ちいさくて うつくしくて つよいさかな
ある方にフォローしていただき、この魚を思い出した。４年半前、子どもを連れて散歩の途中に入った店で、小さなボトルに１匹で入っていて、あまりのきれいさに思わず買い求めた。ベタという淡水魚、見た目に似合わず闘争心が強くて２匹以上で買うと激しく闘うというのは知っていたけれど、これはまだ幼魚で、でもよく見ると目つきは険しくて、なのに宝石のように美しかった。動物を衝動買いすることなど無かったのに、後先も考えず買うことにした。
淡水魚なので冬はヒーターがいるけれど、あとは水道水の塩素を抜くだけで小さな水槽の中をひらひらと泳いでいる。ゆらゆらと生きている。子どもは「ひらちゃん」と名付けて喜んで見ていた。結局１匹飼いだったので、闘う姿は見られなかったけれど、光の加減で水槽の中が鏡のようになると、その自分の姿にヒレとエラを広げて威嚇することがあった。大変に強い魚で３年近くここで生きてくれた。美しいドレスのようなヒレは最後まで色あせなかった。今はもうペットを飼おうとは思わない。ちいさくてうつくしくてつよいさかな。この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？