ハイブリッド

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この間買った自分のタンバリン。タンバリンのシェルというのは、ジングルのハウジングのために穴ぼこだらけなのに皮の張力にも耐えないといけないため剛性の高い木が必要で、BSPなんかはずっとアッシュ材を使ってたりして硬いけど重い、というタンバリンが多い。そんな中、ハーラン氏は「重いの嫌いなんだよね」といってシェリー材でシェルを作るため音の密度の割に軽くて扱いやすい。ジングルは熱加工してあるジャーマンシルバーを大小2種類(上の列は小で下が大)組み合わせてあり、分厚い音と抜群のキレの良さを両立。ジャーマンシルバーの割に音が低めで「ブロンズとかの頼んだら一体どうなっちゃうの…」と心配なので注文して確かめてみたいと思います(散財予告)。

他にも色々な会社が独自のタンバリン作っているので機会があれば試してみたいですね。と言っても、やっぱりしばらく使い込んでみないと楽器の良さが分からなかったり使い所が見えてこなかったりもするのだけど。

※タンバリン豆知識
ジングルのジャーマンシルバーとかニッケルシルバーとかの素材、「シルバー」って入ってるくせに銀じゃないんだってさ!騙されたぜ!

※しょうもない追記
彼女に「タンバリンパーティしてきたよ」って言いつつ録画見せたら「パーティというからにはタンバリンをつまみに酒を嗜む会なのかと思いきや糞真面目で面白くない。打楽器奏者おもろない」的なことを言われてひどく傷つきました。

あーもっとじゃんじゃか製品送ってくれないかなーーー!!タダで。