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みたものの記録「逆転のトライアングル」

新宿シネマカリテにて。

全編を通して性格が悪く、(称賛の意味で)胸糞の悪い映画だった。
登場人物ほぼ全員が、朗らかに性格が"終わって"いる。この朗らかな性格の悪さというのがタチが悪く、悪意なく嫌なことをする。でもそれぞれの行動原理はわかりやすい。

はじめは風刺に富んだ、皮肉を投げかけるものなのだと思っていたが、途中からこれは誰にでも起こりうるようなものなのだとわかった。特に思い立って休日に映画館に足を運ぶような人はほぼあてはまるような。

この映画をみて笑う人もいるだろう、痛快だと思う人もいるだろう。でも笑っている人こそここで批判されているのだと思う。

トライアングルというのは、三角という意味であるがそれがどの三角のことを指しているのか考えるのが感想文としてはセオリーな気がする。現代がTriangle of Sadnessらしいのだが、これを”逆転の”と言い換えたことでわかりやすくなっているような、ミスリードのような気もする。直接的なタイトルではないので考えてくれやというメッセージなのかもしれない。

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