hiro

Software Design Engineer、Scrum Master を経て、ア…

hiro

Software Design Engineer、Scrum Master を経て、アジャイルへの移行・開発プロセスの質の向上を軸に、ソフトウェアの開発現場を楽しくすることに挑戦。現在はDeveloper Relationsとしてソフトウェア開発現場の交流の場を作ることを挑戦中。

最近の記事

Outcomeと開発生産性

「完了」か、「完成」か もうずいぶん昔の話になる。Certified ScrumMasterのコースを受けたときに、Whyは大事だよという話を聞いた。その時はレンガ積みの話で、ただレンガを積む作業をするだけではなくて、「何を作るか」を知ることで、工夫がうまれやすくなるよねという話だったと記憶している。 ここでいうレンガを積む作業で大事なことは生産性で、それは時間あたりの積んだレンガの数で表現されることが多い。一方で、レンガの壁を作るには、毎日最大限のレンガの壁を並べること

    • リモートでも同期的に作業する

      いわゆる、パンデミック期が終わって、もうすぐ1年になろうとしています。正確には昨年のGW明けがパンデミック期の終わりだったので、もう少しだけ時間がありますが。 パンデミック期に流行った「リモートでの働き方」をやめたところもずいぶんあると聞いていますが、自分の環境は、基本リモート、時折オンサイトというハイブリッドな働き方をしています。もっとも、通勤ラッシュやら、オフィス街のランチタイムやらを極力避けるようにしているので、リモートを選択することが多いです。 リモートで作業をし

      • Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 #RSGT2024 に参加してきた

        はい。参加してきました。今年も例年通りスタッフとして。赤いTシャツを着ていた一味のひとりとして。(赤被りしてたスポンサーさんもいらっしゃいましたね) 今年は全体的に混雑が少なく、参加者自身が自律的に動いてくれていた、そういうイベントだったなと思います。パンデミックの後、オンラインが主体のイベントになっていましたが(これも参加者が自律的に動いた結果)、オンサイトの勢いみたいなものを強く感じました。 今年から新しいチャレンジのひとつでもある、カメラスタジオ。撮った写真をSNS

        • 摩擦係数

          僕たちは資本主義を肯定する社会で活動している。資本主義では、金を稼いだほうが"勝ち"の世界で、そのためにどれだけ労力をかけずに多くの利益を得るかが大事とされる。働くことなく稼ぐことができればその方がいいのだ。 一方で、最近は利他的な考え方も大事とされる。自分の利益ではなく、周囲の人にどれだけの価値を提供できるか。この考え方は、最近のプロダクトマネジメントにもつながる。 その一方で、コミュニティやギャザリング、人と人のつながりの中には、資本主義とは正反対とも言っていいマインド

        Outcomeと開発生産性

        マガジン

        • こんなにいるよ。Quoraの人たちマガジン。
          197本

        記事

          オフラインで得られるもの、オフラインでしか得られないもの

          「あの夜に会えたら」という作品がある。 仮想のラジオ番組「綾川千歳のオールナイトニッポンN(ニュー)」という番組の、初めてのラジオイベントでかつ、ラジオ最終回を、国際フォーラムでやるという設定で、そのイベントの当日リハーサル(ゲネプロ)からをステージ、観客、控え室を使った裏動線でドラマや演劇をやりつつ、配信もするという、説明ができない作品だ。 観客席から見ていると、ステージで何かが行われている最中に、ビジョンに控室が表示され、そこでストーリーが進んだりする。 ストーリーの内容

          オフラインで得られるもの、オフラインでしか得られないもの

          フルリモートか全員出社か

          こんにちは。あまり意識していなかったのですが、このブログ、ここ最近は1ヶ月に1回は記事を投稿できていたんですね。驚きました。 最近Xを見ていると、フルリモートか、フルオフィスか、みたいな議論を見かけることがあります。感染症を要因とする制限がとれてきて、新しい当たり前を作り始める時期に差し掛かってきたってことでしょうか。 フルリモートであれば働く場所を、フルオフィスだったら職場にふさわしい身だしなみと出勤時間を、プライベートに乗っかる形で用意する必要があります。 フルリモ

          フルリモートか全員出社か

          開発生産性と飛び交うキーワード

          とてもいいスライドを見つけたので、社内のSlackに共有しました。 スライド自体は事例もあり、丁寧な解説もあり、参考資料として素晴らしいなと思いました。もっとも、最後に採用ページが載っているスライドを社内に展開するのはどうかと思うのですが。 そして、その時にスライドの紹介として書いたテキストがこちらでした。 この時に使った「開発生産性」という言葉、とても微妙だなと思ったのです。我ながら。 (生産性についての議論を始めると長くなるのでしませんが)開発生産性という言葉には

          開発生産性と飛び交うキーワード

          チームの条件

          二人はペアで、三人はチーム、ということをよく言ったりしますが、チームには人数だけではない条件があるんだろうなということを考えることが多いです。それは、「成し遂げたいものへの強い情熱」。 成し遂げたい強い情熱がある人が、実現したい夢を描き、そこに向かって強く進んでいく。そして、その夢に"共鳴"した人が、自分たちのスキル(労働力ではなく)でもってサポートする。その形がチームなのかもしれないなと考えることが多いんですね。 成し遂げたいものがない、もしくは情熱が弱い人が集まったチ

