短歌まとめ2017_3_富士山・デアゴスティーニ 22首
ああこれはとても大事なことだから鼻血のティッシュ抜いてから言う
ンーセージ、おたふくンース、ゆうやけがしずかにてらすお買物メモ
ついたちを「いっぴ」と呼べばついたちはすこし笑ってはにかみそうで
プラレールの窓から見えるキッチンにまだ若かったぼくのかあさん
脆弱なロマンティックがわきあがる午前0時を甘くみるなよ
生中をガソリンとよぶ人たちが夜の酒場を離陸してゆく
2階からとどけ目ぐすり空の青映す瞳にひとつ波紋を
あらかじめ落書きされた教科書と「盗んでいいよ」と書かれたバイク
歯医者には5巻がなくて最後まで死んだ理由がわからなかった
攻めてきた敵はたったの8人で野球するにもひとりたりない
それとなくTPOをわきまえてすこし悲しい顔をしている
ばらばらのわたしが毎号ついてくるデアゴスティーニ、ぜんぶ買ってね
このままでいいと泣いても世界中アップデートははじまっている
流れ星おしえておくれひとりきり旅をしてきた宇宙のにおい
肉まんにラップをかけてチンをして忘れて冷えてチンをする日々
おれはもうはしゃげないから富士山が見えない側の席でねむるよ
さみしさが謎にしんどいかばんから出ないでおくれエスパー伊東
病室の白いベッドでおれはいま組み立て前のふろくのきもち
ジャムパンの中の種から芽がのびていちご畑になればいいのに
板チョコを湯せんしてゆくさようならあるべき姿なんてないのだ
風景をあなたもろとも(じーこ ぺち)写ルンですは複写しました
永遠のこたつにふたりぷよぷよであなたが怒る勝ち方をする
おにやんまご無沙汰ですねぼくはもう疲れて君を捕らえられない
大切な棒をなくして公園を宇宙に変える線が引けない
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※引用などよろしければご自由にどうぞ
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