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信仰について-神(続き)【バプテスト初歩教理問答書】

第13-17問を読んでみました。
「Ⅱ 信仰について (1)神」の後半、神の全知全能にかかわる問答が中心になります。

Ⅱ 信仰について (1)神

第13問、神から逃げられないという安心

第13問 神さまは、なんでも知っておられますか。
答 はい、知っておられます。一つとして、神さまからかくれることはできません。
詩139:1-16

『バプテスト初歩教理問答書』

全部知られているということは、恐ろしいことかもしれない。
アダムとエバは、神から身を隠そうとした。でも隠れとおすことができなかった。
カインはごまかそうとした。でもバレてた。
ヨナは主の御顔をさけて逃亡した。でも逃げられなかった。

「だから、神さまからかくれることはできないぞ」と教えられてきたけど、でも隠れようとする気持ちはわかるんだよな。
時代劇で悪党が「おてんとうさまも気付くめぇ」とうそぶく。おてんとうさまは夜は見てないものね。でも聖書の神は常に見ている。おてんとうさまからは隠れられても、聖書の神からは隠れられない。
それは恐ろしい事なんじゃないだろうか。

それがいつからか、「神に知られている」ということの安心感ハンパないよな、と思えるようになった。
たぶん、子供を授かって、そして公園デビューした頃だったかもしれない。
子供というのは、親が見ていてくれるという安心感があるから、自由に遊べるんだろうなと。遊んでいて、ふと気づいたら親がいない、なんてことになったら、「やったー!さらに自由になった!」より先に、ベソかきながら「お父さん、どこー?」になって、自由に遊ぶどころじゃなくなるんじゃないかな。

どこにいても見ていてくれる。
何をしていても見ていてくれる。
たとえ見られたくないことをしてるときでも、いや、そんなときこそ。
神から逃げられないということは、なんて安心なことだろう。
「神さまからかくれることはできない」とは、なんて幸せなことだろう。

第14問、神にもできないことはある。

第14問 神さまは、なんでもなさることができますか。
答 はい。神さまはご自分のきよいお考えにしたがって、どんなことでもおできになります。
黙4:8

『バプテスト初歩教理問答書』

「ご自分のきよいお考えにしたがって」というのが鍵なんだよなと。
「神は全能」だけだと、「じゃあ神はウソをつくこともできるのか。悪を行うことができるのか」となる。。

神が全能であるとは、「すべてをする権能がある」ということ。
ただし神のキャラ的に、「それをする権能はあるけど、しない」という意味で「できないこと」はある。

減量中のボクサーは、ボクサーであり続けるために、「食べることができる」けれど「食べることをしない」のだろう。
神である主は、義なる方であり続けるために、「どんなことでもおできになる」けれど「どんなことでもはしない」のだろう。

じゃあ「きよいお考え」とは何か、ということは考える必要はない。
人が定義する「神はこうであるべき」の中には、神はいないから。
主は、人に定義される神ではない。人が都合よく使役できるような神ではない。

第15問。世界が始まる前?

第15問 神さまは、ご自分のきよいお考えを、いつおきめになりましたか。
答 人間やすべてのものをお造りになるまえ、永遠の昔です。
エペ1:4,11,12

『バプテスト初歩教理問答書』

エペソ1:4
すなわち神は、世界のもといが据えられる前から、この方にあって私たちを選び、御前に聖なる、傷のない者にしようとされたのです。

『聖書 新改訳2017』

創世記の冒頭「はじめに神が天と地を創造された」ということは、神が天と地を創造したのが「はじまり」であって、それ以前という時間とか時代はないということだと思っていた。
「神さまは天地創造する前は何をしていたの?」という質問には、そもそも「天地創造する前」という時間が存在しないんだと思っていた。
ところがどうやら、天地創造より前という時間はあるらしい。

