見出し画像

TSP 9th 映画講座

DJユニットTop Secret Philia'sスピンオフ企画映画講座の第9弾

今回の映画は
監督 カーティス・ハンソン
『8 Mile』

これまで同様DJ智智(C)によるDJ智智(T)への映画講座です。
Cは何度も観ており、Tは今回初めて。
以下、視聴後のC(🦓)とT(🐘)によるやり取り。
※ネタバレあり 注意※

🦓:今回は、講座でもない限り🐘(T)が絶対観ないであろう映画をあえてセレクトしてみました。
🐘:観ないですね~、正直存在も知らなかったです。
🦓:わたしが一番観てほしいと思ったシーンをどう感じたか気になっているところですが、それはおいおい。全体的にはどうだったでしょうか?
🐘:簡単に言っちゃえば、”カッコつけエミネム”って感じでしたね。
🦓:映画初主演エミネム!カッコつけ炸裂してましたね笑
🐘:お話としてはよくある類型的な感じでしたね。
主人公は家庭内に問題を抱えていて、何とかそこから抜け出したい。仲間はいるけど、夢を語ることしかしないような連中にちょっと違和感を持っていて、でも行動は共にするという煮え切らなさ。
そんな時に、似た境遇の女性と出会い惹かれるていく、というお決まりパターン。
🦓:そうそう、なんのひねりもないんですよね~
🐘:やらしいのが、主人公がラップの努力はしてますよ、的な画を要所要所に差し込むところですね。
🦓:まさにカッコつけ
🐘:そんな主人公も一発逆転の夢に賭けたい、という思いもあるんですが、結局はお調子者の口車に乗ってしまっていただけで、挙句女も寝取られる始末。
🦓:そういう部分で逆にカッコつけが際立ってきますね笑
🐘:うん笑
この映画、あまり説明描写がないから、はじめのうち人間関係をつかむのに戸惑いました。観終わった今でもパパドク側に誰がいるのかよくわからず・・
🦓:何度も観てるわたしもパパドクしか覚えられません・・
🐘:主人公の仲間たちにしても、どういう経緯であんなに主人公のラップの才能を信じているのか、とかイマイチわかりづらかったですね。
🦓:わたしが思うにこの映画は、最後のラップバトルに全てを懸けているんだと思います。だからその他の点には力を入れていない笑
🐘:まあたしかに。最初何もできなかったラップバトルで、最終的には地道な努力が報われたのか、勝ちましたからね。
あの"313"だったかを連呼するシーンは、圧巻でした。ライブの良さが凝縮された感じ。
🦓:おー。まさにそこがわたしの一番観てほしいと思ったところなんです。
圧巻ですね。エミネム本人も、ライブシーンの熱狂ぶり、空気感は、実際にデトロイトで体験したことが良く再現されている、とどこかで言っていたような。
わたしはこの痛快なラストに向けて一役買っているキーパソンがチェダーだと思っているんです。
🐘:おー、私の推しの一人です。
🦓:お、そうなんですか!わたしもNO.1です。
🐘:小心者でおっちょこちょいだけどなぜか憎めない愛されキャラですよね。キーパーソンとは?
🦓:一見すると、ラビットにとっての一番の理解者は、バトルMCフューチャーに思えるんですが、自分で股下を撃って寝込んでいる時のチェダーが、「みんなに弱いと思われたくない、バカにされたくない」とラビットに素直に弱音を吐く姿は、いつも意地を張っているラビットにとっては感ずるところがあったと思うんですよね。
🐘:ふんふん
🦓:あとラストのバトル直前、チェダーは、ラビットに、ラビットのコンプレックスでもあるようなことを列挙し、相手はこういうお前の弱みに付け込むぜ、的なことを、おそらくは深く考えたわけでもなく、ポロっと言うんですよね。それでラビットは、バトルで先行になったことをいいことに、いままで隠そうとしてきた自分のバックボーンを自虐的にラップに乗せて、ちょっとパパドクの育ち(本当はいいとこ育ち)をディスり、「オレのことは好きに言えばいいさ」と締めるんですよね。
🐘:カッコつけ笑
なるほど、確かにキーになっていますね。
🦓:で、結局パパドクは、ディスろうとしていたことを先に言われちゃって何も言えなくなっちゃう。
🐘:気の小さい男だね。
このラストシーン途中から読めちゃいました。
🦓:ひねりないですね~
🐘:パパドク側はただの暴力的な敵対関係者みたいにしか描かれてないんですよね。そのくせパパドクの顔は妙にかわいらしいし。
🦓:同感
🐘:こんな気の小さいやつをこれまで調子に乗らせていたのかと考えると、ラストあまりスッキリ感が無いんですよね。
🦓:うーん、それは残念。
🐘:ラストの主人公が仕事に戻るという現実的な道を選んでいくのも、妙にエミネムだけカッコよく映そうとしている感じがして、もうちょっと展開考えられなかったのかな~って感じですね。
🦓:まああれは、2時間の残業を同僚に代わってもらっちゃってるから一旦戻らないと笑
その後ラビットはどんな道を進んでいくかは観る人に委ねられたラストでしたね。
🐘:ちなみに、私のもう一人の推しは、ひとり浮いて政治的な話を繰り返すけど現実では何をしているかわからないDJ IZでした。

おわり

今回の映画
8 Mile

監督 カーティス・ハンソン
脚本 スコット・シルヴァー
製作 ブライアン・グレイザー
カーティス・ハンソン
ジミー・アイオヴィン
製作総指揮 キャロル・フェネロン
ジェームス・ウィテカー
グレゴリー・グッドマン
ポール・ローゼンバーグ
出演者
エミネム
ブリタニー・マーフィ
キム・ベイシンガー
クロエ・グリーンフィールド
メキ・ファイファー
エヴァン・ジョーンズ
オマー・ベンソン・ミラー
ユージン・バード
アンソニー・マッキー
タリン・マニング
マイケル・シャノン

音楽 エミネム
撮影 ロドリゴ・プリエト
編集 ジェイ・ラビノウィッツ
クレイグ・キットソン
製作会社 イマジン・エンターテインメント
配給 アメリカ合衆国
日本
公開 アメリカ合衆国 2002年11月6日
日本 2003年5月24日
上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国
ドイツ

#映画 #8mile #エミネム  #tsp


presented by numa's

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?