          チームの条件

          自分と自分の周りを少しずつ変えていく

          とても古い話になりますが、僕が社会人になって、上京して、最初に感じたのは、"社会の疲労"でした。理由はわからないけど、みんな疲れている。もっと生活を楽しんでもいいんじゃないかなと思ったんですよね。なので、働く環境をもっと良くしたい。無駄なことを省いて、そしてたくさんの価値を生み出せるようにしたい。 僕は幼い頃ファミコンをやって最後に出るクレジットを見るのが好きで、そこに出てくる「プログラマー」というのに憧れて、ソフトウェアエンジニアになることにしました。タイミングよく、近く

          自分と自分の周りを少しずつ変えていく

          今年もRSGTに参加しました

          今年の幕開けもRegional Scrum Gathering Tokyo (RSGT)でした。一年の始まりに、たくさんの人の試みを聴いて、自分が知らなかったことを発見したり、自分ができそうなことを探したりしながら2.5日間を過ごすことができて、たくさんのエネルギーを補充できたし、それと同時にたくさんの「宿題」を積み上げることができました。 一緒に参加していただいたみなさん、ありがとうございました。 ここ最近のRSGTでは、自分はボランティアスタッフとして参加しています。ス

          今年もRSGTに参加しました

          ワンデイカンファレンスが貴重な交流場所になるかもしれない

          明けましておめでとうございます。 本年もたくさん”遊んで”いきたいです。 仕事柄、なんとなく日本の技術イベントにアンテナを張っているので、365日の区切りということもあって、雑感をまとめることにします。 2022年の始まりはまだ感染症への警戒が強かったように記憶しています。波を乗り越えるたびに徐々にその警戒心も薄れていき、まずはコミュニティが主催するイベントから、オンサイト(In-person)でのイベント開催も増えていきました。コミュニティ主催のイベントと、企業主体のイ

          ワンデイカンファレンスが貴重な交流場所になるかもしれない

          2022年に読んだ本たち

          どうやら年末だということなので、今年読んだ本でもまとめてみようと思います。本当に本を読まなくなりました。今年読んだ本一覧をまとめていたわけではなく抜け漏れとかあると思うので、先に謝っておきます。 EMPORWERED プロダクトオーナーというよりも、プロダクト開発を成し遂げたい人がどのように組織を作っていくか、そしてプロダクトを作っていくかがまとまっている。組織の話もしているので、組織のサイズを問わず参考にできる、バイブル的1冊。 LEANとDevOpsの科学 出版は20

          2022年に読んだ本たち

          XP祭り2022で出会った LifeHack Press

          10月1日に開催されたXP祭り2022に参加しました。その基調講演で、KKDさんがお話しされました。今ではソフトウェア開発において、Scrumがメジャーになっているというか、「スクラム開発」という言葉が生まれるくらい、当たり前にやるものとして認識されているように感じますが、その前にはXPのブームがありました。2011年ごろは、XPの幻滅期みたいなムードがあって、Scrumやアジャイルの話をすると、ちょっと表情が曇るみたいなエンジニアもいたのを思い出します。 KKDさんはその

          XP祭り2022で出会った LifeHack Press

          "なんとなく""当たり前に"すすめられるアジャイルについて感じること

          2016年にDeveloper Relationsという帽子を被るようになってから、6年近くが経ったらしい。その前は、同じ会社内で、アジャイルコーチという名前で、アジャイルを推進することをしていた。"アジャイルコーチ"を名乗ったのは、他に周りに伝わる適切な用語がなかったから。 アジャイル開発(当時はスクラムをベースにしていた)を社内に紹介し、やってみたいというチームがいたら、そこに出向き、進め方を指南するというもの。もちろん最初はティーチングするのだが、徐々にやれるようにな

          "なんとなく""当たり前に"すすめられるアジャイルについて感じること

          いろんな概念がひとつに集約された Team Toplogies

          チームトポロジーを最近ようやく読み終えました。この記事は「チームトポロジーはいい本だぞ」ということを書いていきます。 自分がアジャイルを本格的に始めた頃、そこにはScrumと呼ばれるフレームワークがありました。まだScrum Guideというものはなかったので、(自分のCSMの講師でもあった)Bas Voddeさんが作ってくれたテキストと、いくつかの英語の本と、小さなコミュニティで行き交う会話が当時の情報源だったと記憶しています。 Scrumのフレームワークを学ぶのと同時

          いろんな概念がひとつに集約された Team Toplogies

          オンラインイベントについての雑感と予測(2022.3)

          「オフィスレス時代のコミュニティ」というタイトルで書いたのが2020年7月。それから20ヶ月くらいが経ち、いろんなことが変わっていきました。 オフィスレスの動きは決定的になった、どころか、エンジニアが全国に散らばりそうな気配すらあります。どこかの田舎で農業やりながらソフトウェアエンジニアをやっている、そんな様子も決して珍しい状況ではなくなりそうです。 オンラインの時代になってから、勉強会自体が減ったのかなという印象も感じています。もしかしたら、これまでのやり方が一旦なくな

          オンラインイベントについての雑感と予測(2022.3)