ミッキーマウスのような手
忘れたくないことを
忘れてしまいそうで
わたしの代わりに覚えていてくれませんか。
「手の差し出し方がミッキーみたいです」
なんとも言えない会話の始まりをしてしまった。
「ミッキー?」
まずい、反応に困っているではないか・・・。
「うれしぃ~」
喜んでくれた。ミッキーマウスが好きらしい。
「あいつすげぇからさ!」
相当好きらしい。
後日、彼が年間パスポート所持者であることを知る。
わざわざ握手会が開催される地方まで行った甲斐があった。
たった15秒が永遠になる魔法をかけられる彼は
手以外もミッキーマウスのようだろう。
あの手の温もりをもう忘れてしまったことが悲しくてたまらない。
「メリークリスマス!」
「メリークリスマス!!」
ぎゅっと手を握ってくれてありがとう。
いいクリスマスになったよ。
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