MARVEL SNAPのいまとこれから

コンクエストモードの登場など、最近色々と動きもあったので、久しぶりにMARVEL SNAPの現状分析記事を書いてみたい。

ユーザ層ごとの遊び方

ランクマッチのシステムが大きく変わったことと、コンクエストモードの登場でユーザ層ごとの遊び方もだいぶ変わったのではないかと思う。

ランクマッチ

ランクマッチは、インフィニティランク(最高ランク)到達が非常に容易になった。

  • 1ランク上げるのに必要なキューブが10から7に少なくなった

  • インフィニティランク到達者と未到達者の間でマッチングしなくなった

  • マッチングの変更に伴い、インフィニティランク到達まではbot戦が増えた

以上の3つが主な理由だ。twitterなどの達成報告を見ていると以前はシーズン半ばから終盤にインフィニティランクに到達していた人が多かった印象だが、最近はそれなりに遊んでいる人はシーズン開始後1週間くらい、早い人は初日・2日目くらいでインフィニティランクに到達しているように感じる。インフィニティ到達という一つの達成感を多くの人が味わえるようになったことは悪いことではないだろう。
一方、インフィニティランクに早く到達するようになったものの、到達後にランク戦で得られるものは追加されていないので、インフィニティランク到達後は新モードのコンクエストモードで遊ぶ人が多いのではないだろうか。

コンクエストモード

コンクエストモードは、試験場・シルバー・ゴールド・インフィニティの4段階に分かれており、1つのランクを突破すると次のランクに参加するためのチケットが1枚もらえるというシステム。試験場だけはチケット不要なので遊びたいだけ遊ぶことができる。このモードで勝つと入手できるメダルは、様々な報酬と交換できるほか、最高ランクのインフィニティを突破するとアバターに特別なエフェクトが付くという報酬が得られる。
コンクエストモードは、ランクマッチと異なり同じ相手と同じデッキで複数回対戦してライフを奪い合うシステム(バトルモード)での対戦である。バトルモードは、1回の引きやロケーション運で勝敗が左右されにくいため実力差が出やすい。またコンクエストモードは、ランクマッチと異なりbotと基本的にマッチしないうえに、それぞれのランクを突破するためには連勝が必要で、ガチ勢からするとやりがいのあるモードと言える。
一方で、試合の内容にもよるが1戦で20分以上かかることはざらであるため、腰を据えて遊ぶ必要があり、1戦が5分以内で終わるというMarvel SNAPの良いところがある意味なくなってしまっているモードでもある。

ユーザ層ごとの遊び方

現状のMarvel SNAPはユーザ層ごとにだいたい4段階くらいかなというイメージを持っている。(あくまで個人的なイメージで、実際の遊び方は人それぞれだと思うので悪しからず)

ライト層:ランク戦をライトに遊ぶ。最近の易化によりこの層もインフィニティ到達が増えている印象
ミドル層:ランク戦をインフィニティ到達まで遊ぶ。到達後はコンクエストモードをメダル報酬目当てで軽めに遊ぶか、そのままランク戦をライトに遊ぶ。
ヘビー層:ランク戦を早い段階でインフィニティ到達し、コンクエストモードのインフィニティランク突破を目指して遊ぶ。
超ヘビー層:ランク戦を早い段階でインフィニティ到達し、コンクエストモードのインフィニティランクを複数回突破するくらいやり込む。

個人的に最近のMarvel SNAPはライト層・ミドル層は比較的遊びやすく(インフィニティ到達が容易に)なっており、コンクエストモードのおかげである程度ヘビーに遊んでいる人の受け皿も増えて概ね良い状況なのかなと思う。一方で、コンクエストモードのインフィニティ報酬は6月シーズンと7月シーズンで同内容で、ヘビー層以上でインフィニティランクを突破している人のモチベーション維持には課題が残る。現状では、エフェクト付きのアバターを並べてSNSで自慢するくらいしかやることがなく、エフェクトもかなり地味なのでそこまでモチベーションにつながらないように思う。やっぱり何かリーダーボード的な競い合うものが公式に必要なのではないだろうか。また新規に人が入りやすいかというとカード資産などの面で現役勢との差は当分埋まらないし、新規を引き込む導線も弱いので、ややジリ貧の感はある。

メタ環境

ランク戦やコンクエストモードの環境については、調整頻度が多いことでそれなりに変化があるので、今この瞬間の流行をどうこう書いても仕方ないだろう。しかし、少し気になってきているのが環境の流動性が低下しつつあることだ。カードゲームは新しいカードがどんどん追加されていくので仕方ないことではあるが、新規追加カードは既存カード以上に強くなければ採用されずに環境は変化せず、既存カード以上に強ければカードパワーのインフレが進んでいく。今のMarvel SNAPはカードパワーのインフレは進んでいないと思うが、結果として以前から強いカード・デッキがずっと強いままで変化が乏しく、マンネリを感じる。

