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気ままに作曲からネタ作曲まで自作を語る記事 (6)

とてもちいさなちょうちょ

もともと深夜の2時間DTMの「蝶をイメージした曲」で作った曲だったが、同時にちょうちょのかわいいアレンジを作ってみたい!というので作った曲。
この辺のアレンジの仕方は、のちの石川のArtworkとなる「レトロクラシカ」に通じる、別の世界線ではこういう曲だったのでは・・・みたいな「転生アレンジ」とでも言えるような手法がある。
原曲はアレンジ元というよりもライトモティーフ的な扱いであり、音程関係や和声はあまり忠実ではない。多少旋法的に変換されている。そしてそのメロディを7度音ないし非和声音に割り当てることで、原曲の原型自体がやや曖昧に聴こえてくる仕組みだ。
引用や変奏とは言えない程度に厳密さを外しつつ、原曲の印象はリズムと類似した音程から聞き取れるような音作りをすることで、原曲の魂を引き継いだ「別の」音楽となるように制作した。
自分ではこれを「転生アレンジ」と名付けている。


とてもちいさなチューリップのうた

とてもちいさなちょうちょに続く、「とてもちいさな」シリーズの作品。転生アレンジの試みでこれもうまく言った作品である。
この曲はよりレトロ・ポップ風味な和声が強く出ている。非和声音などおかまいなく、シークエンスとよばれる反復進行をするコードが敷かれている。


「Dove & Dope」 〜 深夜の2時間DTM 2020/8/30

深夜の2時間DTMのお題「画像からイメージした曲」によるもの。非常にシンプルな構成で、清涼感溢れるディレイのついたピアノに、気持ちを駆り立てるようなストリングスが入って盛り上がって終わる曲。
ただし「清涼感溢れるピアノ」も実はよく聞くと奇妙な和声使いを使っている。この音使いは、和声法でいうところの対斜に近い危険行為であり、普通は耳障りな効果を持つ。

上記の通りFナチュラルとF#がぶつかりあっている。この音使いがどうして許容できるのかは私はよくわからないが、一つ思うのは、弱音の高音ということ、またセブンス、ナインスがおしゃれなコードのひとつとして受け入れられている現代だからこそ可能な和声ではないかと思っている。


12音技法のチョコレート

自分は時々作曲に12音技法を使うことがある。今日日、自作に12音技法を使う作曲家なんているのだろうか?というようなことを藤倉大氏がおっしゃっていた気がするが、確かにそれはそのとおりで、今日無調を作り出す手段としては12音技法は非常に古い概念である。
少なくともポップスの現場で無調といえばフリーインプロのほうがやり方としては親しいだろうし、現代音楽も今やスペクトル楽派やMaxによるプログラミングなど全然違うシーンに移行している。わざわざ12音を使わずとも音を音として聴く土壌はできており、現代はその当時ほどソナタ形式や調性理論のことを意識している作者・聴者は少ない。
というより、自分が12音技法を使う時はあえて調性的な響きを選んでいる。そもそも音楽は最初の音と落ち着く音に耳が引っ張られるので、いくらオクターブの12音の音を平等に選んでもかならずしも無調には聴こえない。それよりも「平均的に音を選んだ」という部分に着目して、協和音と不協和音が平均的に混じり合った、重力感のない調性を作る装置として12音技法は使えるのではないかと考えている。

この曲では、12音のうち4音、4音、4音をそれぞれ和声として構成し、そこにメロディが構成される。また扱いも自由で、音の意向する部分を半音階で埋めるなどしている。

・・・・などと小難しい話をしてしまったが、当時任天堂のスプラトゥーン2にかなりハマっていた時期であり、露骨にサウンドの選出にその影響が見られる気がしてならない。スプラトゥーン2の音楽も結構びっくりするような音楽がある。是非、「Cephaloparade」は聴いてほしい。天才的な音使いだと思っている。


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