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立春大吉、初詣_240204

二月四日、立春大吉。

朝こそ灰色の雲がみょ〜んと横たわっていたものの、気付いたときには「そんなんいましたっけ?」と言わんばかりのしたり顔の青空。
絶賛車天国地方都市生活中だが、定期的に歩きたい性分なわたしは「こんな天気の日にお散歩しない手はない」と、新年ご挨拶も兼ねて神社を目指し家を出た。

今年になってから氏神様に詣るのは初めてだった。元日に訪れたのだけれどそれはもうすごい人手だった。混んでいることは予想して行ったのだが、まあ初詣へのこだわりも今年はあまり高まらず、「かみさんすんません」と心の内で唱えながら鳥居越しに手を合わせて後にしたのだった。

さて、旧い暦の元日にあたる今日の境内は、空模様と同じくらいスカッとしていた。とはいえ同じ様に旧暦立春に合わせてお詣りに来たのだろう人々もちらほら見かけられて「お主、わかっているな」と少し嬉しくなった。
手と口を清めて、御神殿へ(もちろん列などない)。一枚だけ持ち合わせていた穴の空いた硬貨、五十円玉を投げ入れて、二礼、二拍手、一礼。顔を上げて目を開けた後の、さいしょの呼吸で身体に入ってきた空気は心なしか冷たく、わたしの姿勢を正させた。

境内にある他の小さなお社にも其々お詣りをしたところで社務所に寄り、おみくじを引いた。

「うぐいすの 谷の戸いずる こえはして のきばの梅も そめにけり」

長い間の苦しみも時が来てさり、なにごとも春の花の咲くようにだんだんとさかえていく運だから安心してことにあたりなさい、ということらしかった。お財布には先日京都でひいたおみくじもあったけれど、わたしはそれをカバンの内ポケットにいれた。

この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。