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身体の声 〜前十字靭帯単独損傷 編〜 Vol.2

Vol.2を書きます
2.3分後に少しだけ理解して頂ければ。


手術適応について


新鮮ACL単独損傷に対し、損傷靭帯の断端を骨に縫着する修復術は、短期成績は良好だが、長期成績は不満足例が多く、スポーツを今後も続けてゆく可能性のある場合は、むしろ再建術の方が成績は良い。

再建術の再建材料

①自家腱または靭帯
・腸脛靭帯
・膝蓋腱
・半腱様筋腱と薄筋腱

②人口靭帯を用いる方法
Gore_Tex、ポリエステル、カーボン繊維、ポリプロピレン、短期に生じる再断裂、異物反応による水腫などのため人口靭帯としては用いられなくなり、自家移植を補強するための3M社のLADと自家移植と併用して用いるLeeds_keio靭帯があるが、あまり用いられてない。

③同種腱(アキレス腱、前脛骨筋腱など)を冷凍保存しておいて用いる方法。新鮮凍結や凍結乾燥により抗原性が著しく低下し、自家移植と同様に用いる事が可能。

※allo graft(他人の腱)
同種移植片、受容者と同様よ供与者からの移植片の事。こちらは、稀にあります。

ACL再腱に用いられる自家移植材の引っ張り強度


自家移植材    →    最大引っ張り荷重(平均値±標準偏差)

・正常ACL  →  1725±269
・膝蓋腱中央1/3(14㎜幅) →  2900±260
・半腱様筋腱  →  1216±50
・薄筋腱  →  838±30
・腸脛靭帯(18㎜幅)  →  769±90

※これらはノイエスらの研究によるもの。

膝蓋腱は早く復帰出来るがリスクも伴う。ジャンプを用いる競技は、ジャンパー膝になりすい。また膝蓋大腿関節症になる事もある。

まとめ

手術適応と靭帯の強度について書いたが、最近は半腱様筋腱と薄筋腱両方を用いての手術が多い。やはり強度の問題だと思う。また、どの腱で手術したとしてもリスクは伴うもの。
術後の靭帯についてと、大腿四頭筋及び膝屈筋群の収縮についてある程度の知識がなければ、リハビリに移行して良いのか疑問が残る。
自分はここをある程度説明してからリハビリに移行するようにしてる。
知識があってリハビリするのと、しないのとでは全然違ってくる。

次回は、術後の靭帯と大腿四頭筋及び膝屈筋群について書きたいと思う

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