見出し画像

アートの見方について学ぶこと(完結)

上記の本を参照
(※前回までのまとめ)


18. 一風変わった書き方の先にある物

ジャクソン・ポロック「ナンバー1A」は一般的な描かれ方ではなく、一見すると単にぐちゃぐちゃに絵具を書き散らかしただけに見えるが、高く評価されている。
何故なら、その描き方を通じて自分なりの答えを生み出したから。



19. 絵画がはじめて絵画そのものになった瞬間

例えば絵の中にコップらしきものを描いたとする。だがそれは絵に描いた餅と同じで実際には存在しないもの。「平たい紙の上に人間の視覚の癖を利用して、コップだと認識させるように線をつなげた物」である。

そこでジャクソン・ポロックはナンバー1Aという作品で、グシャグシャに轢き散らかした絵の具や髪の毛を、キャンバスの上に載せた。
それが「何」にも見えないように。
「絵の具が付着したキャンバス」として絵をあくまで「物質」として表現する為にそうした。



20. アートという神聖な白はどこにある?

「目に映る通りに描くこと」
「遠近法的なものの見方」
「具象物を描くこと」
「アート=視覚芸術」
「イメージを映し出すためのもの」…

そしてついにアンディ・ウォーホルの作品「ブリロ・ボックス」にて、アートと呼ばれるものの枠組みそのものにヒビが入ることになった。

※ウォーホルの作品「ブリロ・ボックス」は当時市販されてた石鹸の外装箱。しかもウォーホルは買った石鹸の箱を美術館にそのまま展示しただけなので「作品」と言っても良いものなのか、個人的には疑問に思う。



21. アートの枠組みが消えた今、美術館にできる事

自分たちを象徴する美術館が必要との思いから、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が作られ、そこにゲームソフトで有名な「パックマン」が展示された。
当初は周囲の美術関係者に「歴代の美術品の価値を貶めた」と猛烈に批判されたが、選考に携わった代表者は「デザインというものは人間という創造的表現の中で最高の形式の一つだと考える。偉大なデザインを有するものなら、それで十分過ぎるほどだ」と言葉を返した。
「ビデオゲームは優れたインタラクションデザインの一形態」と考え数あるゲームの中でも、良く考えられており当時革新的だと思われたゲームとして「パックマン」を展示した。

現代ではアートの枠組みはなくなってしまった。


22. 愛することがある人は、何度も立ち直れる

ここで3つ前に綴った
「アートの見方について学ぶこと①」をみていただきたい。

アートを植物と見立てた場合は以下のような表現になる。

「興味の種」は自分の中に眠る興味や好奇心など。
「探究の根」は、自分の興味に従った探究の過程。
「表現の花」は、そこから生まれた自分なりの答え。

アーティストとしばしば混同されるのは「花職人」と呼ばれる自分の探究の根を伸ばす過程を蔑ろにして種や根のない花だけを作る人。
言ってしまえば、他人から与えられたゴールに向かって課題解決をしている人。
では真のアーティストはというと「自分の好奇心」や「内発的な関心」からスタートして価値創出をしている人。「探究の根」を伸ばすことに熱中している為、明確なゴールが見えていなかったりする。

目に見えて評価される美しさ、奇抜さはなくとも価値創出をしていることそのものがアートなのだから、綺麗な絵をかけなくとも、奇抜なアイデアを出せなくとも、クリエイティブな仕事をしてなくとも、自分のものの見方で世界を見つめ探究し「自分なりの答え」を生み出せていれば誰でもアーティストなのだ。

あの有名なスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行ったスピーチで「大事なのは自分がしていること(仕事)を愛することです」と言った。
スピーチでは一度アップルをクビになったこともあり、ドン底でも仕事を愛し続け、回り回って最終的にアップルへ返り咲くことができた。

スティーブ・ジョブズの生き方からも分かるとおり、大事なのは、見た目や評価だけを気にした行動、表現をするのではなく、純粋な探究心・好奇心から生じた「自分の愛すること」を見つけ、それを追い求め続けることである。


以上で読了

◎今日の呟き
私は描いた写実画を友人や、会社の知り合いに良く褒められます。
「こんな才能があったんだね!」「すごいね!」
もちろん承認欲求は…満たされます。ですが、ただそれだけだったんです。
何かつまらない。
それはやはり綺麗に見えるだけの「絵」を描いていたからのように思えます。まあそもそも私自身が「可愛いな〜魅力的な写真だな〜綺麗だな〜」と思った人を描きたかったから描いただけなので、そもそも人様に見せるようなものでもない気はするのですが。
やはり「愛すること」として自分が納得していないと続きません。
実は写実画は2年前から描くのを辞めてるのですが、ぶっちゃけ理由は「楽しくないから」でした。
初めのうちは、Instagramに乗せるために学生時代以来の久々の鉛筆画ということもあり、描いてて上達していくのが楽しかったんですが、どれだけ丁寧に綺麗に描いても、私の中では何かと薄っぺらく感じていました。
反対に、私の弟は抽象画を描いているんですが、個性が爆発しています。
独創性がすごくて、一定のリズムが見えたり、絵の中に空気の流れみたいなものが見えたり。
「手が動くがままに筆を走らせてるだけだよ」と本人は言ってて楽しそうです。

詳しくはこちら→ https://www.instagram.com/nukaga__out/

今回、アートとはなんなのかすごく考えさせられました。
田舎出身のため、若い時は見た目のコンプレックスからファッションに興味を持ってた時期もありましたが、今はそこまでこだわりはありません。
色々と「無理に気張る」部分が年齢と共に落とせてきてる気がします。
ミニマリズムを取り入れて思考に余裕をもてるようになり、この本も含めて様々な物に対する捉え方を学ぶ毎日です。
自分にとって何が大事なのか、何を愛せるのか、これからも探究を続けていきたいと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?