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ボウリング オートスコアラー大研究 ①Brunswick 2023年版

はじめに

このシリーズでは、ボウリング場にある自動点数計算装置「オートスコアラー」について、2023年現在日本で稼働している4つのメーカー、Brunswick・QubicaAMF・NTTデータルウィーブ(旧ジェトロニクス・Olibetti)・SLS(テレシステムズ含む)の別に説明をしていきます。

Brunswickとは

Brunswick(ブランズウィック)は、19世紀からボウリングの様々な用品を製造しているアメリカのメーカーです。レーンそのものやピンセッター、ボールなども製造していて、とにかくボウリング場のありとあらゆるところでBrunswick製品を見かけます。

かつて、そもそも日本ボウリングの最盛期である1970年代は、Brunswickと、別の記事で出てきますAMFが、それぞれ日本企業と合弁で日本法人を作っていました。しかしながらその合弁は現在は解消されているため、現在はアメリカにあるBrunswickと、日本ではサンブリッジが販売代理店となりシステムを導入しています。

この経緯がオートスコアラーの仕様にも影響しています。日本でオートスコアラーが日本語仕様になっていないものはなく、ストライクやスペアのマークも日本独自の描き方になっていますが、今回紹介する5種類のうち前半3つはそれ以上に日本らしさが出ており、後半2つはグローバルに使われています。

ちなみに、合弁時代に、そのBrunswickのボウリング場運営部門として設立されたのがスポルト。現在はBrunswickの経営からは独立しているものの、全国のスポルト店舗では引き続きBrunswickのオートスコアラーが導入されています。

シェア

筆者が投げたことのある122のボウリング場のうち、25場で導入されており、シェアは20%となっています。

Type1

このタイプは相当前から稼働しているものに見えます。通常画面で使われている色は3色のみ。ファミコンの時代のそれもさらに初期感があります。

さらに、操作側の画面は白黒で、他社では白黒画面のオートスコアラーは確認できていません。それだけの年代ものの割には、操作ボタンのデザインは中々のもの。
それと、謎のカードリーダーが付いています。これほんと、どういう使い道があるのか、今となってはなにも分かりません。

ストライクのアニメーションは2場それぞれで異なっていたのですが、前者のアイビーボウル向島のものは、ちょっと光の明滅が激しくて目に良くなさそうです。

なお、このバージョンでのオートスコアラーは、1回のプレイを通しての、各ピンごとの1投目倒し率・2投目倒し率がスコアシートに記載されます。

Type2

画面の色も増えたこのタイプ。このタイプも相当年季が入っているように見えます。

操作側も、各レーンにブラウン管モニターが設置されていて、多数の操作ボタンも付いています。ただそのため、一般的にもっとも使うであろうスコア修正までたどり着くのがけっこう大変です。

Brunswickのオートスコアラーは、最新機種まで残りピンに応じたスペアファインダー機能は搭載されていません。しかしながら、このタイプのみ、スペア解説画面の選択、までは行くことができます。ただ、どのボウリング場でもその解説本番の画面までは呼び出すことができませんでした。

このスコア画面、テンピン・オープンゲームと書かれています。これは普通のボウリングをする画面なのですが、すなわち普通のボウリング以外のプレイスタイルにも対応しているんです。ボウリングでゲームをしたり、3・6・9ゲーム目にあらかじめストライクマークが入った状態でプレイする方式もありますが、現在、今のところそのようなゲームができるボウリングは見つかっていません。

マリオボウル

このタイプ、このようなスーパーマリオのキャラクターを登場させる「マリオボウル」という機能も付いています。今のところ、湘南とうきゅうボウルでプレイしたことがあり、その他埼玉スポーツセンター狐ヶ崎ヤングランドボウル、大分のOBSボウルでも稼働している情報があります。

ベースとなっているスーパーマリオワールドは1990年の発売なので、もう30年以上経っているんですね。得点のフォントもマリオワールドのものそのままになっています。

また、これは背景は単一ではありません。ストライクなどを続けると、背景がアスレチック面、城の面、そしてボーナスステージへと進んでいきます。
逆にガターを続けると溶岩の面に落とされる、そんなゲーム進行に応じたギミックが用意されていて、そういうのも他社を含め他では見当たりません。

また、ゲーム終了時にはそのゲームの勝者名も表示され、マリオボウルの場合はマリオカートの表彰画面のような形で勝者が発表されます。

なお、湘南とうきゅうボウルのスコアシートは通常のものですが、マリオボウルで現在遊ぶことはできないものの、同じ機種の入っている新小岩サニーボウルでは、マリオボウル柄のスコアシートが渡されます。

ワンダーボウル

また、ナムコワンダーボウルの各店では、ワンダーボウル専用のゲームモードが用意されています。これもマリオボウル同様ゲーム進行で背景が変わり、オープンを続けるとパックマンが敵に追われ続けた数だけ敵が増えていきますが、ストライクかスペアでは逆に無敵モードのパックマンが敵に食いにかかる背景になります。

