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♡Ep.【友達以上、恋人偽装のわたしたち】~彼女がいらない男Ⅱ~



言葉は、それぞれにちゃんと意味があるのに

その言葉を発する人、状況、気持ちによって
何通りもの意味に変化する


ちょっとしたニュアンスが違ったり
発した人の意味と、受け取った人の意味が違ってしまうこともあるし

本来の意味とは反対の意味をもつ場合もある
(大丈夫。って強がって言ったけど本当は大丈夫じゃない、とか。よくあるやつ。)



そうゆうのって
生きていく中で色んな経験や関わりを経て
自然と分かっていくものだし

わたし自身、
女子特有の"察して"をやるタイプでは無いけれど
相手に良く思ってもらえるように
自分の本音を偽って発言してたりするから

日頃から
なにげない会話の中でも
声のトーンや表情、相手の性格なんかも加味して
相手の発言、言葉の"本来の意味"を見失わないように気をつけているつもりだ。


だから当然


わたしが地元に帰る前に
ふたりの関係を終わらせようとして言った言葉も


"止めて欲しい"の裏返しだったし



まるでこの先の2人に明るい未来が待っているかのように
わたしに期待をさせる発言で
関係を継続させたハルの言葉も


結局はなんの誠意も無い
その場の流れで出た無責任な発言

だって分かってる。



期待を持たせる言葉ほど

からっぽの、意味なんてもたない場合があるんだから

まんまと信じて浮かれないように、と
そんなふうに必死に自分に言い聞かせてる。

だって、いい女(めんどくさくない女)を演じてないよ、だてに。




本当は素直に期待したいし、
離れずにすんだことを喜びたい。

ハルがわたしとの"これから"に
少しでも可能性を残してくれたことを
この時のわたしは喜ぶどころか警戒してた。


だって
せっかく念願だった地元へ帰ることができて
生まれ育ったこの場所で新たに生活を始める、

それは
わたしが漠然と思い描いていた将来像に近づいた証で

きっとこれからわたしは
今までとは違って"先のこと"を考えながら生きていく


そんなわたしをあなたの存在は
無意識に縛っている


ハルの存在が近くにある以上
どんなにハルが"わたしの将来像"とは反対の道へ進んでも

わたしはハルから離れられない






「今日、新しい職場の人に彼氏いるの?って聞かれた、んだよねー。」


わたしがわざと言ったこの発言に対して



「俺のこと、彼氏って言っていいよ!」



そうやって安易に答えたあなたは
やっぱりわたしの気持ちなんて分かってないね。



わたしがそれで、喜ぶと思った?




「俺もナナさんのこと周りに話してるし!」

その発言で、わたしが安心すると思った?



わたしは逆に


あ、この人やっぱり


彼女ってゆう存在に
めちゃくちゃしっかり線引きしてるわ。



そう、改めて思い知って、
余計に悲しくなったよ。





 そこまで言うくせに


わたしを彼女にはしてくれないんだもんね?





だから分かってるよ。


あなたの性格も、考え方も。

分かってる。


だからやっぱり、あなたの言葉は素直に受け取らないし、意味をそのまま信じたり、期待しない。




ハルのこと大好きだから、分かってる。


なんも意味が無い言葉だって、
平気で言ってしまうし

それで期待をさせてしまうことにも気づかない。


だからって、丸め込まれたり、流されたりもしない

自分の中に簡単には曲げられない芯(ボーダー)がある人だってこと。




あなたのそんな性格や発言の意味を理解しているつもりでも

やっぱり簡単には離れられないわたしは


今までも、これからも、



あなたを彼氏と偽っては、

自分を騙しながらも
あなたに期待をして好きでいる。



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