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清水敬一さんの本を読んでみた

清水敬一さんは、著名な合唱指揮者。早稲田高等学院、早稲田大学コールフリューゲルスを経て、プロの合唱指揮者の道に進んだ方だが、還暦を迎えるにあたって書かれた本がこの「合唱指揮者という生き方」。

清水さんの合唱音楽への思い、師匠である関屋晋さんをはじめ清水さんを中心にした円のなかのさまざまな詩人、作曲家、ピアニスト、合唱団に対する思いが伝わってくる本である。清水氏が大切な人を亡くしたときに、関谷先生から言われた言葉は感動的であり、多くの人に知ってもらいたい。本書を買ったのは2019年8月9日に行われた、氏の還暦を祝う、甍会の演奏会会場(杉並公会堂)だったが、そのコンサートで演奏された曲目、王孫不帰、遊星ひとつ、ゆうやけの歌への思いも溢れており、読むタイミングもベストだった。とりわけ、遊星ひとつ委嘱時の三善晃氏とのやりとりは、木島始氏の詩への深い理解とこの曲の誕生への清水氏のかかわりを示すもので、この曲を知る者、聴く者に新たな思いを呼びおこすに違いない。

本の帯には、現代を代表する作曲家の新実徳英氏、信長貴富氏の惹句がある。彼らの言葉に付け加える言葉を知らないが、いまの時代に合唱をしている人にはお薦めの本だと思う。とてもいい本である。

#合唱 #清水敬一

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