【就活】私がOB訪問で話してきたこと

3月に入り一気に街にザ就活生という出で立ちの人が増えてきました。最近めっきりOB訪問の依頼もなくなってきたので、今までOB訪問で話してきた就活およびその後を通して考えたことを書いておきます。

■前置き:私はどんな就活をしたか
大学院の1年生から開始、ミーハーなのでテレビ局・メディア・広告代理店・ゲーム・おもちゃ業界を受け春採用(4月)でインターネットメディアのエンジニアで内定、その後秋採用(9月)で広告代理店に内定しそこに就職しました。内定したメディア以外は文系職でのエントリーです。

■企業の選び方
まずは大企業かベンチャーかみたいな二項対立の考えは捨てましょう。同時に「ベンチャーが良い」「大企業が良い」という意見も無視していいです。
大企業と言っても色々あり、ベンチャーも千差万別。さらにその間にもいろんな会社がありグラデーションになっています。大企業/ベンチャーのような切り方はナンセンスです。またそれぞれにメリット・デメリットが当然あるので前提や環境を無視したどちらかが良いという決めつけた意見は意味ないです。

その上で、自分の興味ある分野、好きな仕事を優先して選ぶことをお勧めします。終身雇用が当たり前だった企業でもここ数年で一気に転職者が増えており、転職が当たり前の時代になってきています。第2新卒でない限り、全く違うキャリアに進もうとすると前職で伸ばした能力が強みになりくいため、転職先は前の業界か業種が近しいところになることが多いです(営業→他業界営業、広告代理店→Webメディアとか)。お金や楽さを理由に興味ない分野の興味ない仕事に就いてしまうと、心変わりしていざ転職しようとしてもデッドロックがかかってしまう危険があるのでやめた方がいいです。

■就活で取るべき戦略
就活は差別化のゲームです。
企業は事前に決めている定員に合わせて、応募者の中から要求に合う人を選び出します。そのために、ルール(グループワーク、個人面接等)を各ステージで作ります。
採用はとてもコストのかかるプロジェクトです。応募者全員がどんな人であるかを詳細まで知ってその中から選ぶのがベストですが、コストと時間的に不可能です。そのため、効率よく選びだすためにESやら面接やらを設計します。
そもそもたった数分の面接で、あなたが20年以上積み上げてきた良さや可能性、能力を伝えきることは出来ません。ですから、企業が設定したルールと時間の中でいかに自分こそがその企業にとって採用すべきかをアピールするゲームと捉えましょう。

そう考えると自ずと戦術も決まってきます。
ES(エントリーシート)は決められた設問と分量の中で、面接は限られた時間の中で、自分が他の人と差別化できるポイントを可能な限り盛り込みます。ここで重要なのはイメージのしやすさ(伝わりやすさ)情報量です。
あなたがどんなに素晴らしい人でも、審査員がそれをわからないのであればゲームのポイントが取れません。こちらが使えるのはESであれば文字、面接であれば言葉のみと非常に限られています。この限られたコミュニケーション手段で効率よくポイントを取るためには面接官が話を理解してイメージしやすいことが大事です。
よく「具体的な経験や数字を出せ」と言われるのはこのためです。「数字をもって大きな成果を報告せよ」という意味だと誤解されやすいですが、「イメージしやすいようにディテールを話せ」ということがメインです。
何もヤバい経験を話せということではありません。その経験で何をし何を考えたのか。企業はバックパッカーで世界を多く回った人が欲しい訳でも、部活のキャプテンが欲しい訳でもありません。そのエピソードから、面接者がどんな人かを知るために必要なだけなのです。
もう一つ抜け落ちがちなのが情報量の考え方です。コスト上の問題で面接の時間は非常に短い。ESを読む時間も限られている。その中で十分にアピールするためには余計なことに時間を使っている暇はありません。「御社の企業理念に共感し」とか誰でも言える発言は全て無意味です。やめましょう。あなたの良さはそんなところではないはず。回答はわかりやすく端的に。一つの話にだらだらと時間を使わない。複数の質問で同じポイントをアピールしない。その質問・回答で自分がアピール出来ているか、最大限の差別化が出来ているかを考えましょう。


以上が、だいたい毎回就活生に話していたことです。
効率よく差別化が出来、自分のアピールポイントを全て伝えることが出来ても採用されないことはあります。僕も結構落ちました。辛く悲しいです。

ただしこれはゲームです。たかが就活です。
その企業の審査ポイント・求める人とマッチしなかっただけですし、そもそも就活という、制約があり完璧でないゲームの結果なだけなので、あなたが否定された訳では決してありません。こんなクソゲーは捨てて他のゲームに挑みましょう。

そして就活なんてゲームはさっさと終わらせて別のことをしましょう。学生の時間は本当に貴重です。
私は内定後に、就職する企業の方にOB訪問しまくりました。企業選びや面接対策のためよりも、就職した先の方が大事と考えたからです。得られる情報は就活の時と段違いですし、その時に快く受け入れてくれた方々には就職後も良くしていただきました。

就活生のみなさんが気に病むことなく就活を終え、有意義な時間をなるべく多く過ごすことを願っています。



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