斎藤慎太郎八段が飛車を振る時代
2024年3月6日、第65期王位戦挑戦者決定リーグ紅組2回戦が指されています。
豊島将之九段-斎藤慎太郎八段の対局は、角交換型振り飛車となりました。
豊島九段の振り飛車かと思いきや、四間飛車に振ったのは後手の斎藤八段でした。
斎藤八段といえば居飛車の正統派。
もっとも、涓滴さんのX(旧Twitter)では、「斎藤慎太郎八段は過去に関西藤井システムブームを起こした人」とありましたので、かつては振り飛車も指しておられたようです。
振り飛車が「不利」と称されるようになってから何年経ったでしょうか。
2018年度、当時の菅井竜也王位と久保利明王将がそれぞれタイトルを失って以降、振り飛車は試練の時代と言われています。
順位戦A級でも振り飛車党は菅井竜也八段のみ、孤軍奮闘されていましたが、ここにきて佐藤天彦九段、豊島将之九段、稲葉陽八段らが振り飛車を指されるようになっています。
もはや、A級で飛車が振られても、ファンが沸きこそすれ、驚くことはなくなりました。
近年の三間飛車ブームといい、こんなにも振り飛車の将棋を見ることができるとは思いもしませんでした。
戦法の変遷というのは、かくも目まぐるしいものなのですね。
かつて、Twitter(当時はXではなかったはずです)で質問募集されていた糸谷哲郎八段に、
「阪田流向かい飛車が流行する日は来るのでしょうか?」
とお尋ねしたところ、
「本人も指しにくいと感じている形なので、流行することはないでしょうね」
といったお返事をいただきました。
それでも、近年の流転の様子を見ていると…
少しばかり、期待しても良いでしょうか。
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