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海苔屋が"おすすめ"する様々な産地の海苔まとめ。

私が海苔屋に転職し早4年が経ちました。
ここまで生産者さんや海苔屋さんにひたすら質問し学び、様々な食材とのペアリングで海苔の可能性を探る日々。
中でも大切にしてきたのは『他の海苔屋さんの海苔も食べて勉強する』ということです。

すると『海苔屋さんによっても、それぞれ強みや得意な産地があるんだな』ということを強く感じました。食べくらべる中で自分たちの海苔の位置付けも確認できる。
他の海苔屋さんはライバル、というよりは同じ業界で戦う仲間で役割が違うな、と感じるようになりました。

"ぬま田海苔"がこだわる有明海以外にも、三陸沖・東京湾・伊勢湾・三河湾・瀬戸内海と多くの産地があります。
産地の中にも"漁場"があり、"等級"もあるわけで、ものすごい種類があって、それぞれ異なるおいしさに。

そんな中『これはうまい!』と思う海苔もたくさんありました。
今日はただの海苔好きお兄さんとして、そんな海苔を少し紹介できたらと思っております。

御中元に海苔を考えている方、たまには違う海苔を試してみたいという方はゆるりとお付き合いください。

【田庄海苔  やきのり】

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"ぬま田海苔"に来店された方に『どこの海苔が好きですか?』とよく聞くのですが、1番人気は"田庄海苔"さんです。
本店は海苔の本場、大田区に。どれどれと私も購入して食べてみましたが確かにおいしい!特徴は海苔の歯切れで、気持ちの良いパリッと感。そしてうま味がじんわり広がる。
おそらく、かなり強めに焼き上げているので、水分が少ない分くさみも出ず長くおいしく食べられる。
この焼き技術は本当にすごい。

海苔の産地は九州の有明海と瀬戸内海産のみで、その時々で変わるようです。パッケージにジップがついていないので、開けたら保管袋は必要です。
店舗で購入するには完全予約制なのですが"王子サーモン"銀座店で予約なしで購入することができますよ。鮭海苔弁当おいしそう。

【吉田商店  神楽(かぐら)】

大森を代表する海苔屋さんといえば"吉田商店"さん。
全国各地の海苔を揃えているのですが、特に"伊勢湾産" の海苔への愛情を深く感じます。中でも《神楽》は別格のおいしさでした。惹き込まれるような力強さを感じる香りとうま味。なるほどと思わされる一枚でした。

海苔はヴィンテージ品ですので、この《神楽》も店頭販売限りで残り僅かだそうです。そこでもう一つおすすめしたいのは《伊勢あさくさ海苔》
『稀少なあさくさ海苔を味わってみたい!』という方はぜひ。まずは白いご飯と海苔だけで召し上がって"あさくさ海苔"の甘みを感じてみてください。

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伊勢湾、有明海、三河湾と産地別の食べくらべセットも楽しいですよ!
気になる方は大森町の店舗へどうぞ。

【荒木海苔店  青混海苔】

個人的に好きな産地が愛知県・三河湾産の海苔。独特のうま味の強さがありおいしいです。
その三河湾産の海苔愛にあふれる海苔屋が名古屋の"荒木海苔店"さん

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見ていて元気になるような楽しいネーミングの商品が並ぶ中、一際目立つのがこのシンプルな《青混海苔》のパッケージです。
青混ぜ海苔とは、わかりやすく説明すると海苔とアオノリがブレンドした海苔なのですが、産地によってつくアオノリが違うためおいしさも異なります。

実は三河湾産の青混ぜも、東だと"ヒトエグサ"、西だと"ウスバアオノリ"と混ざるアオノリが違うから面白い。
荒木海苔店さんのは西三河産なので"ヒトエグサ"の青混ぜ。パンチ力のある香りとビター感はクセになります。青混ぜ好きにはぜひ試して欲しいですね。

