いろんな概念がひとつに集約された Team Toplogies

チームトポロジーを最近ようやく読み終えました。この記事は「チームトポロジーはいい本だぞ」ということを書いていきます。

自分がアジャイルを本格的に始めた頃、そこにはScrumと呼ばれるフレームワークがありました。まだScrum Guideというものはなかったので、(自分のCSMの講師でもあった)Bas Voddeさんが作ってくれたテキストと、いくつかの英語の本と、小さなコミュニティで行き交う会話が当時の情報源だったと記憶しています。

Scrumのフレームワークを学ぶのと同時に、クロスファンクショナルチームという概念を学びました。コミュニケーションパスという考え方も学びました。Scrumには開発組織のあり方とコミュニケーションの方法が入っていました。自分が初めて開発組織の作り方みたいなところに触れたのはそこが初めてだったように感じています。Two Pizza Team という話を聞いたのもその頃だったと思います。

そのうち、マイクロサービスというキーワードをよく目にするようになり、ソフトウェアはなんらかの単位で細かく分けて疎結合にするべきだというムーブメントが起きました。このムーブメントでは苦い体験をした人も多くいたようです。

自分がScrumに触れ始めた頃は、スマートフォンのアプリを作ることが流行ってた頃で、まだまだベンチャームーブメントの流れが大きかったと思います。ソフトウェアは単機能であるべき、みたいな考え方もありました。リーンの考え方は、小さいソフトウェア、小さい組織の中でよく使われていて、大きいソフトウェア・大きい組織、いわゆるエンタープライズに導入するには、まだまだ苦労する部分が多かったんだなと今思い返せば思います。
当時ベンチャーだった企業も大きくなり、"スーパーアプリ" なる概念も登場し、ソフトウェアは複雑化したものが増えてきました。


チームトポロジーにある4種類のチームを使ったモデルは、それなりのサイズ感のある組織で開発するのに向いていると思います。
Two Pizza TeamやSpotifyモデル、マクロサービスなど、これまで先人たちが実践し、失敗を繰り返しながら得てきた知見の先にある、エンタープライズ向けの知識が詰まっている本なのではと感じながら読んでいました。

チームトポロジーに書いてあるモデルも、これが最終系なのではなく、これからもおそらく実践を繰り返しながら更新されていくのだと思います。でも、ここまでまとまった知見を参考にしない手はないと感じます。大事なのは、守破離です。

大変幸運なことに、日本語訳も出版されています。すでに出版されて4ヶ月が経っています。ソフトウェア開発に関わる人、特に、開発組織に関わる人は一読していると信じています。

次は、これを実践してみた話を聞いてみたいです。

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