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懇親会

いまだにこの懇親会の本質が理解できぬまま
懇親会に参加してきた。

ご飯を食べながら向かい合っている人からの
質問に答え相槌を打つ。繰り返して2時間半。

特に大きな収穫はなく
「父親が亡くなれば残りの住宅ローンはタダ」
という知識が身についた。

大人になればすべてに意味をつけて
行動するものだとばかり思っていた。
割とそうでもないらしい。

真昼からお酒を飲む大人たちと
カボスハニーレモネードを飲む私。

大人の付き合いというものだろうか。

先に出て行った社長分の季節のクープ仕立てを
とっても食べたかったのに言えなかった。

今日のこともいつか忘れる。
有名なホテルというだけで舞い上がった自分も
独特な形と匂いのマスクケースも。

キラキラした目もいずれなくなる。
「今持っている」と毎回付け加えるのだから。

この忘却は悲しみなのか、幸せなのか。

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