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♡Ep.【1年かけた女の価値】~彼女がいらない男Ⅱ~



ハルと知り合ってから二度目の年越し。

去年、わたしは当然のように
ハルと一緒に過ごすつもりでいたけれど

付き合う想定だったクリスマスの日に
まさかの"今は彼女つくれない発言"をされ

ハルの状況や心情を勝手に考慮して
すがるわけでもなく

かといって突き放すこともできず

理解ある女を演じた


だから
一緒に過ごしたかった年越しも
ハルが地元の友達に誘われてることを知って
快く送り出した

それは、

わたしは理解ある女だから
付き合っても、ハルが懸念しているような
制限や煩わしさも無く、
めんどくさいことも言わないし
楽に付き合っていけるんだよ、

と、間接的に自分の価値を高めたつもりだった。


去年は、24時ピッタリに
ハルからあけましておめでとうLINEが届いた。

友達と一緒にいても
わたしのことを思い出して時間ピッタリに
こうやってLINEをくれたことが嬉しかったし

ナナさんと知り合えて良かった
とか
温泉旅行たのしみだね!
とか


わたしの気持ちを繋ぎ止めるには
十分な言葉を一緒にくれた。


だから、

離れることなんて考えなかった。



だけど今年は

ハルからのあけましておめでとうLINEは
25時をすぎていて

送ってくれただけでも嬉しいけど
明らかにハルの中でわたしの価値が下がっていることを実感してしまう。


ハルと一緒に過ごしたかったな、とか
ハルは今なにしてるのかな?とか

去年も今年も

わたしはハルを思いながら新年を迎えた。


ただ
去年と違うのは

はなっから今年は年越しを一緒に過ごせるなんて期待はしていなかったこと。


この1年でわたしは
理解ある女を演じて自分の価値を高めるはずが


どんどんハルの彼女とゆうポジションから
遠ざかっていることも、ちゃんと自覚していたから。



…………………………



2月になり

まさかの偶然で
ハルがわたしの地元で仕事が入った


仕事が忙しくてなかなか時間のとれないハルが
必然的にわたしの近くに来る!!

…………


当然会う約束をし
ハルの仕事の合間をぬって
一緒にご飯を食べた。


出会ったのもわたしが地元に帰る前だし
わたしが帰ってきてからも
時間のある方が移動した方が効率的だと思って
会う時はわたしがハルの職場近くまで行くことが多かった


だから、ハルに会えたのはもちろん
ハルがわたしの地元にいることが嬉しくて
わたしははしゃいでいた


「今日ハルに会えたの嬉しいー!」

そんな意味を込めたわたしの素直な気持ちだった



そんなわたしにハルは


「そりゃあ〇〇(わたしの地元)まで来てるしねー!
ここまで来て会わないのもね!」


そう言った。



深読みする必要なんてないかもしれない

たわいもない、ただの会話だ…


でも、


確実にハルは、わたしへの気持ちが減っているんだね

わたしはまた、改めて実感する。



ハルは、良くも悪くも調子の良い人だ

だから、今まで何度も
わたしを繋ぎ止める言葉を言ってきた

その度にわたしは勝手に期待をして関係を継続させてきた


でも、その反面、ハルは分かりやすい。

1年もあなたを追いかけていれば
あなたが嘘をつけないのも知っている。


繋ぎ止めるような調子の良い言葉だって
無意識にリスクを回避する(自分の不本意なことはしない)自分軸のハルは
それを言ってわたしが期待をすることで
自分にかかるリスク(わたしが離れない=わたしとの関係を精算しなきゃならない責任)も少なからずは分かっていたはずだ。

それでもそう言ってくれるなら、
とわたしは期待をしてしまった訳で。


だから、ふいに出るあなたの言動から

その"リスク"をもう背負いきれなくなってきたことを悟りだす…



きっと今日
わたしと会ってくれたのは
ただ近くまで来たから、それだけで


わざわざ遠くまで会いにくる程には
わたしに会いたいと思ってないんだよね。



そうゆう本心が、ハルの言葉から、態度から、
時折見え隠れする

それをわたしは敏感に察知する


この1年で
理解ある女として価値を高めるつもりが


もうすっかり
自分に自信を無くして本音さえ言えない女になってしまったし

平気なフリしてあなたにすがりついている。


こんなわたしの本心を知ったら
きっとますます
あなたの彼女にしてくれないよね……

こんなめんどくさい女、嫌だよね…?



バレンタインは手作りにしなかった。

百貨店で買ったちょっとお高めの生チョコを
当たり前のようにハルに渡した。


ギリなんかじゃない、

ド本命のわたしのチョコレート。



ホワイトデーなんていらない


わたしのチョコを、あなたはどんな気持ちで受け取ったの?



わたしが欲しいのは、あなたの答えだよ。




自分の価値をここまで下げてしまったわたしは

もう自分で答えすら出せなくなってしまったから。




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