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♡Ep.【「ちゃんと考える。」】~彼女がいらない男Ⅱ~


占いに行くことは
事前にハルに伝えてあった。


「こんな男の人辞めなさい!って言われたらどうしよう。笑」


冗談の様に、本気で言ったわたしの言葉に


「いや占いでそう言われたからって終わらしちゃうような関係じゃないでしょー?笑」

と、簡単に応えてきたハルには

きっと
わたしが2人の関係性についてどれだけ悩んできたか
これっぽっちも分かっていないんだろうな。



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ハッキリと、

「彼のことは諦めて次に行きなさい。」

そう、言われたほうが、どんなに楽だったか。


……………………

「きっとあなたは
わたしに何を言われても、自分で決断しないと納得できないでしょう?」


でも、占い師は全て見透かしている。



……。」



「だから、あなたが決めなさい。」



それじゃあ占いに来た意味ないじゃん。。



……今日、言われたこと、彼には話さない方がいいですかね?」



「いいえ。言った方がいい。
もちろん、全てを話す必要は無いけど、
あなたが今日ここにきて、わたしと話して
どんな風に思って、何を考えたか、
それをちゃんと話しなさい。」



でも、ただでさえ結婚から逃げて関係を曖昧にするような人に
こんな話したら、重いって思われないですかね



「大丈夫。彼だってあなたが考えてること知りたいはずだし、
知る必要がある。
それに、

その話を聞いて重いって言うような男、
あなたの話を真剣に聞いてくれない男なんて
それこそ辞めた方がいいわよ。」


わたしは自分どころか
ハルのことも、ちっとも信頼できていなかったのかも。


「確かに。でも、こうゆう話、ずっと避けてきたから話すの不安です。。」



「自分の気持ちをちゃんと彼に伝えることで
あなたの気持ちがスッキリするから。まずはそこからよ。」


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占いが終わって、溢れ出す気持ちを自分ひとりじゃ消化できずに友達に会った。

占い師に言われたことは携帯にメモしておいた。

友達に聞いてもらって少し頭と気持ちが整理できたから
家に帰って台本を作った。


ハルに話す為の台本。


頭の回転は早い方だし話をするのも得意だけど

今のわたしは正常じゃない。


いつもみたいにメリットとデメリットを冷静に判断できない。
きっと、感情に流されてしまう


ずっと避けてきた

ハルと、わたしたちの関係について話すこと、
わたしの本音を打ち明けること


この話をしたら、
「付き合う気は無い」
「じゃあ終わりにしよう」

そう、言われてしまうかもしれない。


自らの行動が引き金になって
ずっと守って取り繕ってきた関係を
終わらせてしまうかもしれない。



"「その話を聞いて重いって言うような男、
あなたの話を真剣に聞いてくれない男なんて
それこそ辞めた方がいいわよ。」"

分かってる
その通りだと思う


でも、そんな風に割り切れるくらいなら
はなっからここまでこじらせてもいない。



でも


今なら

今しか


正常じゃない自分じゃないと
ハルに本音を打ち明けることなんてできないから…



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「あのさ占いに行っくって言ったじゃん?で、占い師の人にちゃんとあなたの本音を話しなさいって言われて

なんか重くなっても嫌だし、なんか、言いづらいんだけどさ……



「いや、ちゃんと話して?
俺真剣に聞くから。ナナさんの考えてること知りたいから。」



「いいの?」



「うん!ちゃんと話そう!」



……………………
……………………………………



ハル自身も、分かっていながらも避けてきた話題だったはずなのに

予想に反して"ちゃんと話そう"そう言ってくれたハルは


いつまでも続く曖昧な関係がわたしを悩ませていること

地元に帰ってきたわたしはこのままでいいのか?自問自答を繰り返してしまうこと

でも、ハルの存在がとても大切なこと


わたしの言葉ひとつひとつをしっかり受け止めるように聞いてくれた。



「そうだよね。ナナさんにそんな思いさせててごめん


その言葉に嘘は無いんだろうけど
そんな思いをさせていること、気づいて無かったわけじゃないんだろうな。。




「俺だって、ナナさんの存在にすごい支えられてるし、
ナナさんのこと大切に思ってる。」


その言葉に嘘は無いんだろうけど

わたしが今欲しいのは、そんな言葉じゃない。



……………………

…………………………………………



「俺、ナナさんのこと…ちゃんと考えるから。」




その言葉をもらって

やっとやっとわたしに対して誠意を見せてくれるのかもしれない

そんな勝手な期待感と、

ずっと求めていた淡い期待を裏切られた悲しさ

そして


占い師が言った通り

わたしが報われるまで
本当に3年かかるかもしれない


そんな絶望感を受け入れ始めている自分がいて



わたしの気持ちに反して

真っ暗だったはずの空は明るい光が差し込み始めていた。



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