この愛知海苔の割合!よければ工場併設の店舗へ。

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他に青混ぜ海苔でお客様人気が高いのは丸山海苔さんの《こんとび》。こちらも安定のおいしさです。

【高喜商店  雪の華】

川崎・元住吉にある"高喜商店"さんは、稀少な神奈川県産の海苔を扱う老舗。私の祖父で"ぬま田海苔"の創業者でもある沼田治雄が奉公した海苔屋さんでもあります。

東京湾の海苔は千葉県だけではなく、神奈川県でもまだ収穫されており、その中から厳選し販売しています。《雪の華》はしっかりとうま味もあり、食べるだけでありがたみを感じるおいしさでした。

J1リーグ"川崎フロンターレ"とのコラボ企画や、川崎産の食材を使った味のりなど、地元との密着力も素晴らしいです。

【伊藤海苔店   焼ばらぼし/アリアケスイサン  紫彩】

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ばらぼし海苔に関しては二つおすすめが。
そもそも、ばらぼし海苔とは生海苔を素干しさせたもの。そこから乾海苔にし焼き上げる。その焼き方が海苔屋により異なります。
比較するとこんな感じですね。上が《紫彩》で下が《焼ばらぼし》。

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"伊藤海苔"さんの《焼きばらぼし》はしっかり焼きあげていることで、くさみもなく、香りとうま味を楽しむことができます。ご飯にかけても、おつまみでもおいしい。

4代目の伊藤 信吾さんは店舗のある築地場外を盛り上げる存在でもあり、いつも刺激をもらっています。

続いて"アリアケスイサン"さんの《紫彩》。こちらはもう少し磯の香りが強い仕上がりになっていて、海を感じたい方向け。香りを活かしパスタやトーストなど洋の提案にもマッチします。

海苔漁師である古賀さんが養殖から製造、販売まで行っているブランドで、おそらく漁師さんで最も積極的に発信しています。海苔漁師さんが今何をやっているのか?知りたい方はぜひInstagramをフォローしてみてください。

【海苔を食べる通信】

もっと全国の海苔生産者さんについて知りながら海苔を味わいたい、という方には生産者さんのストーリーを届けるサブスク『海苔を食べる通信』がおすすめです。

宮城、千葉、岡山、福岡、熊本と全国の海苔漁師さんから直販の海苔サブスクです。

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ここに参加している、宮城・東松島の相澤さん千葉・富津の鈴木さんが語る海苔の熱いお話については"遠忠食品"さんの動画より観ることができます。
動画を観てもらえばわかりますが、本当に素晴らしい海苔漁師さんなので、お二人のおいしい海苔も食べてみて欲しいです。

前述の『アリアケスイサン』古賀さんの《紫彩》も『海苔を食べる通信』で味わうことができますよ。

【ぬま田海苔】

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最後に有明海産・初摘み海苔の専門店"ぬま田海苔"です。
店頭では新しい海苔2種販売開始しました!近日中にWEB販売もスタートします。

《久保田町初◯上1》は2年前に人気の高かった佐賀県"久保田町"漁場から。食べてすぐおいしい!と笑顔になる海苔です。良ければ店舗へ食べくらべしにいらしてくださいね。

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御中元には、夏らしいこちらの《うまみと五島そうめん詰め合わせ》がおすすめです。

こちらの食べ方でぜひ!

以上、様々な産地の海苔紹介はいかがだったでしょうか?

この機会に海苔を食べくらべて"推し海苔"を見つけてみてくださいね。
全国の漁師さんたちが愛情込めてつくる海苔。それぞれのおいしさの違いを感じてもらえたら嬉しいです。
今回紹介しきれなかった海苔はまた次のお楽しみに。

皆さまから何かリクエストがあれば、いつでもご連絡ください。note/Twitter/Instagramどこからでもお待ちしております。フォローも大歓迎です!

本日も最後までありがとうございました。

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《ぬま田海苔 合羽橋本店 店舗情報》
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-7-2
05017459617
[営業情報]
Open : 全曜日営業(11:00〜17:00)

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