聖書を科学と整合させようとする人たち中には「天地創造とはビッグバンのこと」という説明も試みられている。
ところがなんとビッグバンが138億年前とされるのに、さらに20億年も古い星が見つかってしまった。もっとも、星の年齢は観測できた諸元から計算しているので、メトシェラ星と呼ばれるこの星の年齢について「いや、やっぱりビッグバンより後だ」と言えるために計算の修正がいろいろ提案されている。それでも今のところ「恐らく宇宙の年齢以下にすることが可能である」ということでしかない。
それに、メトシェラ星のこととは別に「ビッグバン以前」について研究している科学者たちもいる。ていうか「ビッグバン宇宙論」自体も、今のところ事実とされているというだけで、そして科学は「事実だと思ってたら違ってた」を繰り返して発展してきた。いつか教科書に「21世紀前半まで、ビッグバン宇宙論が事実だと考えられていたが」と書かれるようになっても驚かないな。

科学は「この世界の、今はまだわからないこと」をわかろうとして前進していく。
神学も「神の、今はまだわからないこと」をわかろうとして聖書に取り組んでいく。
どちらも、夢と希望が尽きることはない。

第16問。E=mc2

第16問 どのように、すべてのものをお造りになりましたか。
答 お命じになるだけで、なにもないところから、神さまのよろこばれるように、造られました。
創1章

『バプテスト初歩教理問答書』

理系とは高校2年で縁を切った門外漢なのだけど、その後「質量とエネルギーは互いに変換できる」と聞いたときは興奮しました。
それって、たとえばこの宇宙の物質量を計算したら、創造の時に神がどれくらいのエネルギーを使ったかがわかるってことか、と。
理系の研究職のクリスチャンに聞いてみたら「おもしろいけど、でもダークマターの全質量とかどうやって出すんだろう」と言われてしまった。

とりあえず、1グラムの質量は90テラジュールのエネルギーと等価に変換されるらしい。
以下、科学も指数計算もわからない人間がググりながら考えてるので、「それ全然違う」という可能性がかなりあると思うのだけど。

90テラは、9×10の13乗。
アダムが体重70㎏(7×10の4乗グラム)の質量を持って創造されたとすると、アダムの創造には6.3×10の18乗ジュールのエネルギがー使われたことになる。
平均的な台風のエネルギーが10の18乗ジュールらしいので、神は台風6発分のエネルギーでアダム1人を創造したことになる。ビジュアル的には、6個の台風が消滅してアダムが誕生した感じ。

あってますかね?
いろいろ間違ってると言われそうな気もするけど、まあ「お命じになるだけで」というのがどれくらいすごいスケールかという話です。

(聖書の記述では、神はアダムを無から創造したのではなく土のチリから創造した。なので実際?には「70kgの質量のチリ」の創造について考えるべきなのだけど、70㎏の人体と70㎏のチリの質量って同じだよねと言うことで上記では表現を簡略にしました)

第17問。神は暴君?

第17問 神さまは、お造りになったすべてのものを、どうされますか。
答 ご自分のきよいお考えにしたがって、みちびかれます。
ダニ4:35

『バプテスト初歩教理問答書』

ダニエル書4:35
地に住むものはみな、無きものと見なされる。
この方は、天の軍勢にも、地に住むものにも、
みこころのままに報いる。
御手を差し押さえて、
「あなたは何をされるのか」と言う者もいない。

『聖書 新改訳2017』

ふだんは新共同訳を使っているのだけど、新共同訳だとダニエル4:32になる。どこから4章にするかが違っているので4章まるごと節がずれててややこしい。

しかし、神は御心のままにということの参照箇所がここって、すごいな。
誰も神を止めることはできないって、それはそうだけど、ここだけ切り取ると暴君になってしまわないか?

誰にも止められない神に愛されているということ。
誰にも止められない神に逆らうということ。
愛の中にとどまるほうが合理的。

次回は

次は「信仰について」の章の「(2)人間」を読みます。
18-34問と多いので、3回くらいにわけるかな。

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