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♡Ep.【わたしを彼女にしない理由】~彼女がいらない男Ⅱ~



「わたしと彼は今、彼氏彼女の事実婚みたいな状態だと思っていて


"事実婚の彼氏彼女バージョン"

そんなの都合良く考えすぎなのも分かっているけど

ハルのわたしに対する態度や扱いはただの都合のいい女にするものでもないし
それ以上の関係()があるって信じていた(信じたかった)

だから"ただ正式に約束をしていないだけ"
実質わたしたちは彼氏彼女のようなもの

それって

市役所に婚姻届は出てないけど
実質パートナーとして事実婚の関係みたいなものじゃん

なんて無茶苦茶な理屈を並べていた。

これはわたしが、煮え切らない自分の気持ちを無理矢理でも納得させる為に導き出した答えだった。


…………


「だからここまでの仲なのに彼がわたしを彼女にしてくれない理由って、なんなんですか?」



わたしが一番知りたいこと。


ずっと知りたかったこの疑問を
何故、本人のハルじゃなく、占い師に聞いているのだろう。



ただの恋愛相談のつもりだったのに
しっかり切羽詰まった表情をしているのが自分でも分かった。

今までずっと隠してきた自分の弱い部分をさらけ出しているような、
なんとも言えない感情が渦巻いている



「そうね彼は……


わたしの目をまっすぐ見つめながら
占い師は話し始めた



本人から聞いている訳じゃないのに
答えを聞くのが怖かった


わたしに魅力が無いから?


さっきまで散々褒めワードを言ってもらったのに
すぐに自分を責めてしまうのは
わたしの自己肯定感が低すぎるからだろうか


…………………



「結婚から逃げている。これが理由ね。」




……………。。。

「わたしとは結婚したくないってことですか?」


「そうゆう訳じゃなくて、
今の彼は結婚とゆうものにネガティブなイメージしか無くて、
誰が相手だとしても結婚はまだ考えられないみたいね。」



確かに、漠然と将来の理想を話したりはするけど
結婚自体にまだ前向きじゃないのは分かります。
でも別にわたしは結婚の為に付き合いたい訳じゃないし、それは彼にも最初の頃話したことあるんです。」



「彼は少し子供ね。笑
今はとにかく彼女を作ることで自分が縛られることをすごく懸念しているの。
あなたが結婚とかそんなつもり無くても
やっぱり結婚適齢期でもある歳上のあなたと一緒にいることで、少なからず意識するんでしょうね。」



わたしに魅力が無いからですか?
わたしじゃなかったら、彼は一緒にいたいって思えたんですかね……




「そんなことない。
あなたのせいじゃないし、あなたは魅力的だから。
今の彼は誰が相手でも同じ。」



"わたしのせいじゃない"
"誰が相手でも同じ"

この言葉に、安心するどころか悲しくなった。


だってわたしは

ハルの特別になる為に頑張ってきた。


 
なのに他の人とも同じ

ハルにとってはわたしでも、わたしじゃなくても結局同じ

(ネガティブなことになると思考が極端になってしまう)


わたしの浮かない表情を見て占い師は続ける

「でも、それでも彼があなたから離れないのは
あなたとの時間が彼にとってとても良いものになっているからだし
あなたの存在が支えになっているからよ?」


ほんとですか?」


「もちろん。
彼もあなたみたいにあっちもこっちも手を出せるタイプじゃないし、
他の人と遊びたいからあなたと付き合わない訳じゃない。
縛られたくない彼がそれでもあなたとこうやって関係を続けてるのは、彼もあなたを大切に思ってるからよ。」



………


この人は、わたしが欲しい言葉をくれる
わたしの心が読めているのだろうか


あ、だから占い師なのか


時折カウンセリングモードになってしまい
自分が今占いに来ていることを忘れてしまっていた。


………………
………………………………


「…3年待てる?」




「3年?」




「そう。3年。」



「???」



「今の彼は結婚とか考えられないけど、3年経って彼が30歳になる頃には結婚に対しても前向きになってくる。

その時あなたが彼の隣にいたなら、
彼はちゃんと誠意をみせてくれるわ。」





そっか、


わたしはあと3年も、自分を無理矢理納得させ続けないといけないのか




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