さらに、このワンダーボウルでは、2ゲーム目以降で通常の10フレームが終了して得点が確定した後、ワンダーチャレンジという一投のチャレンジがあります。
ここでセットされるピンは、いずれも難しい配置のみ、(1-7-10も出るのでスプリットとは限らない)。ここでは成功すると無料券5枚がもらえるというやり方になっていました。

また、ワンダートライという機能があって、1ゲームで1回、1投目での倒れピンが気に入らなかった時にリセットしてやり直せるというものもあったのですが、ボウリングのゲームの本質が崩れちゃうとも思うので使えなくなっていました。

なお、上記全てのバージョンにおいて、スコアシートに残りピン情報は記載されません。設定で帰られるオートスコアラーもありますが、全てにおいてピン情報が残らないのはこれのみです。

Type3

日本向けバージョンのラストとなるバージョンで、ここからストライク等のアニメーションも動画になります。

基本プレイ時のスコア画面はかなりシンプルになりました。残りピン表示については、1投目終了後に2投目が残った際にカットインで表示された後、ワイプでスコア画面上に出るという形に変わっています。

通常バージョンで登場するキャラクターは、謎のクマのようなキャラクターの他、日本の典型的なサラリーマンや親父なども登場し、日本向けだということが分かります。左の写真のバスも右ハンドルで日本ってことが分かりますね。

スペア、という文字もこのバージョンまではカタカナ表記です。またこれとType4では、スプリットからのスペアは特別なアニメーションとなり、このType3では表示も「超スペア」となります。

そして、このバージョンもType2同様のキャラクターコラボのゲームが設定されており、今回はディズニーとなっています。ストライク等が出ればディズニーキャラクターが登場します。こちらの設定については、ディズニーを常時設定しているボウリング場、客層によってディズニーか通常か分ける場、常に通常の場と分かれています。

さらに、ディズニーバージョンを設定する場合は、宝の地図のスコア背景が出せるのですが、この宝の地図も、特殊ゲームの「アドベンチャーボウリング」用のものらしいです。
ただ、今のところアドベンチャーボウリングができるところでのプレイ経験はなく、大阪のパニックボウル堺ではそれを導入しているとホームページに出ていますが、実際に特殊ゲームができるかは確認できていません。
なかなかボウリング場の料金設定を考えても、特殊ゲームはやりづらいところがありますね。

なお、Type3とType4のスコアシートは再び残りピン表示が登場しますが、ストライク・スペア数のプレイトータルの数字は集計されません。

Type4

このタイプからグローバルなバージョンになっていて、海外でも同様のスコアが確認できます。
グローバルバージョンといえど、ストライクとスペアのマークは日本仕様になっているのがスコア画面からも分かりますね。

このタイプのストライク・スペア等の画面は2パターンが確認しています。

MONSTER MISCHIEF

一つは、3Dの謎のいたずらっこの生物が登場するパターンの「MONSTER MISCHIEF」というですが、このバージョンを見かけたのは今のところ1場(スポルト八景)のみとなっています。

THE KEGLERS

もう一つはアメコミ等のイメージを持つ「THE KEGLERS」というシリーズです。いずれのタイプもオープンフレームのアニメーションもあり、全フレームで登場することになります。

そして、これまではプレイヤー側でそのアニメーションは選べなかったのですが、選択できるようなボウリング場もあります。この選択ができるってところまで試す方は少なさそうですが、なかなかそれぞれのテーマが凝っていますね。

操作盤はタッチパネル・ボタン式いずれもあります。

前述の通り、スコアシートはType3と同じレイアウトになっています。

Sync

Brunswickの最新機種がSyncです。Brunswickに限らず、最新モデルはスコアの管理だけでなく、その他のレジ集計や顧客情報の分析など、あらゆるボウリングのシステムソリューションを統合したシステムとして作られています。

操作は完全にタッチパネルとなります。他社よりは小ぶりな画面ですが、これを用いて飲食の注文を行えるボウリング場もあります。

アプリでスコア管理ができるようですけれど、ボウリング場側でそれを案内しているところはありません。あまり国内ではその機能の需要はなさそうです。

このシステムでは、プレイ中に、そこまでのプレイ開始からのストライク率やスペア率などのグラフが表示されていきます。
7ピン・10ピンのみからのスペア率もでるのですが、これらが統計取れるくらいまでにパーセンテージが育つには何ゲームくらい必要なのでしょうか?


ストライク等のアニメーションについて、設定していないボウリング場がかなり多くなっており、なくなったのかとも思いましたが設定も可能です。PIN PALSというバージョンは、スコア画面に3Dのピンが割り込んできます。今のところそのアニメーション設定が確認できているのは1場だけですね。

Syncは、またType4のスコアシートからモデルチェンジしています。一部のボウリング場では、その詳細スペア率も載った状態でのスコアシートも出すことができるようになっていますね。

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