シーズンごとの変化を見るとこの点はわかりやすい。Marvel SNAPリリース後早い段階では新シーズン開始後にシルバーサーファーやザブーなどそのシーズンの追加カードを軸にメタがまわり新しいデッキタイプが登場していた。しかし、ここ最近ではモードック(廃棄)、ゴーストスパイダー(移動)、フェニックス・フォース(破壊+移動)とコンセプトデッキを強化する追加カードが次々とリリースされているにも関わらず、どちらかというと趣味的な使われ方に留まっており、環境に及ぼす影響がかなり限定的になっているように思う。

この点は、環境に及ぼす影響が大きいくらい強いカードをガンガン出せばいいというものでもないので難しいが、環境の新鮮さをどう維持していくかは課題と言える。カード調整により既存デッキのメタを揺さぶるのはもっとやって欲しいし、まだ先だろうがローテーションなども考えていく必要があるだろう。

期待と不安

Marvel SNAPの最近の動向を見ていると、期待できるなと感じることと不安になるなと感じることの両方がある。ここではそれらの状況を挙げてみたい。

期待できること

まずは良い方から。Marvel SNAPのサービス運営を見ていると、非常にアクティブであり、コミュニティとのコミュニケーションが活発であり、サービスをより良く変化することに積極的である。これは非常に良いことで、今後に期待を感じさせる。
具体的な例を見てみよう。カード入手のシステムは、リリース当初は基本的にランダム入手のみであった。しかし、好きなデッキを組んで遊べないとか、新しいカード入手がなかなか手に入らないという不満の声が大きくかった。その後、トークンと呼ばれるゲーム内資源を使うことでショップで欲しいカードを購入することができるようになった。さらに、シリーズドロップというシステムで一定期間でカードをより安く入手することができるようになったほか、ショップシステムが改良されて新しく登場したカードはすぐにショップに並ぶようになるなど改良が続いている。今後もスポットライトトレジャーという新しいシステムでカード入手が容易になるようだ。
他にもカードの調整(ナーフ・バフ)についても、パッチなしで短い間隔で簡単な調整が行えるようになったことで、調整頻度が向上したのも大きな改良点だ。このようにユーザコミュニティの声も聞きながら、システムを変えていこうという姿勢は今後に期待できる点だ。

不安なこと

一方で先行きが不安な点も期待に負けないくらい多い。一番の不安は開発力だ。色々と新しい試みをしているのは歓迎すべきことだが、開発力が追い付いていないのか、しょっちゅうトラブルが発生している。思い出せる限りでも

  • カーンの能力でゲームがクラッシュし、ゲームに復帰できなくなる不具合を長期間放置

  • キティ・プライドの能力にゲームをクラッシュさせる不具合があり、リリース直後から1か月ほど、利用停止&能力変更

  • ハイエボリューショナリーのリリース日にトラブルでリリース遅れ

  • ランクマッチのシーズン終了時のランクリセットで問題が生じ、シーズン開始直後から最高ランクのインフィニティを維持するなどの問題が発生

  • 実施されるはずのウィークエンドミッションが不具合で実施されない

  • トークンショップで入手済みのカードを二重購入できてしまう不具合

  • スパイダー・ハムのリリース時にトレジャーボックスから入手できる確率に不具合があり、本来は天井(確実に入手できる)ところまで箱を開けても入手できない問題

と短期間で深刻な問題が複数起きている。特にトークンやボックスの不具合は金銭的な損失につながるために、より深刻だ。今のところは運営側が個別ケースにちゃんと対応しているようで、ギリギリのところで許容できると感じているが、これだけ立て続けに問題が起きると今後も問題が起きるのではないかという不安は否めない。

あとは、今後ゲームが盛り上がっていくビジョンがあまり見えていないというのも気になっている。6月はコンクエストモードの登場で一段盛り上がってもよさそうなものだったが、盛り上がりは一部のコアなプレイヤーに留まり、コミュニティ大会の参加人数などの指標でみても微減傾向が続いているように思う。DCGとしては、破格のわかりやすさ、手軽さ、その上でちゃんと面白いという、これだけの要素が揃っているので、もっとブレイクして欲しいのだけど、どうすれば良いのだろう。

まとめ

ここまで現状を色々と見てきたが、一つ確かなことはMarvel SNAPのゲーム性の斬新さと面白さは、今でもいささかも衰えていないということだ。コンクエストモードの登場により、駆け引きの楽しみをじっくり味わうことができるようになり、改めて面白いなと感じている。色々と問題・課題もある現状であるが、これからの更なる発展を願っている。


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