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海苔屋のわかりやすいVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)解説。

皆さんこんにちは。ぬま田海苔4代目当主の沼田です。
今日は店舗運営にあたりサービスと同じくらい大切な要素、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)についてのお話です。

実は私と同じように個人商店をやられている方や、勉強熱心な学生さんなどから、売り場の意図や手法について質問されることがあります。

確かに個人経営の場合VMDについて学ぶ場は少ないですね。セミナーや本などから学んだりもできますが自分たちのお客さま、商材に合わせるスキルがないと、うまくはまらないケースもあると思います。
専門用語も多くスッと入ってこなかったり…なのでもう少しわかりやすく実用性の高い解説ができたらと思いました。
私もプロではないですが前職アパレル時代、VMDについて多くの学びがあり今本当に活きています。

1・2月はビジネス的にも比較的落ち着く時期ですので、色々見直す良い機会ですね。

この記事はVMDのアイディアに困っている、または興味がある方などに読んでもらえたら嬉しいです。では本日もゆるりとお付き合いください。

【VMDとは?】

そもそもVMDとはわかりやすく言うと《視覚的に訴求する陳列方法》といった感じでしょうか。ただ商品を置くだけではなく、視覚的に『買いたい!』という提案を作れるかどうか。
VPや IP、PPなど専門的な用語は別記事で参考にしていただき、わかりやすさ重視でお伝えできればと思っています。

VMDは大手ブランドであれば専門の役職があるくらい、とても重要視されています。特にV (ビジュアル)はクリエイティブが問われる部分です。
わかりやすいVの例はアパレルの「マネキン」だと思いますが、食品であれば「おいしそうな画像」や「季節に合わせたギフト提案」などがあります。

ここから先は解説に入りますが大前提として、どんなに学んでも自分のブランドやお店、お客さまにどう活かすか?が一番大切ですよね。時に自己満足で終わってしまうこともあるので、自分たちにあった提案は何か?を考えながら読んでみてください。

【場所ごとの役割を明確に】

 

扱う商品が増えると、つい至るところに商品を置きがちになりますが、最初の設計として場所ごとの役割を明確に決めることはとても大切です。

例えばぬま田海苔であれば、

●センター什器→全型海苔が買える
●入って右の壁→カット海苔や季節の商材が買える
●入って左の壁→海苔やかっぱ橋商店街についてインプットできる
●店内の奥→資材が確認できる

という様に役割が明確に分かれています。入店して左の壁はこのようなレイアウトです。

棚上ではかっぱ橋道具街でおすすめのお店のショップカードがずらり。様々な情報をインプットすることができます。

店内で買い物できるスペースは2つだけに。
『ここは〜の売り場だな。』とお客さまにとって、わかりやすい売り場となりショッピングがしやすくなります。

また「買い物ができる場所」と「そうではない場所」を分けることで、接客が必要な場所が明確になり、スタッフの動き方もスムーズに。あちこち動く必要がなく、複数のお客さまに対し同時サービスが可能になるなど、スタッフ数が少ない個人店にはおすすめですね。

【壁はダイナミックに】

《上部まで使いつつ縦列のルールは明確に》

大きい壁スペースがある店舗はダイナミックにみせるチャンス。買い場として機能しない棚上はビジュアルスペースに効果的です。最上部まで使うことでダイナミックな展開ができ、お店を広く感じさせることができますね。

ただ最低限のルールがないと買い物がしにくくなってしまうので、縦列を一つのセクションとしてルールを決めると良いです。
立ち位置変わらず欲しいものが選べた方が買い物しやすいですよね?

ぬま田海苔では、おにぎりカットの列、きざみ海苔の列、8切りカットの列、という風に分け額装した画像も必ず縦列で連動させています。

【季節に合わせた提案を】

お中元やお歳暮にクリスマス、お年賀。季節ごとおすすめの提案があるとニーズを生み出す可能性もあります
特にイベントがない時でも「内祝」「御礼」などは一年中ニーズがあるのでおすすです。

これからの時期であればバレンタインの提案が増えますね。
定番はチョコレートですが『糖質制限があるから体に良いものをプレゼントしたい。』なんて方も年々増えています。

季節ごとに店内にお花や枝物があるとお店の雰囲気がガラッと変わりますね。モチベーションアップから購買意欲に繋がる可能性もあります。

注意点としては、イベントシーズンが過ぎて売り場がそのままだと逆に目立ってしまうということ。
VMD変更もサービスの一つですので、カレンダーに記載したりタスクを設定するなどしタイムリーに変更できるような環境にしましょう。

【ゴールデンスペースの活用】

ゴールデンスペースとはお客さまが見やすく触りやすく買い物しやすい場所のことです。一般的に目線の高さが重要視されていますが、お客さまの導線上にあることも非常に重要だと思っています。今売り出したい商品や売れ筋商品を置くことで、より効果的に販売できる可能性が。

ぬま田海苔であれば、中央什器の端がまさにゴールデンスペース。
お土産が多いGWくらいまではお煎餅、夏はそうめん、秋に新米が出たらお米とその時々で変わります。
販売点数も確実に伸びるので、ぜひトラッキングし比較してみてください。

【お客さま目線で店内をまわってみる】

時にお客さまの目線で店内をゆっくりまわることも大切です。
ぬま田海苔でも『販売サインに画像があるとイメージしやすくなるのではないか?』と発見があり、今に至ります。

海苔は通常透明の袋に入ることが多いので中身が確認できるのですが、海苔の保存を優先すると遮光性の高い袋となり中身がイメージしづらいです。
サインに食べ物の画像を入れれば、わかりやすいだけではなく『おいしそう!』と購買意欲も湧いてきますね。

『VMDはよくわからないから。』と専門業者やスタッフに任せきりにせず、経営者や店舗責任者こそ新鮮な気持ちで売り場をめぐってみてほしいです。
『これいいな。』と思えばしっかり褒めてあげる。
『ここはこうした方が良いんじゃないかな?』と思えばディスカッションし変更してみる。

また商材によってはVMDだけに頼るのではなく、連動したサービスも必要。そこまでやり切ることで本当の効果測定ができます。

売れる売れないという結果もですが、より売れる可能性が高まることにトライし続けることが本当に大切ですね。
良いお店は、こんな積み重ねの先にあるものだと思います。

以上、海苔屋のVMDを例にお伝えしてみました。
海苔屋のVMDもまだまだ成長途中ですので、今後も楽しみにしてください。
他にも入店しやすくするための仕掛けや、繁忙期と閑散期での変化など書きたいことはいっぱいですが、またの機会に。

『自分たちにあった提案は何か?』
お店の形状やお客さま、商品やスタッフィングなど、色々考えながらトライしてみてください。


noteでもVMDの記事を書かれている方はいっぱいいるので参考にしてみてくださいね。プロの方に一度お店をみてもらいアドバイスもらうことも大切だと思います。

ネクスウェイさんのこちらの記事はわかりやすく参考になります。

最後に個人的な話。私のnoteのフォロワー数がなんと10,000人を超えました。4年前に書いた最初の記事も気づけば"500いいね"と、ダブルで嬉しいです。

正直私は書くプロではなく、半信半疑で始めたnoteですが、読んでくださっている方や見守ってくださっている方がいて、心強くありがたい気持ちでいっぱいです。

これからも月1ペースでゆるりと、ぬま田海苔の「成長体験」をお伝えしていけたらなと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
本日も最後までありがとうございました。

ぬま田海苔へ何かリクエストがあればいつでもご連絡を。note/Twitter/Instagramどこからでもお待ちしております。フォローや投稿も大歓迎です。

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